15 / 34
ダノンの秘め事
しおりを挟む
ナス魔道師はただ一人、室に閉じこもっていた。ラザ城の西にあるラナ塔は、王に覚えの良いナス魔道師専用の塔である。彼女はここで王の為の偉大なる予言をすると言う口実で何人たりとも出入りを許さなかった。
瘴気を含んだ重くるしい空気は彼女にねっとりとまとわりつき、怪しげな影が現れては消え、消えては現れながら、ナス魔道師になにやらささやいている。彼女は大きな水晶玉に向かい、熱心に呪文を唱えていた。その玉の前にはレ-トの砂漠より持ち帰った二つの石が置かれて、石は黄色とオレンジ色に鈍い光を発していた。
「何か分かったか、ナス。残りの石はどこにある」
隠し扉からダノンが現れた。
「せっかちな御仁じゃ。石は互いに呼びあっておる。四つの石が動いている。このジユダへ向かって来ておるわ」
「こっちから出向いて行く。どこにある」
ナスはしばらく水晶玉を見ていた。透明が曇り、序々に灰色になりそして暗闇を映した。 稲光がし、闇に溶け込んでいた漆黒の翼が玉の中に映し出された。濃い翠の瞳を持ち、それと同じ色の石を首につけている。ナスはその鳥に見覚えがあった。
「ほう、シドではないか。あやつが石を持っておったとは不覚じゃ」
「なんだ、この鳥を知っているのか」
水晶玉を覗きこんでダノンが聞いた。
「ああ、我が王に予言し、この国へ派遣させた第十五級魔法人カ-タの愛鳥じゃ」
「それでは話は簡単ではないか。鳥一羽捕まえればよいのなら」
「そうはいかぬ。こやつは魔鳥の中でも最高位の鳥じゃ、へたな魔法人よりも魔力があり知性もある。ましてすばしっこくての」
珍しくナスは笑い、愛しそうにシドを見た。
「お前の力ですぐここへ召喚せよ」
「それは出来ん。いくらわしでも望まぬ奴を呼び寄せる事は出来んよ。それに奴らが我らに加担するとは思えぬし、正直で愛すべき魔法人じゃからな」
「やはり、力ずくで奪おう。私は行くぞ」
「奴らはユラの宿場におる」
「分かった」
ダノンはまた隠し扉から出てゆくと、大声でキースを呼んだ。キースはすぐにやってきたが、どことなく精彩を欠いていた。冷たい美しい顔には色がなく、葛藤と困惑がさまよっていた。
「ユラの宿場へ行く。そこに四つの石があるそうだ。何者かが石を持ちジユダまで来ているのだ。この私の願いをかなえるためにな。やはり私は選ばれた者のようだぞ」
ダノンは醜悪な笑みを浮かべた。狂気の宿った瞳はもはや常人のものではなかった。
「キース、あのデニスと言う男はどうした」
「約束の金をやって放してやりました。どうせ酒場で飲んでいるでしょう」
「殺せ。金も取り戻せ。無駄な金を使う事はない。私はあんなクズには我慢がならん。生きていても何の役にもたたぬくせに一人前の顔をしておる。私がこの世を支配したら、あのようなゴミどもは一掃してやる。おお、そうだ、あのミラルカという生意気な小娘もな。私を馬鹿にしおったあやつには城のあらゆる処刑道具をつかって責めさいなんでやるわ。その時の泣き叫ぶ顔が見物じゃの」
言い切って声高らかにダノンは笑った。そして妙な目付きで、弛んだ指でキースの肩に触れた。指はキースの肩から首、黒い頭髪までを虫のように這っていった。キースはかろうじて払いのけたい感情を押さえた。ダノンの強い体臭と、おぞましい指に悪寒と吐き気がした。
「のう、キース。私の気持ちは分かっておるだろう。お前は美しい。その引き締まった体も鍛えられた筋肉もなんと素晴らしい事か。まるで神の彫像のようじゃ。猛獣のような強さもしなやかさも、お前は私を虜にする。お前を見る度に私はときめくぞ。今すぐにでもお前を私の物にしたいが、我慢しよう。私が世の支配者になったあかつきには、思う存分にかわいがってくれるぞ」
ダノンの瞳は潤み、分厚い舌は大きな唇を舐めた。
キースはなんとも言えぬ嫌悪と反発を感じて何も言わず立ち去った。
奴隷の子として生まれながら、宮廷に育ったキースは国王に感謝と敬意を持って仕えてきた。奴隷の子と侮蔑され、陰湿な差別に耐えたのも、鍛練に鍛練を重ね、一端の剣士になったのも国王の為なら自分の命を捧げてもよいと思ったからだ。国軍で特攻隊長に命ぜられてから戦場では命を捨て働き、外国諸国にジユダにキース・キャラバンありと名を聞いただけで恐れおののかれるようになった。それなのに気狂いの王弟の色と欲の中でこの身が朽ち果てて行くのかと思うと、今すぐ愛剣を喉に突き立てたい気分であった。
キースは宮廷をうろついた。威厳と伝統が充満し、美よりも剣が似合うこの城こそ自分が仕えるにふさわしいと、そしてそのように生きてきた。女にも酒にも酔った事はなく、ひたすら戦いの中で生きてきた。
ふと、ミラルカを思い出した。衝撃的な娘であった。今頃どこでどうしているのか。
「キース伯ではないか」
暖かい澄んだ声にはっと我に返り、振り返るとフレンザ-・ドッケン二世の姿があった。「これは国王陛下、久しく拝謁をお許し願っておりませぬが」
「よいよい、堅苦しい挨拶はよい」
慌ててひざを折り、うやうやしく言うキースを国王は軽く押し止めた。
「どうした、なにか生気がないようじゃの。悩み事でもあるのか。そういえば、ダノンとどこかへ出かけていたようだが。あやつが何か無理でも申すのか」
人の良い、小柄な老人は気掛かりそうに尋ねた。
「いえ」
「貴公にも苦労をかけるな。前国王ははっきりしたお方じゃってな。跡継ぎは長兄と決めておった。それゆえ、あれには情をかけたりはしなかったのだ。不敏な子じゃ。わしにいつも遠慮して生きてきたのじゃ」
国王はゆったりとした足取りでテラスへ出、暮れてゆくジユダの街を見た。国王の言葉と灰色と朱色に染まった空はキースの心を一層重くさせた。
「あやつはわしに心を開かん。ろくでもない貴族達や怪しげな魔道師と集い、小姓を部屋に引き込み喜んでおる。だからこそわしは貴公にあやつを任せたのじゃが、悪い事をしたようじゃな。忠誠は無理に誓わせるものではない。分かっておるのじゃ。しかし」
「もう何も申されますな。国王にお仕えするのが私の務めでございます。奴隷の子で終わる一生をこうしてお救いくださった国王陛下には感謝いたしております」
国王は優しいほほ笑みをキースに向けた。
「今はそれが貴公の利点じゃの、キース。よく考えるのだぞ」
もう一度ほほ笑んでから、国王はまたゆっくりと去って行った。
一人残ったキースは国王の言葉をありがたく思った。しかし、国王の為にダノンの側にいるか、それともさっさと出奔するか。王族ではないし、貴族といっても名ばかりの彼を責める者はいないだろう。国王自身許してくれた。キースは大きく溜め息をついて、城の中へ入っていった。
瘴気を含んだ重くるしい空気は彼女にねっとりとまとわりつき、怪しげな影が現れては消え、消えては現れながら、ナス魔道師になにやらささやいている。彼女は大きな水晶玉に向かい、熱心に呪文を唱えていた。その玉の前にはレ-トの砂漠より持ち帰った二つの石が置かれて、石は黄色とオレンジ色に鈍い光を発していた。
「何か分かったか、ナス。残りの石はどこにある」
隠し扉からダノンが現れた。
「せっかちな御仁じゃ。石は互いに呼びあっておる。四つの石が動いている。このジユダへ向かって来ておるわ」
「こっちから出向いて行く。どこにある」
ナスはしばらく水晶玉を見ていた。透明が曇り、序々に灰色になりそして暗闇を映した。 稲光がし、闇に溶け込んでいた漆黒の翼が玉の中に映し出された。濃い翠の瞳を持ち、それと同じ色の石を首につけている。ナスはその鳥に見覚えがあった。
「ほう、シドではないか。あやつが石を持っておったとは不覚じゃ」
「なんだ、この鳥を知っているのか」
水晶玉を覗きこんでダノンが聞いた。
「ああ、我が王に予言し、この国へ派遣させた第十五級魔法人カ-タの愛鳥じゃ」
「それでは話は簡単ではないか。鳥一羽捕まえればよいのなら」
「そうはいかぬ。こやつは魔鳥の中でも最高位の鳥じゃ、へたな魔法人よりも魔力があり知性もある。ましてすばしっこくての」
珍しくナスは笑い、愛しそうにシドを見た。
「お前の力ですぐここへ召喚せよ」
「それは出来ん。いくらわしでも望まぬ奴を呼び寄せる事は出来んよ。それに奴らが我らに加担するとは思えぬし、正直で愛すべき魔法人じゃからな」
「やはり、力ずくで奪おう。私は行くぞ」
「奴らはユラの宿場におる」
「分かった」
ダノンはまた隠し扉から出てゆくと、大声でキースを呼んだ。キースはすぐにやってきたが、どことなく精彩を欠いていた。冷たい美しい顔には色がなく、葛藤と困惑がさまよっていた。
「ユラの宿場へ行く。そこに四つの石があるそうだ。何者かが石を持ちジユダまで来ているのだ。この私の願いをかなえるためにな。やはり私は選ばれた者のようだぞ」
ダノンは醜悪な笑みを浮かべた。狂気の宿った瞳はもはや常人のものではなかった。
「キース、あのデニスと言う男はどうした」
「約束の金をやって放してやりました。どうせ酒場で飲んでいるでしょう」
「殺せ。金も取り戻せ。無駄な金を使う事はない。私はあんなクズには我慢がならん。生きていても何の役にもたたぬくせに一人前の顔をしておる。私がこの世を支配したら、あのようなゴミどもは一掃してやる。おお、そうだ、あのミラルカという生意気な小娘もな。私を馬鹿にしおったあやつには城のあらゆる処刑道具をつかって責めさいなんでやるわ。その時の泣き叫ぶ顔が見物じゃの」
言い切って声高らかにダノンは笑った。そして妙な目付きで、弛んだ指でキースの肩に触れた。指はキースの肩から首、黒い頭髪までを虫のように這っていった。キースはかろうじて払いのけたい感情を押さえた。ダノンの強い体臭と、おぞましい指に悪寒と吐き気がした。
「のう、キース。私の気持ちは分かっておるだろう。お前は美しい。その引き締まった体も鍛えられた筋肉もなんと素晴らしい事か。まるで神の彫像のようじゃ。猛獣のような強さもしなやかさも、お前は私を虜にする。お前を見る度に私はときめくぞ。今すぐにでもお前を私の物にしたいが、我慢しよう。私が世の支配者になったあかつきには、思う存分にかわいがってくれるぞ」
ダノンの瞳は潤み、分厚い舌は大きな唇を舐めた。
キースはなんとも言えぬ嫌悪と反発を感じて何も言わず立ち去った。
奴隷の子として生まれながら、宮廷に育ったキースは国王に感謝と敬意を持って仕えてきた。奴隷の子と侮蔑され、陰湿な差別に耐えたのも、鍛練に鍛練を重ね、一端の剣士になったのも国王の為なら自分の命を捧げてもよいと思ったからだ。国軍で特攻隊長に命ぜられてから戦場では命を捨て働き、外国諸国にジユダにキース・キャラバンありと名を聞いただけで恐れおののかれるようになった。それなのに気狂いの王弟の色と欲の中でこの身が朽ち果てて行くのかと思うと、今すぐ愛剣を喉に突き立てたい気分であった。
キースは宮廷をうろついた。威厳と伝統が充満し、美よりも剣が似合うこの城こそ自分が仕えるにふさわしいと、そしてそのように生きてきた。女にも酒にも酔った事はなく、ひたすら戦いの中で生きてきた。
ふと、ミラルカを思い出した。衝撃的な娘であった。今頃どこでどうしているのか。
「キース伯ではないか」
暖かい澄んだ声にはっと我に返り、振り返るとフレンザ-・ドッケン二世の姿があった。「これは国王陛下、久しく拝謁をお許し願っておりませぬが」
「よいよい、堅苦しい挨拶はよい」
慌ててひざを折り、うやうやしく言うキースを国王は軽く押し止めた。
「どうした、なにか生気がないようじゃの。悩み事でもあるのか。そういえば、ダノンとどこかへ出かけていたようだが。あやつが何か無理でも申すのか」
人の良い、小柄な老人は気掛かりそうに尋ねた。
「いえ」
「貴公にも苦労をかけるな。前国王ははっきりしたお方じゃってな。跡継ぎは長兄と決めておった。それゆえ、あれには情をかけたりはしなかったのだ。不敏な子じゃ。わしにいつも遠慮して生きてきたのじゃ」
国王はゆったりとした足取りでテラスへ出、暮れてゆくジユダの街を見た。国王の言葉と灰色と朱色に染まった空はキースの心を一層重くさせた。
「あやつはわしに心を開かん。ろくでもない貴族達や怪しげな魔道師と集い、小姓を部屋に引き込み喜んでおる。だからこそわしは貴公にあやつを任せたのじゃが、悪い事をしたようじゃな。忠誠は無理に誓わせるものではない。分かっておるのじゃ。しかし」
「もう何も申されますな。国王にお仕えするのが私の務めでございます。奴隷の子で終わる一生をこうしてお救いくださった国王陛下には感謝いたしております」
国王は優しいほほ笑みをキースに向けた。
「今はそれが貴公の利点じゃの、キース。よく考えるのだぞ」
もう一度ほほ笑んでから、国王はまたゆっくりと去って行った。
一人残ったキースは国王の言葉をありがたく思った。しかし、国王の為にダノンの側にいるか、それともさっさと出奔するか。王族ではないし、貴族といっても名ばかりの彼を責める者はいないだろう。国王自身許してくれた。キースは大きく溜め息をついて、城の中へ入っていった。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
読心令嬢が地の底で吐露する真実
リコピン
恋愛
※改題しました
旧題『【修正版】ダンジョン☆サバイバル【リメイク投稿中】』
転移魔法の暴走で、自身を裏切った元婚約者達と共に地下ダンジョンへと飛ばされてしまったレジーナ。命の危機を救ってくれたのは、訳ありの元英雄クロードだった。
元婚約者や婚約者を奪った相手、その仲間と共に地上を目指す中、それぞれが抱えていた「嘘」が徐々に明らかになり、レジーナの「秘密」も暴かれる。
生まれた関係の変化に、レジーナが選ぶ結末は―
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
伯爵令嬢の恋
アズやっこ
恋愛
落ち目の伯爵家の令嬢、それが私。
お兄様が伯爵家を継ぎ、私をどこかへ嫁がせようとお父様は必死になってる。
こんな落ち目伯爵家の令嬢を欲しがる家がどこにあるのよ!
お父様が持ってくる縁談は問題ありの人ばかり…。だから今迄婚約者もいないのよ?分かってる?
私は私で探すから他っておいて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる