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八章 無双の魔女カノープス・前編

帝国軍全集

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帝国アガスティヤの国内に於ける情報を纏めた物です、これを読めば貴方も帝国博士!
注意・アホみたいに長い上、読んで得する事は少ししかありません、必要な情報は本編に出ます。ここん読んでいないとわからない事は多分ありません。
ただ、エリスにあまり関わりのない人間は本編中あまり登場しません。なので三十二師団の役割やあんまり登場しない人達ってどんな人だろう…、時になったら見てみてください。

名前の横に★がある人物は特記組出身者。


 
『帝国三十二師団』
帝国軍に於ける主戦力。通常の師団よりも一万多い 三万人で構成され、全九十六万人の大軍勢。師団員はどれも通常の帝国兵を大幅に上回る実力を持つ所謂エリートであり、その上層部は特記組である場合が多い。 

師団にもそれぞれ役目が存在している。

帝国第一師団 《将軍補佐師団》
将軍(主にルードヴィヒ)の執務補佐や指揮の補佐を行う最も将軍に近い立場にいる者達、戦闘能力は言わずもがな、文官としての仕事も任される為 正しく文武両道の エリートにしか入団を許可されていない。

因みに全師団で最も給金がいい。

第一師団長ラインハルト・グレンデル★
別名・怒りの巨人
第一師団を束ねる褐色肌の男、常に冷静であり前線に出ることはあまり無く 基本的にルードヴィヒ将軍の意向を師団以下兵隊に伝えるのが役目。
だがその実力が疑われる事は無く。時折師団員を引き連れ行う『地獄の特訓』は他の師団員達が竦みあがる程恐ろしいという。


帝国第二師団《遊撃攻勢隊》
有事の際は将軍の意向を無視して自由に動く権利を与えられた唯一の師団。全師団で最も自由な立場であるが故に多大な責任と非常に柔軟な思考、そして当たり前のことだが高い実力が要求される。

因みに全師団で最も有休消化率が高い。

第二師団長フリードリヒ・バハムート★
・別名 絶界の伏龍
特記組史上最大の功績とも言われる 特記組最強世代の一人にして兄貴分であり、最強の師団長 マグダレーナに次ぐ実力者と実しやかに囁かれる男。
ちゃらんぽらんのあっぱらぱーであり、非常にだらしのないヤツとしても有名、会議はサボるし給料はいつも給料日の十日前には使い果たすし、彼の自宅は綺麗好きのラインハルトが訪れた際 あまりの汚さに卒倒したとも言われるほど汚い。

それでも団員からの信頼は厚く、なんだかんだ他の師団からも頼りにされているのは 彼の高い実力と有事の際の行動力の高さにある…らしいのだが、その有事があんまり起きないのが問題でもある。

自分はハインリヒよりはマシだとも思ってる。

帝国第三師団 《超速突撃隊》
座右の銘は『直線突撃』、そんな言葉を旗に書いて持ち運ぶような熱い師団。
有事の際は真っ先に敵に突撃して相手に壊滅的打撃を与えることを目的とした突撃隊にして、全員が全員バチバチの武闘派である。
毎日特訓と称して上裸で集まり河川敷で殴り合いをしており、住民から『純粋に怖い』とのクレームが殺到してラインハルトがお腹痛めてる。 

因みに全師団で最も器物破損による始末書提出率が高い。

第三師団 団長 ゲラルド・ガーゴイル
・別名 ブッコミ隊長
塔のようなリーゼントヘアーが特徴の帝国の突撃隊長にして喧嘩番長、元々士官学校一の問題児であり十二の夜には学校の窓全部割り次の日には普通に登校してきたブッコミ番長。
問題児ではあるが愛国心と皇帝への忠誠心は人一倍高く、日々帝国の平和の為 訓練を積んでおり、その真面目さが評価され 今では師団長に上り詰めた努力家。

エリートでも特記組でもなく、純粋に努力だけでトップまで上り詰めた彼の姿は、帝国兵の落ちこぼれ達の希望の星である。

帝国第四師団《国防諜報隊》
帝国の暗部にして帝国七不思議のうちの一つ、他国や帝国の敵対組織に対して諜報活動を行う所謂スパイ達。構成メンバーの名前から姿まで 全てが謎に包まれており 嘘か真か構成メンバー同士でも互いの事を知らないらしい。

徹底して身分が隠されており、当然経歴にも記載されず その行動が表に出る事は極めて稀、また 現役はもちろんながら退役後も第四師団所属である事を明かす事は許されず。一人の諜報員が退役し 老衰で没するまで妻にも子供にも自分の所属を明かす事がなかったとされる。  
勿論、死後も彼らが諜報員であった事は機密である為、皇帝カノープス自ら死後 その功績を称えて墓標に直々に花を手向けているのも内緒である。
リーシャのような他国の監視員はここの所属ではないが、ニコラスはここの所属の諜報員。

因みに全師団で最も退役後の年金が多い。

第四師団 団長 ザスキア・ドッペルゲンガー
・別名 無貌の影
素性が知れない第四師団の中でも際立って正体が分からないと言われる人物。
女性である ということのみ分かっており、彼女が何者か知るのは将軍やラインハルトだけと言われる。

今現在はその任務を終え、自らの不始末を取るためセルフ謹慎中。

帝国第五師団《帝国海軍主力隊》
帝国の領土は膨大である、その海域はさらに膨大である、そんな無限の水平線の守護者である帝国海兵隊の主力とも謳われる海の軍神達。
通常の海兵隊クラスなら 隊長を務めてもおかしくないような選りすぐりのエリート達だけで構成された三万人は 水平線の彼方まで見通し、愚かにも帝国の海に侵入した海賊を消し飛ばす事を仕事としている。

因みに全師団で最も規律に厳しい。

第五師団 団長トルデリーゼ・バジリスク★
・別名 藍染を割く巨刃
帝国の海を守る軍神の長。苛烈にして熾烈 潮風にやられた髪はガサガサであり、それがより一層彼女の恐ろしさを強調する。海を生きる賊達の恐怖の象徴であり 帝国の平和の象徴。

リーシャ同様特記組出身の最強世代の一人、個人で唯一戦艦の運用が許された人物であり一人で戦艦を動かすことが出来る恐ろしい人物、ただ頭はあまり良くなく 本人もそれを自覚しているため戦略は別の人間が担当している。
フリードリヒとは幼馴染の仲であり、フリードリヒも彼女の事を手のかかる妹としてみている、が トルデリーゼはフリードリヒを兄として見ていない、もっと別の存在として見ている。

彼女の所有する帝国海軍主力戦艦のカノープス級四番艦イータ・カリーナは大型の魔力機構を複数搭載した史上最大の魔装である。余談になるが ヘットが作り出した巨大戦艦『ウィッチハント』は盗み出したカノープス級の設計図を流用して作られている。

帝国第六師団 《兵站補給隊》
帝国軍の後方支援を担当する非武装の非戦闘員達からなる唯一の師団。
されどその入団条件は第一師団に並ぶほど厳しいものであり、戦闘を行わないからこそ 戦闘以外の全てを請け負うべし!という理念の元動く、その為あらゆる技能を要求される

特に料理人が多く所属しており、少ない食材で如何に兵の士気を高め 健康を考え 腹を満たすか。これを実現出来るような特級の料理人が少なくとも数千人は所属しており、平時は皇帝陛下お抱えの料理団としても働いている。

因みに全師団で最も離婚率が高い。

第六師団 団長 ブルーノ・シルキー
・別名 鉄人料理人
宮殿の台所を任されているコック長も兼任する男であり、元世界一の料理人。つまりタリアテッレ負けてその座を転げ落ちた現状暫定世界二の料理人。
最高の食材を最高の料理にすることに長けており、世界中のあらゆる料理に精通したまさしく料理の鉄人であり、有事は包丁一つで軍の士気を底上げする人物。

ただタリアテッレに負けた事をかなり根に持っており 彼女の名前は禁句、下手に出すと凄いいじけるが、多分世界で一番タリアテッレの腕を認めている男でもある。

帝国第七師団 《極地戦闘特化隊》
どんな地形 どんな環境 どんな状況でも必ず仕事をやり遂げる仕事人気質の人間が集まる師団。
帝国の西端や端の方は皇帝の加護が完全に行き渡っておらず 雪山なども多いが、そう言った通常の兵士では満足に活動出来ない空間こそ 彼らの仕事場だ。

因みに全師団で最も季節感の無い格好をしている。

第七師団 団長バルバラ・ケルベロス★
・別名 三面六臂のバルバラ
戦闘 指揮 後方支援、軍の活動に於ける必要最低限の能力を全て水準以上に持ち合わせた三面六臂の人物。世話好きな一面も いつどんな状況になっても対応出来るように…という彼女のやや物騒な面から来る行動である。

でも優しくので他の師団員からはかなり好かれている。

帝国第八師団《城壁突破隊》
敵の城壁や陣形による守りなどを突破することに長けた重装備の師団。最も中型兵装を所有する団でもあり、彼らの手にかかれば目の前に山があろうが何があろうが突破する。最強の強行軍。

因みに全師団で最も平均知能指数が低い。

第八師団 団長ゲーアハルト・ヨルムンガンド★
・別名 大地鳴動のゲーアハルト
怜悧な眼鏡を掛けた冷静な団長、に見せかけた熱血漢であり浪漫狂い。
目の前にどんな艱難が存在していようが構わず突っ込み突撃で解決しようとする脳筋であり、冷静な物言いやクールな佇まいからは考えられないくらい 言動は頭悪い。

愛武器は突追兵装『アオスブルフ・バンカー』、いわゆる所のパイルバンカーであり 超重量級の魔装。火力だけなら師団長の持つ魔装でも随一なのだが戦闘ではあんまり命中しない事で有名…、というのもこれ 元々人に向けて打つように設計されていないので仕方がない。

帝国第九師団 《軽装攻防隊》
重装隊とは遂になる部隊。少ない兵装で可能な限り継戦し身軽な格好で攻撃にも防御にも移れるフリー部隊。第二師団と役割が似ているがこちらには第二師団程の自由行動は認められていない。
攻撃も防御も行う戦争の何でも屋であるが故に必要以上の武器を持たず、その身一つで戦況を変える戦争のプロフェッショナルばかりが集まる。

因みに全師団で戦死者・負傷者が少ない。

第九師団 団長ハインリヒ・フェニックス
・別名 不死鳥のハインリヒ
団長降格を六回されその都度功績を挙げて第九師団の団長に返り咲く男。非常に不真面目であり 何処か剽軽とした物言いは緊張感を欠く、しかもお調子者で下手におだてるとすぐに調子に乗るダメな部類に入る人間。
だが部下からは最高の団長として慕われているのは 彼は決して部下達を犠牲にするような指示は出さないからだろう。攻撃も防御も行うが故に危険を伴うこの部隊を指揮し 常に戦死者・負傷者を最低限に抑えつつ キチンと任務を達成する敏腕ぶりは普段からは見る事はできない。

自分はフリードリヒよりはマシだと思ってる。

帝国第十師団 《帝国決戦師団》
全三十二師団最強の師団と名高きエリートの中のエリート達。その役目は単純 凡ゆる闘争のフィニッシャーであり 全ての戦い幕を降ろす存在。味方には軍神であり 敵には死神と言える存在。
徹底した実力主義であり 鍛錬を怠ればすぐに団から外され 、常に厳しい訓練を繰り返す彼らの実力は、一団員でありながらアルカナ幹部を上回る物である。

因みに全師団で最も軍事活動費を多く支給されている。

第十師団 団長マグダレーナ・ハルピュイア★
・別名 神鳥のマグダレーナ
現役最高齢の女軍人であり、元帝国将軍も務めた生きる伝説。全盛期は遠の昔に過ぎ去り 今や当時の力の一割程度しか残っていないにも関わらずそれでも師団長最強の座に居座り続けているが、本人はもう自分を超える存在は師団にも何人かいるとのこと それでも現役でいるのは其奴らが頼りないから。

師団長であると同時に教官であり、現三将軍や特記組最強世代など 実力ある若者は大体彼女の教え子でもある。現在は引退し 後進のジルビアへの引き継ぎを進めている。


帝国第十一師団 《帝国機甲師団》
大型魔装 戦術魔装 戦略魔装と言った大型の兵装を扱い使用する師団。本人達の実力以上に魔装の取り扱いのメンテナンス技術が重視され、中には魔装技師も多く所属する。
平時は魔力機構技師として軍部の魔装メンテナンスエリアで働く人間が多い。

因みに全師団で最も未婚者が多い。

第十一師団 団長 ユゼフィーネ・フレスベルグ
・別名 超絶魔装神
機構作成の天才少女。いつもダボダボの服を着て瓶の底のような眼鏡を掛けた陰気な彼女だが、こと魔力機構作成 及び取り扱いに関しては帝国でも右に出る者は無く。七歳の時点で帝国ちびっ子魔力機構コンクールを四連覇、十代の時点で殿堂入りを果たした史上唯一の人間。その腕は皇帝陛下からも認められており 師団長で唯一 将軍の許可を取らず陛下の私室に入ることを許されている。

当人の戦闘能力は非常に低く 戦場に出ればまず間違いなく真っ先に死ぬと自負しているが、有事の際は彼女がその手で作り上げた三つの戦術級魔力機構が合体し 50メートル越えの巨大な人型決戦兵器 『超絶魔装神 ビッグバンフレスヴェルグ』となり戦闘を行う、尚 激烈に燃費が悪いため滅多に動かさない。

第十二師団 《機動槍撃部隊》
基本武装は槍、それを用いた戦術行動を行う前線活動部隊。所謂師団の主力であり第十三 第十四に並ぶ花形師団として知られ パレードなどでも見栄えが良いと人気の職。
ただのお飾りではなく当然実力も高く カンピオーネを使わせたら右に出る者はおらず、その余りの強さから 魔女排斥組織との戦闘の際 投入されると相手がそれだけで降伏したとも伝えられる。

因みに全師団で最もモテる。

第十二師団 団長ユーディット・フレスベルグ
・別名 神槍大鷲
第十二師団を束ねる女猛将。ユゼフィーネ・フレスベルグの姉であり 姉妹揃って師団入りしている帝国史上でも稀な存在。妹と違いこちらは純粋な実力を持った達人であり、手に持った二本の槍『穿槍コインヘン』と『壊槍クリード』を大鷲の羽の如く振るい、敵を蹴散らす姿は女性人気も非常に高い。

元々は将軍アーデルトラウトの相棒とも言える第1の部下であったが 後に独立し、今は師団長として彼女を支えている。

帝国第十三師団 《紅蓮龍騎兵団》
師団員全員が馬術に精通した騎馬隊。帝国の国章を掲げながら突撃するその姿は帝国兵の憧れであり、『愛国者たる者、十三師団を目指せ』と多くの士官学校でも言われるほど。

龍を国章として使うアガスティヤ帝国において龍騎兵は古来より重要な役職であり、戦術的観点以上に重宝される傾向にある。その為戦場では敢えて活躍の機会を設けられる事もあるため戦績を上げやすいらしい。それをよく思う者もいれば 結局お飾り扱いかよ と不満に思う者も居る

因みに全師団で最も人気。

第十三師団 団長 ヴィルヘルム・ドラグーン★
・別名 龍騎士
龍の兜で顔を隠した寡黙な騎士。紅蓮龍騎兵団を束ね率い その先頭で馬を手繰る将軍であり、男子の憧れの的。
愛馬ドラグーンカイザーとの連携は凄まじく、丸で馬が彼の足のように動き 彼が馬の手のように動くと言われる。模範的な騎馬兵であり いつも馬舎に入り浸っている。

帝国内でも人気の高い人物だが、戦場では喋らない上、常に兜で顔を隠している為顔も分からない不透明な人物。一説によれば絶世の美男子とか 顔に傷を負ったニヒルなオジさんとか色々言われているが。ここだけの話 実はすごい馬面


帝国第十四師団《剣撃制圧師団》
専用の剣型魔装を片手に戦う近接戦専門の師団。全員が剣術の達人であり 生半可な相手では彼らを止める事さえ出来ない。帝国でも随一の実力者集団であり 帝国の力の象徴。
剣を使い戦うその姿は非常にヒロイックであり、帝国軍をモチーフにした小説やお伽話では、主人公が所属するのは基本的にここ。なので子供人気が凄い。

因みに全師団で最も子供の将来なりたい職業に選ばれている。

第十四師団 団長 マルス・ムシュマッヘ
・別名 丸顔のマルス、或いは剣聖マルス
マグダレーナに次ぐ古株であり帝国一の剣士。今はもう全盛期とはまでは行かないが それでもその剣の腕は円熟の域にあり、若さと力に溢れた若者団員達を片手で一蹴する程。
かつては剣聖と呼ばれ師団最強の人物として知られたが、特徴的な丸い顔と丸い目を持っており、それが年々激しくなっており 少し前に皇帝カノープスより『丸顔のマルス』と呼ばれたことをきっかけにその二つ名が定着した。本人も気に入っている。

地味に将軍から師団へ降りたマグダレーナを超えて、師団長歴はNo. 1。

帝国第十五師団 《深淵魔導法団》
帝国の魔術を開発した扱う魔術部門の権威。魔術師団の中でも限られた者しか入団出来ないエリートの象徴であり、魔術導国アジメクとタメを張れるだけの優秀な魔術学者を揃えている。
多くの魔術師が所属しているが。別に戦闘要員ではないため別に強いわけではない。

因みに全師団で最も陰が薄い

第十五師団 団長 ヴォルフガング・グローツラング
・別名 魔術王
帝国一の魔術師…いや世界最高の魔術王。七魔賢最古参のメンバーであり トラヴィス・グランシャリオと並ぶ魔術界のトップとして知られる人物。カノープスの腹心で彼と謁見するには皇帝の許可が必要という異例の待遇を受けている人物。

古くから、それこそマグダレーナよりも前からカノープスに仕えていたが 軍に入ったのは最近であり、ましてや第十四師団のトップに立ったのも最近の話。彼がそれまでの間何をしていて どうして軍に入っていなかったかは不明、というか彼のことに関しては殆ど分かっていない。

分かっているのは、ルードヴィヒとは別の方向で最も魔女に近い存在であるということのみ。

帝国第十六師団《東方守護主力隊》
帝国領土四方を守る四つの師団のうちの一つ。東方を守護する東方守護軍の主力師団。
守護師団なので戦闘ではなく守護を目的としている。その為強力な兵装などは持ち合わせないが その分歴戦の戦士が多く所属している。

因みに全師団で最も規律に厳しい。

第十六師団 団長 エミリア・ラタトスク★
・別名 東方の小鼠
東方を守護する小さな女の子。師団でフィリップに次ぐ年少者であり 最も規律に厳しい師団長である。その体躯の小ささからよく人からナメられることが多い彼女は部下からも敵からもナメられないように 全霊で職務に臨み、少しでも気を抜いたり職務を怠慢する部下は優秀でも師団から外す徹底ぶり。

誰に対しても厳しいが故に、誰よりも自分に厳しい彼女の実力が低くないことは言うまでもない。

帝国第十七師団《西方守護主力隊》
帝国領土四方を守る四つのうちの師団の一つ、西方を守護する西方守護軍の主力師団。
主に関所などの管理を行っており。国内に入る人間達の素性を調べ上げる事を仕事としている。
ゴラク達が所属するのは西方守護軍だが、師団には入れていない。

因み全師団で最も規律に緩い。

第十七師団 団長テンゴウ・ハヌマーン
・別名 西方の暴れ猿
西方を守護する猿顔の熱血漢。ゴラク・ハヌマーンの父であり上司。
熱血漢で何事も本気でぶつかる事を信条としており その性根が師団全体に行き渡っている。曾祖父の代から西方地帯に住んでおり その頃からこの地域を守っている軍人家系の人間、なので 西方守護軍からも『ハヌマーン』の名は勇猛な男の証拠と認知されている。

豪快な男だが、ケジメはしっかりつけており たとえ息子だからと贔屓せず一人の部下として扱っている。その公私混同しない様は息子から憧れられているが 周りから見たら不自然に息子の前で団長振ろうとするその姿は なんだか面白いらしい。

親子そっくりな猿顔。

帝国第十八師団《南方守護主力隊》
帝国領土四方を守る四つの師団のうちの一つ、南方を守護する南方守護軍の主力師団。
帝国軍内には守護軍に異動させられる事は即ち左遷である、という風潮がある。言ってみれば僻地に飛ばされ家に帰ることも出来ない為だ。されど彼ら守護師団はそんな事気にしない、我等は愛する帝国を守る第1の盾であると胸を張って今日も国境を守る。

因みに全師団で最も酒の消費が激しい。


第十八師団 団長 アレクシス・バーゲスト
・別名 南方の死神
南方を守護する痩せこけた顔色の悪い男。その恐ろしい顔つきとズタボロの黒いローブを着込み 鎌を持ち徘徊するその姿から死神と恐れられる男。しかし部下は知っている、別に彼は死神と呼ばれるような怖い男ではないことを。
ズタボロのローブは単に物持ちがいいだけだし、手に持った鎌は庭を整える為の農具だし、痩せこけているのは父親似なだけ。話してみると意外に気さくな人物だったりする、あんまり話しかけられないが。

されど一度戦場に立てば、その姿は死神というより武神。四方守護師団最強とも言われる剣の腕で帝国の敵対者を伐採する。


帝国第十九師団《北方守護主力隊》
帝国領土四方を守る四つの師団のうちの一つ、北方を守護する北方守護軍のの主力師団。
彼らは国境全域を守る師団ではある為、帝国に侵入しようとする魔女排斥組織にとっては第1の関門となり得る。事実守護師団達が毎年撃破する魔女排斥組織の数は50を越える。
帝国内に入り込んだ魔女排斥連合も、彼らの働きがなければ今の三倍には膨らんでいただろう。

因みに全師団で最も口うるさい。

第十九師団 団長 バルナバス・ノーム
・別名 北方の穴熊
北方を守護する髭面の大男。一撃で大木を切り倒す膂力の持ち主であり その怪力で魔女排斥組織をなぎ倒す勇猛果敢な将。また帝国軍人としてベテランである為 経験も豊富であり、元第十師団に所属の経験もある。

北方守護師団に異動になり、極北の地に移住し その先で今の妻と出会い、大恋愛の末結婚。今は二人の娘と共に家族四人仲良く暮らしている。北方の穴熊と恐れられる男も家ではテディベアもいい所である。


帝国第二十師団《帝国決死隊》
死を顧みず、己に固執する事なく、手に持つ武器で相手を殺す事だけを考えて動く帝国師団最恐の部隊。彼らが動けばそれはもう戦いでは無く 帝国が相手の殲滅にかかった証拠であり、彼らを前にする抵抗は 頭に『無駄な』が付く場合が多い。

帝国の恐怖の象徴であり 民からも恐れられる存在だが、文字通り彼らの戦いは決死であり、誰からも讃えられずとも 誰をも守る帝国最高の愛国者でもある。

因みに全師団で最も訓練時間が長い。

第二十師団 団長 ドロンコ・ヒジコ
・別名 真道一刃
漆黒の髪と真っ黒を持つ女剣士。細身の刀を使い高速の剣撃を飛ばすマルスに並ぶか 或いは上回る現帝国最強の剣士。その腕はタリアテッレには及ばないまでも凄まじいものであり、重い甲冑を着込んでなお 目にも留まらぬ速度で敵の首を跳ね上げる。

元々帝国の人間ではなく、出身は東の島トツカ。トツカとの貿易船に乗り込み 密入国した所を皇帝に気に入られ士官。以降帝国軍人として活動する。本来の名前は『土子 泥子』

第二十一師団《帝国特殊憲兵隊》
帝国の国内秩序を維持するための憲兵隊。その憲兵隊達の中でもエリートとされ 特に凶悪犯罪の際に駆り出される帝国の猟犬。帝国の敵を嗅ぎ分ける捜査力 的に食らいついて離さない追跡力 そして咬み殺す殲滅力、一国の軍隊と比較しても劣らぬどころか上回る程の規模を持つ彼等の前で悪事は全て詳らかになる。

因みに全師団で最も会話が少ない。

第二十一師団 団長エルケ・アインヘリアル
・別名 一人旅団
帝国の秩序維持を担う特殊憲兵隊のドン。たった一人で数千人の犯罪組織を破壊したワンマンアーミー。また 一切の犯罪を許さず 一切の敵対勢力の存在も容認しない姿勢は帝国随一の過激さを誇り 味方からも恐れられることもしばしば…。

味方からも恐れられる現状を特に気にしてはいなかったが、師団内での報連相がなっていないとラインハルトから注意を受け、少しでも仲間と打ち明けようと週一で部下達とパーティを開いている。ちなみにパーティ中喋る人間はおろか 酒に口をつける者もいない。


帝国第二十二師団 《国内危険薬物取締隊》
十五年前、アルカナによって帝国内に危険薬物が持ち込まれた際 かつての二十師団を組み替え新設された最も新しい師団。国内に持ち込まれる危険薬物 劇薬から中毒性の高いものまで全てを網羅し国内への侵入をシャットアウトするスペシャリスト達。

嘘をついた、頑張っているがスペシャリストではない 。というのも彼らは元あった二十師団を組み替えられて構成されている為 元は薬物対策の人材でない物が大多数を占めている、そして 今現在帝国にそれほど危険な薬物が出回っていないというのもあって まだこれといって功績を挙げられていないのが現状。まぁ仕事がないのが一番の成果なんて団員達は言ってはいるが…。

二十二師団はかつては《帝国特戦師団》、第十師団の帝国決戦師団に並ぶ帝国の切り札の一つであった…。つまり その構成員の大多数がかつての一線級の実力者ばかりの為、名前で甘く見ていると怪我をする。

因みに全師団で最も愛国心に溢れる。

第二十二師団 団長 フェリクス・ウロボロス★
・別名 帝国の天龍
かつてマグダレーナの跡を継ぐとまで言われた優秀な男だった人物。今は全盛期を過ぎて中年を謳歌するおじさん。自分はもう現役引退間近だからと普段から何事も程々に済ませるようにしている。

昔は凄かったとはいうが、別に弱くなったわけではないので 戦闘になれば普通に強いのだが、本人がもう若い人間に活躍の場を譲ろうとする為あんまり戦場には立たない。

帝国第二十三師団《極方守護主力隊》
カストリアとポルデュークの間に存在する天番島の守護を任されている師団。かつては七魔女会議の舞台になったと言われるも、既に数百年は使われておらず 半ば放棄されたに近い状態にある孤島に赴任し、来るわけのない敵を待ち続けるのが彼らの仕事だ、

出世とは無縁の地。ここに飛ばされた人間は左遷に近い扱いを受け 権力闘争に負けた師団長候補が行き着く果て。
されど、出世云々を抜きにすれば温暖な気候の中大した仕事もせず毎日遊んで暮らしていける為、出世欲のない者達からは楽園とも呼ばれる複雑な師団である。

因みに全師団で最も戦闘訓練が少ない

第二十三師団 団長アン・アンビプテラ★
・別名 暗暗の放浪人
彼女を人はこう呼ぶ 『帝国一の釣り名人』と。天番島に赴任してより早五年、毎日のように埠頭に立って釣竿を振るい続け 釣り上げた魚は星の数。生態系に影響を及ぼすんじゃないかってくらい釣りに没頭する彼女は今日も軍服を脱いで肩から下げて 朝から晩まで釣りを楽しむ。

天番島をこれ以上ないくらい謳歌している彼女の姿に、部下達もまた気を張っているのがバカバカしくなって遊んでいる節があるくらいだ。

けれど、所謂ベテランと呼ばれた兵士は知っている。彼女がかつて出世の悪魔と呼ばれ あらゆる人間を蹴落として師団長を目指していた女だと。彼女がこのような腑抜けになったのは 左遷され出世を諦めたからか、或いは願いの師団長になれて 満足したか…。そこは誰にも分からない。


帝国二十三四師団《国外駐屯軍総司令部》
帝国が世界各地に駐在させている国外駐屯軍の総指揮を執る司令部。各地にどれだけの軍を派遣し、派遣先の軍からの報告を纏める役目を担っている。ここ自体が戦闘を行うことは少なく 基本的に国外駐屯軍の管理を行うだけでそれ以上のことはしない。

しかし、ディオスクロア文明圏に点在する数百万もの軍勢の動向を一度に管理する その労力はエゲツない。

因みに全師団で最も眼鏡率が高い

第二十四師団 団長ヴェンデルガルド・ギルタブニル★
・別名 天来の常勝団長
世界各地に存在する国外駐屯軍の総司令官を務める女性。各地に派遣する軍の管理を行っている。軍の派遣撤退は全て彼女の一存で決められ 例え他国からの要請があろうとも必要がなければ軍は出さないし 必要とあらば同盟国に惜しまず派遣する。

そんな彼女を事務専門の師団長と侮る声も少なくないが。部下は言う とんでもないと。必要となるならば自らも援軍として同盟国の助けに向かい そこで指揮を執ることもあり その際の勝率は今のところ100%

そりゃそうだ、何せ彼女が赴くと言うことはそれだけ事態が切迫していると言うこと。彼女が負ければその国は滅び 多くの人間が命を落とす。彼女はそれを常に感じながら軍を動かす。多くの同盟国とそこに住む人々の命を守る その責任を果たす為に。

帝国二十五師団《対外脅威殲滅師団》
帝国領土外からの脅威を撃滅することを目的とした師団。侵略者などの人為的なものから天災などにも幅広く対応する帝国の盾。人災 天災問わずその腕力で全てを撃滅する為 言わずもがな、実力は全師団でもトップクラス。

ただ唯一彼らに欠点があるとするなら、それは職務に忠実すぎる事。つまり彼らは外にしか目を向けないのだ、一度帝国内に入り込んだ存在に関しては全くのノータッチ。アルカナとの戦いの際も一度も姿を見せなかった。その癖 よく足元をすり抜けられる。

因みに全師団で最も一週間の間に開かれるミーティングの数が多い。


第二十五師団 団長オイゲン・スプリガン★
・別名 帝国の瞳
皇帝陛下の眼 その代理人と呼ばれる帝国の守り手。常に敵対者と対峙している為 その白コートはズタボロであり、身に纏う武装も修復が追いつかないほどに傷だらけである。

その風貌となりふり構わぬ戦闘スタイルはアルクカースの戦士さえ恐れさせる程の物であり帝国で一番喧嘩したくない男としても有名である。が その風貌と恐るべき逸話とは裏腹と言うか何と言うか、彼は未だ実家暮らしであり 家では母親に頭が上がらないとかなんとか。

そんな母を養う為には帝国軍人になった彼は、今日も母を守るため帝国の敵を撃滅する。


帝国二十師団《超重装特殊師団》
帝国軍でもトップクラスの重装備である『アヴァラガ』と言う名の大鎧を全員が身に纏った重装部隊。全長十数メートルにも登る大鎧型魔装を着込んだ二十六師団の猛威は凄まじく。ただ行進するだけで敵を踏み潰し 如何なる攻撃も通さず、投入されれば帝国の勝ちは揺るがないと言われ、帝国の切り札の一つとしても数えられる。

因みに全師団で最も師団長への忠義が厚い。


第二十六師団 団長ループレヒト・ハルピュイア
・別名 白銀の大巨人
伝説の英雄マグダレーナの息子であり 長く二十六師団の団長を務めるベテラン団長。周囲の師団長達からの評価も高く、どんな時も沈着冷静に物事を見極める彼の眼力は確かなもの。
通常のアヴァラガよりも更に巨大かつ重厚な『ダルハン・アヴァラガ』を専用の魔装しており。いざ戦場に出れば彼もまた一騎当千の将となる。

しかし、幼い頃から母の英雄譚を聞き及んでいた彼にとって。今の立場や力は満足に値するものではなく。母を越えるため懸命に生涯をかけて鍛錬を積み続けた少年はいつしか壮年となり やがて己の限界を悟った。

秘密裏に行なっていた魔女化計画によって多数の死者と帝国にとって最悪の敵を生み出した罪は重く。彼は 今後その罪を償う事に残りの余生を使うことだろう。

例え、始まりが如何に高尚であれど 選択を間違え 答えを誤った者に訪れる結末とは、かくも残酷である。

帝国二十七師団《宮殿守護師団》
帝国府でもある大帝宮殿を守護する役目を負ったエリート達。別名宮殿務めとも言われ 実力以外にも品行方正であり 帝国への絶対的な忠義を持った者でなくてはなれず、二十九師団と並び所属すれば人生勝ち組とも揶揄されるほど煌びやかな毎日が送れる。

と信じられているが、実際には普通に激務であり 所属したことを後悔する者も後を絶たない。

因みに全師団で最も年間残業時間が長い。

第二十七師団 団長ローマン・ボグルボー
・別名 帝国府の化け狸
でっぷり太った豚のような見た目の男。皺で醜く歪んだその顔と彼が帝国の大商一族ボルグボー家の出身である事を知った人間は皆思うだろう、ああ コネでこの地位を手に入れたのだなと。

事実彼は剣の腕も大したことはない。軍略に長けているわけでもない。先頭になればコロリと負けるし お金は大好きだしすぐ怒鳴る。師団長として強くもないし 人格者でもない。されど皇帝陛下が彼に向ける信任は厚い。何故か?それは彼の忠誠心の高さと辣腕と言えるまでの人員掌握能力を持つからだ。

一目でその人間の得手不得手を見抜き、本人も知り得ない才能を指摘し、どんな人間も彼の手にかかれば一流の仕事をすることが出来る。そう 彼自身が弱くとも彼は他人を強く育てることが出来る。彼はその才能と血の滲むような努力だけでこの地位を得たのだ、信頼しないわけがないだろうと皇帝は語る。

帝国二十八師団《魔女排斥組織対応師団》
帝国と敵対する最たる組織 マレウス・マレフィカルムへの対応を行う組織。国内で動く魔女排斥組織の情報を集め 他の師団と連携して行動を行い、時として二十八師団自身もまた戦場に立って戦うこともある 対魔女排斥組織のプロフェッショナル。

ここ最近は大いなるアルカナへの対応で一杯一杯であり、正直後手に回っていた感が否めないということもあり。今後大規模な組織変革が予定されている。

因みに全師団で最も朝が早い。

第二十八師団長 団長インゴルフ・クラーケン
別名 百手蛸のインゴルフ
長く垂れた髪を蛸の足のように八つに纏めた特徴的なファッションの男性。魔女排斥組織の対応を務めてかれこれ二十年のベテランであり、平の一兵卒から師団長に上り詰めた出世の男。

帝国の敵への情けを一切持ち合わせておらず、魔女排斥組織が相手ならどのような形でも撃滅してもいいと思っている過激な人物。時として他の師団長達からもドン引きされるほど苛烈な手を打つこともあり 部下からも一線を置かれるほど。

かつて彼と共に入隊した人間も、かつての上司も みんな魔女排斥組織との戦いで散っていった。その都度にマレフィカルムへの恨みを募らせ続けており それは最早狂気の段階に至っている。


帝国二十九師団《空挺師団》
反重力機構にて浮かび上がる浮遊都市 それと同じく空中に浮遊する要塞を拠点とする空中戦専門の帝国兵団。理論上どんな場所にも向かうことが出来 如何なる敵陣にも降下することが出来るとされており 今一番皇帝陛下が期待し力を入れている師団でもある。

しかし、完成したのが最近であり まだ設備が不十分ということもあるため。大規模な作戦への投入は見送られている。事実アルカナ討伐戦には参加していない。

因みに全師団で最も歴史が浅い。

第二十九師団 団長エルネスタ・ラクタヴィージャ
・別名 千武万剣の俠
元海賊の女船長だった人物。かつては海魔ジャック・リバイアと凌ぎを削る海の覇者の一人であり 魔女大国さえ恐れない大海賊として名を馳せていた。
しかし、そんなある日 随分優美に船が彼女の縄張りを呑気に浮かんでいるのが見えたのだ。何処かの貴族の遊楽か 或いは間抜けな商人の貨物船か。なんでもいいから襲ったれと襲ったところ エルネスタ海賊団は全滅した。

船に乗っていたのはディオスクロア文明圏の海洋調査の視察に訪れていたカノープスが乗り合わせていたのだ。さしもの大海賊も皇帝相手では手も足も出ない、エルネスタは船ごと海の藻屑にされ そのままカノープスに囚われたのだが…。その際皇帝に気に入られ 海賊としての罪を償う為 帝国軍人へと転職する。

自らの船を潰し 超常の力を示し、それでも尚気高く優雅に立ち振る舞うカノープスのあり方に彼女もまた惚れており。皇帝の誘いを受けるなり船長の座をかなぐり捨ててその足元に膝付いたとされている。ただ一眼見ただけで相手に絶対の忠誠を誓わせる皇帝のカリスマに当てられた人間の一人である




帝国三十師団《民衆保護師団》 
帝国の国民を守る事を主とした師団。有事の際は民衆を率先して避難させ 護衛する事を義務付けられており、避難先の整備や国民の避難訓練及び避難時のマニュアルの制作等も行う。
国民の安全を第一とする彼らの姿勢は国民からも広く受け入れられており、平時の際は一緒に畑仕事をしたりなど 最も民衆と近い位置にいる師団と言ってもいい。

因みに全師団で最もアットホーム

第三十師団 団長ミリヤム・ドモヴォーイ★
・別名ミリちゃん
街を歩けばみんなから挨拶され、商店街を行けばあれこれおすそ分けしてもらうマルミドワズのアイドル的存在。可憐で快活 ややドジっ子な部分はあれども愛嬌と受け止められる淑女であり、彼女と一緒に働く事を目的として帝国軍入りする若者も多い程 民衆に人気な師団長。マルミドワズを一つの家族として考えており、家族を守る為ならばとどんな危機の中にも飛び込み民を救い出す勇気を持ち合わせている。

戦いは苦手であると常々口にしているが、一度 魔女排斥組織に襲撃した村を助けに行った際は 村人を守る為屁っ放り腰で剣を構え 果敢に立ち向かったこともある。

そして普通に勝った。別に 戦いが苦手なだけで弱いわけではない。その活躍の機会がないだけで 彼女もまた師団長の一角なのだ。


帝国第三十一師団《皇帝直属護衛団》
皇帝に最も近い位置でその身を護衛する役目を背負った最も栄えある師団。第二十五師団同様立ち振る舞いにも細やかな気遣いが求められ、陛下が連れる第一の配下であるという意識が無ければ入隊の話自体来ることがない。
戦っては行けない皇帝同様、彼らもまた戦いことがあってはいけない。彼らが戦うということは即ち皇帝の目の前に敵がいるということになるのだから

師団の中には皇帝直属のメイド達も含まれているが、メグはこの師団の管轄外にいる。

因みに全師団で最も支給される物品が高い。

第三十一師団 団長ゼルマ・ヨルムンガンド★
・別名 帝国の地龍
特記組最強世代よりも数世代前の特記組出身者。流麗なる立ち振る舞いと圧倒的な戦力そして煌びやかな見た目。まさしく絶世の美女 或いは麗しの騎士。喋るだけでなんかキラキラしたオーラが飛んで後ろにバラの束が見えるような美しさが特徴の師団長。

常に皇帝陛下の背後に立ち、時として皇帝陛下の御身と尊厳を守る為に立ち振る舞うその姿は他国の王達からも『騎士道の中心を征く者』と絶賛される。

戦う機会というものには一切恵まれないものの、それでも有事に備えて常に訓練は欠かさず、肉体の全盛期を超え始めた頃だというのに未だ高みに登り続けている

帝国三十二師団《特殊狙撃師団》
超々遠距離から標的を狙撃することを目的とした狙撃部隊 その中でも特段したエリート集団。魔術と弓を掛け合わせた帝国製魔力弓の技術向上とデルセクトが開発した火薬式の長銃の登場によって戦場での狙撃兵の需要が急増し始めており、その分彼らにかかる期待は大きい。

因みに全師団で最も団長に甘い。

第三十二師団 団長フィリップ・パピルサグ
・別名 星煌の射手
全師団長最年少の団長。自由奔放な性格であり 気の赴くままに戦闘を行う無邪気かつ恐ろしい性格の持ち主。既に十代という年齢でありながら戦場で数多くの敵を屠り 数多くの勲章を授与してきた経歴を持つ。
テイルフリング王国の王家 パピリサグの末裔、つまり何世代か前は王族であったのだが、既に本人含めテイルフリング王国の人間も過去の話と割り切っているところがある。

魔女の弟子エリスに恋心を抱いているともっぱらの評判。彼が別の人間に対してそこまで入れ込むのは初めてであり、本人もまた初恋であると公言している。初恋故好きな女の子に対する距離感というものが分からず とりあえず贈り物を贈っとけと色んな物を贈り エリスに迷惑されている。




『将軍 及び将軍直属部隊』

三十二の師団長や数百万の帝国軍全ての頂点に立つのが三人の将軍達である。将軍とは皇帝より軍の運用を任される立場にあり 皇帝の権威を守る為に全霊を尽くす者達のことを言う。
基本的にはその実力と功績を鑑みて将軍昇格の話が浮かぶ為、一応一兵卒から将軍大抜擢もあり得るにはあり得るが 今までそんな事例は一度も無い為実質無いような物。基本的にはいつも師団長達の中から選ばれる。

将軍直属部隊は三将軍が己の手足として扱い、将軍の働きを補佐するために存在する部隊。 
時として師団長以上の権限を振るうこともあると言われる将軍直属部隊は、常に将軍の側にいる為滅多な事では戦場に出ないとされており 彼らの実力が如何程かは帝国に軍にもあまり知られていない。
というか、恐ろしいほど陰が薄い

帝国筆頭将軍 ルードヴィヒ・リンドヴルム★
・別名万能全知の将ルードヴィヒ
帝国軍七百万強の頂点に立つ存在にして三将軍達の中で頭一つ飛び抜けた存在、そして帝国軍 及び人類最強の男としても知られる。実力的に言えばこの世で最も魔女に近い地位にいるともされ その実力は歴代将軍の中でも最強と名高い。

隔絶した地位にいる物の勤勉で真面目であり、必要とあらば自らが他国に赴き その目で状況を判断する事もある程に行動的。しかしそれが災いしてかいつも信じられないくらい多忙であり 偶に虚ろな目で窓の外を見ながらコーヒーを飲んでいる姿が目撃されている。

特記組から鳴り物入りで軍に加入。その後凄まじい速度で昇進を繰り返し 瞬く間に当時将軍だったマグダレーナからその座を奪う形で将軍に就任。元は第一師団の団長であったが あんまりにも早く昇進した為彼が第一師団の団長だった事を覚えてる人間はあんまりいない。

・ルードヴィヒ直属 第一師団《将軍補佐師団》
前述の通りルードヴィヒを補佐するのは第一師団である。第一師団とは別にルードヴィヒを補佐する為だけの部隊を作ろうか という話になった際、ラインハルト以外に自分の隣を任せたくない というルードヴィヒの鶴の一声により現在の形に収まることになった。

その言葉を聞いたラインハルトは涙を流してルードヴィヒの評価をありがたく受け入れたが、翌日の激務にやっぱり将軍補佐は荷が重いと痛感するのだった。

帝国将軍 アーデルトラウト・クエレブレ★
・別名 万事穿通の将アーデルトラウト

帝国三将軍の一人であり歴代最年少&最速で将軍に就任した麒麟児。若さ故か性分故か過激な部分があり 帝国の敵対者には一切の妥協も許しも与えず撃滅することを是とする姿勢を取っており。自分が筆頭将軍に立った暁にはマレウス・マレフィカルムを確実にこの世から消し去ると宣言している。
ただ皇帝陛下や現筆頭将軍であるルードヴィヒには敬愛の念を示しており。二人の言うことならばどんなことでもやってのける

趣味は人形集めと人形遊び。所謂ブンドドが趣味であり 部下や周りの人間に内緒で人形を集めては自室で一人遊んでいる。この間ユゼフィーネからビッグバンフレスヴェルグの可動フィギュアを高値で譲ってもらい 現在それがかなりのお気に入り。

・アーデルトラウト直属 終末行軍 《戦乙女大隊》
アーデルトラウトが自ら選別し自ら鍛えた自らの組織。師団クラスの力を持ちながら完全に師団とは独立した別組織。
将軍の中でも切っての過激派であるアーデルトラウトの部下という事もあり 彼女達もまた過激な姿勢を持つ。

ユーディット・フレスベルグはかつてこの大隊の隊長でもあった。

帝国将軍 ゴッドローブ・ガルグイユ★
・別名 万団剛剣の将ゴッドローブ
帝国三将軍の一人にしてルードヴィヒと同期の特記組出身者。天を衝くような巨漢と見る者を竦ませる強面の持ち主から誤解されがちだが、帝国でも切っての穏健派として知られる。
慎重に物事を見据え 確たる証拠がなければ意見を口にせず。されど降った命令には何よりも実直に対応する。その堅実な姿勢は皇帝からも高く評価されており 彼が言うなら と皇帝が意見を変える事もしばしある。

妻帯者であり二人の娘と一人の息子がいる。彼は三人の子供達を心底愛しており 望むのならどのような生き方をしても良い と公言しているのだが、息子と娘はゴッドローブの名に恥じない軍人になる と今から言って聞かない模様。

・ゴッドローブ直属 首都防衛機関『千人隊』
たった千人だけで構成された首都防衛を担う軍団。常に陰ながらマルミドワズを監視しており 何かあれば即座に対応する。大いなるアルカナ達魔女排斥連合軍がマルミドワズを襲撃した際最も早く対応に出たのが千人隊であり 魔女排斥軍を瞬く間に殲滅したのもまた千人隊。
魔女排斥組織達がマルミドワズは落とせないとする際たる理由が彼ら千人隊である。

 

『皇帝』カノープス
史上唯一無二のアガスティヤ皇帝であり、魔女世界唯一の大皇帝。一般的に魔女世界で『皇帝』と言えば則ちカノープスであり、他の国の王が皇帝を名乗ってそれは僭称と呼ぶ。
軍の人間では無いが一応帝国軍の戦力の一つとして数えられている。八人の魔女最強の名は伊達ではなく もし戦場に出れば如何なる敵も瞬時に撃滅するだけの力を持つが。彼女が戦場に出る と言うことは帝国軍の敗北であり八千年間命を賭して皇帝を守ってきた軍人達の魂の安寧を妨げる物になる。故に彼女は如何なることがあっても戦場には出ず その全てを帝国軍に任せる。
もし彼女が戦場に出ることがあれば それは則ち世界の存亡を賭けた戦いのみである。
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