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着信

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 いつもと違う感覚。自分以外の存在が隣にいる感覚で目が覚めた。

「朝……か?」

 壁にかかってる時計をみると朝どころか、すでに9時をまわっていた。

「んん~~、ゆうちゃんおはょ~」

 睦月がくっついてくる。お互いに何も着ていなかった。
 おかげて寒い!

「睦月姉ごめんな?」

「なんで、あやまるの~?あたしはすっごく幸せで嬉しかったんだょ?初めてのチュウはゆうちゃんにって決めてたんだから…」

 言いながら顔を赤くして顔を半分隠してしまった。年上とは思えないほど可愛いのだが。俺ってやつは…

「ゆうちゃんまだネムネムなの?」

「あっ、いや……」

「まだ寝ててもいいよ?はい膝枕♪」

「えっ?えっ?」



 結局布団から出たのは昼を過ぎてからだった。

「ゆうちゃんお昼なに食べる?」

「昨日の残りでいいよ」

「ん、わかった。今あたためるね。ん~このやり取り、なんか新婚さんみたーい♪」

「…ッ」

 テーブルに並べられた暖めた食事を二人でつつきながらたべてると睦月が真面目な顔をして俺に言ってきた

「ねぇ、ゆうちゃん?思い出させちゃうんだけど、まだ雪花ちゃんのこと忘れてないよね?」

「えっ、あっ…」

「ぅうん、いいの。昨日の今日だし、そんな簡単に割りきれるような人だったらあたしも好きになってないもの。その~だからね、シ…シちゃったけどそれを重荷には感じてほしくないなぁって思って…」

「いや、俺も中途半端はイヤだからちゃんと自分の中で決着をつけるよ」

「……!うん、うんっ!」

 ちゃんと責任取らないとな

「後これ渡しておくね。この部屋の合鍵。家にいずらかったらいつでも来てゆっくりしてていいから。昨日歯ブラシとかも買って置いたからね」

 なんか、こんなに尽くされるとダメになっちゃいそうだな…
 昼食を食べた後、睦月がスーツに着替えて化粧をしていた。

「じゃ、あたしはちょっと仕事で学校にいってくるね。ゆうちゃんはどうする?」

「一応、一度帰るよ。昨日は無断で泊まっちゃったし、今日は母さん達も帰ってくるから。もしあれだったらまた来る…かも?」

「うん、わかった。無理しないでね?それで、え~とね?いってらっしゃいのチュウとか…ダメ?」

 か、かわいい…

「い、いいよ…」

「やた♪行ってきます!チュッ!」

 バイバイッと、小さく手を振って睦月が部屋を出ていく。
 これは…いろいろマズイかもしれない

 部屋に一人残ったところで、昨日睦月に電源を落とされてからつけてなかったスマホをカバンから出して電源をいれた。

 奈々からの着信が38件、留守電が3件でメッセージが3件。
 紗雪からの着信も23件、留守電は2件。
 そして雪花からの着信は3件、留守電は1件のメッセージが1件。

 まずは留守電を再生すると全て似たような内容だった。どこにいるのか、無事なのか、と言うもの。雪花からの留守番は無言だった。
 奈々からのメッセージは雪花から話を聞いたと言うことと、無事かどうかの返事だけでも欲しいと言うこと。
 雪花からのメッセージは、ごめんなさいの一言だった。

 とりあえず、ネカフェに泊まった事と今から帰るって内容のメッセージを全員に送った。みんなすぐに既読が付き、紗雪からは無事で良かったという返信が。
 奈々からはすぐに電話がきた。

『おにぃ!?大丈夫なの?生きてる?今どこ!?』

『はは、ちゃんと生きてるから大丈夫だ。今から帰るよ』

『よかっ…良かったよぉぉぉ~~!ふぇぇ~~!ショックで死んじゃったかと思ったんだよぉぉぉ~!うわあああああん!』

『あー雪花から聞いたんだな』

『ぐすっ。んーん、聞いたんじゃないの。こんなことになるなんて絶対あの人のせいだと思ったから力ずくで聞き出したの』

『力ずく!?』

『うん……でも、ヒック…絶対あやまらないから!』

『まぁ、今帰るから』

『うん』

 さて、帰るか
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