29 / 52
睦月
しおりを挟む
目の前から雪花がいなくなってどれくらいたったかはわからないけど、辺りはもう暗くなっていた。もう、この場所に戻って来てくれることはないのだろう。この場所にいても仕方がないので適当に歩き出す。
どこを歩いても恋人達と派手な音楽ばかりで目障りな上、耳障りなためそれをさけるように進んでいたら学校の前についていた。
クリスマスの学校は時間のせいもあってか、職員室にも明かりはなく、真っ暗で人気がなくなり、いつもと違って静まり返って無音が支配する場所に変わっていた。
とくに何も考えずに校舎を見上げ、そのまま背を向けてまた目的もなく歩きだそうとすると背中から知った声が聞こえた
「ゆうちゃん?」
「…先生か」
おそらく、以前冬休み中も仕事があるとか言ってたからそれが終わって出てきたのだろう。視線だけ送り、そのまま立ち去ろうとすると睦月は駆け足で寄ってきて俺の手を掴んだ。
「ちょ、ちょっと!なんでそのまま行っちゃうのよ!……ってゆうちゃんその顔どうしたの!?手もこんなにガサガサで冷たくなってるし!」
うるさいな
「なんでもない」
「なんでもないじゃないでしょ!そんな…そんな辛そうな顔して!ちょっとこっち来なさい!あたしんち、学校の近くに借りてるからすぐだから」
近くに借りてるのはきっと、昔から朝弱いからなんだろうな。そんなことより、今は誰ともいたくないんだ。余計な事はしないでくれ。
「いや、いい」
「じゃあ、どこかいくところあるの?多分だけど…家にも帰りたくないんでしょ?」
「それは…」
「いいからお姉ちゃんの言うこと聞いてついて来なさい!」
「…っ」
両手を掴まれ睦月の大きな目でじっと見つめられる。俺が目をそらしても追いかけてきて決してそらすことなく。小さい頃から俺に何か伝えて来るときはこの目をするもんだから逆らうことを躊躇してしまうし、こうなった睦月は絶対に引かないのもわかっていた。
「わかった。わかったからもう手を離してくれ」
「ふふん、わかればよろしい。じゃちょっと買い物して帰るよ」
そう言って俺の腕に抱きついてきて歩きはじめた。このロリ巨乳先生は厚着してるのに柔らかいものが腕にあたる。
「睦月姉《むつきねぇ》離れろよ。知ってる奴に見られたらまずいだろ」
「だーめ、離したらまたどっか行きそうだし。それに何か言われたら従姉妹です。って言えば大丈夫!それに学校じゃ敬語なのに、ゆうちゃん口調が昔に戻ったね。嬉しいなぁ」
「学校の外は別だろ。敬語とかも疲れるし」
「あたしは別に学校でもいつも通りでいいけど?」
「TPOだよ」
そんな事を話してるとスーパーに着く。話してると思い出さなくなるから少し楽になった気がする。睦月には少し感謝だな。
「はいはい。あっ、スーパー着いたね。ちゃちゃっと買い物して帰ろう!何か食べたいのある?」
「なんでもいい」
「なら適当に時間つぶしてて見繕って買ってくるから」
「わかった」
言って雑誌コーナーに向かう。睦月はカートにカゴを乗せて歩いていく。適当に雑誌を見てもクリスマス特集ばかりで、クリスマスデートやら告白の仕方やら今の俺には見たくないものばかり。こーゆーとこにある本は俺の好きなマンガやラノベは置いてないので手持ちぶさたになってしまう。飽きてきたので、睦月を探しに歩いていると見たことあるクラスの集団が前から歩いてきた。その中には紗雪の姿もあった。気づかれる前に視界からはずれるように逃げてスーパーから出ていくまで様子を伺いながら逃げ続ける。集団が出て行く姿を見送り、ほうっと息をはく。
「ゆうちゃん……中村さんと何かあったの?」
後ろから声がして振り向くとカートを押したままの睦月の姿があった。
「いや、紗雪とはなにも…」
「紗雪ちゃんとは?妹さんのほうと何かあったの?」
「あっいや……」
「ふ~~ん。ま、いいけどね。ほら、会計したら行くよ?荷物もってね?」
「あぁ、わかった」
会計を済まし、何を買ったのか知らないがビニール袋3つ分にもなった荷物を持ち特に会話もなく睦月の後ろをついていく。
しばらく歩いてると、少しおしゃれな薄い水色の壁紙の二階建てのアパートについた。上下五部屋ずつの全部で10部屋。
「205があたしの部屋だから」
そう言って外階段を上がって二階に上がっていくと二階の奥の部屋につき、睦月がカギを取り出して開ける。
「さ、どうぞ入って?」
「おじゃまします…」
中に入ると1DKの間取りで割りと広めの部屋だった。洗濯物も干したままで水色や紫、ピンクの下着とかが目に入る。
「あんまりじろじろみないでね?ってどこ見てんの………きゃあっ!ちょっと!普通下着とか見たら目をそらすでしょー!もう!ちょっと玄関で待ってて!」
そう言ってバタバタと部屋に入り洗濯物を取ってしまっていく。
「いいよー!部屋に入ってきてー!」
言われて部屋に入ると薄ピンクと白で統一された可愛らしい部屋だった。
「睦月姉、相変わらず少女趣味なのな」
「別にいいじゃない?可愛いんだもの。それより時間も時間だしご飯にしよう!今暖めたりして準備するからお風呂シャワー入って来ちゃって。ゆうちゃん全身冷たくなってるから。タオルは脱衣室の棚にあるし、後これ。さっき買ってきたスウェット。サイズは大きめの買ってきたから多分入るとおもうから」
そう言われてスマホを見ると19時20分の表示。昼過ぎに雪花に会ってからもう大半の記憶が無いが、こんな時間になっていた。
そいえば昼も食べてなかったな。
シャワーから出て用意してもらったスウェットに着替えて用意された座椅子の上に腰掛けると、長方形のガラステーブル上にところ狭しとスーパーの惣菜が並んでゆく。
唐揚げに生春巻き、あんかけ焼きそばにチーズフライ。俺の好物ばかりが並べられていく。
「サイズ大丈夫だったみたいだね。でもちょっと大きかったかな?これ全部ゆうちゃんの好きなのでしょ?とりあえずいっぱい食べてお腹だけでも満足しよ?」
そう言われるとさっきまで全然すいてなかった腹が減ってくる。惣菜の匂いが食欲を刺激して、思わず目の前の唐揚げに手が伸びた。
「あ、うまい…」
「よかったぁ、ちゃんと食べれたね。顔色悪かったから食欲ないのかと思ってたんだぁ。ホントは手作りとかがいーんだろうけどね」
「いや、そんなことないよ。睦月姉ありがと」
そう言いつつ料理にどんどん箸を伸ばす。生春巻きを取ろうとするが上手く掴めなかった。視界が滲んでいく。体も暖まり、食べて腹も少し膨れると、ホッとしてしまったせいか、涙が出てきて止まらなかった。嗚咽とかもなく、ただ涙だけが目から溢れて流れていく。それでも箸を止めずに食べ進めていく。
「ゆうちゃん……」
睦月はそれだけ言って後は何も言わず、俺が食べ終わるのを待っててくれた。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さまでした。コーヒー飲む?」
頷くとしばらくして目の前にコーヒーが置かれた。
「食べたばかりだから少し休んでてね。あたしも仕事だったし、シャワー浴びてくるから」
そう言って浴室の扉の向こうに消えていった。
俺、何してんだろーな。絶対成功すると思って気合い入れて告白してフラれて従姉妹に拾われて飯まで貰って…。脱力っていうのか、何をするのにも自主性を持って動けてない。
睦月がシャワーから出てきたら出ていこう。今日は母さんも雪路さんもいないし、家には帰りたくないから適当にネカフェにでも行くか…。
と、そこで俺のスマホが振動する。着信先は奈々だった。切れるまで待つ。すると、またすぐかかってくる。
「電話出ないの?」
顔をあげると少し湿った髪でピンクのモコモコナイトウェアに包まれた睦月がいた。
「あっ…いや…」
いいよどんでいると睦月が俺のスマホを取って電源を切った。そのまま俺の隣に腰を下ろす。肩が触れるか触れないかの距離。
「これでもう電話きてもわからないよ」
そなままスマホをテーブルの上に置いた。それをバックに入れ、着替えて出ていこうと腰を上げようとすると手を掴まれて引き留められる。
「ねぇゆうちゃん…なにが、あったの?聞かせて?おねがい。今のゆうちゃん一人にできないし見てられないよ…。今出ていってもきっとお家には帰らないでしょ?」
見透かされていた。そのまま座り、考えたあと少しずつ話し始めた。多分、聞いて欲しかったのかもしれない。同情して欲しかったのだろう。気付けば嘘の告白から今日フラれた事までのすべて睦月姉に話していた。
全て話し終わり沈黙の時間になる。それまで何も言わずに話を聞いていた睦月が立ち上がると俺のほうを向いて膝の上にまたがるように座ってきた。
顔と顔の距離が近い。
そしてそのまま口を開いた。
「ゆうちゃん…あたしはすぐそばにいるよ?こんなに近くにいる」
ナイトウェアの前のボタンを外して前を開いていくと、ノーブラだったのか、睦月の肌があらわになる。
「なっ!」
顔を真っ赤にしながらそのまま俺の手を自ら取り、自分の柔らかで豊満な胸に当てる。
「んっ!……ほら、ゆうちゃんが触れてるようにあたしは今ここにいるし、どこにも行かないよ?」
「む、むつきねぇ?」
「だから…ね?今ここにいてゆうちゃんのそばを離れる事のないあたしを感じて?」
睦月の手が俺のスウェットの中に入ってくるとそのまま上を脱がされ、倒れかかってくる。肌と肌が触れ温もりと安心感が包む。
睦月の顔が近づいてきたかと思うと唇に柔らかな感触と睦月の舌が口内に侵入してくる。
「ふむっ……ん、ちゅ…れろっ、ちゅっ…」
「ゆうちゃん……好き……大好き……」
どこを歩いても恋人達と派手な音楽ばかりで目障りな上、耳障りなためそれをさけるように進んでいたら学校の前についていた。
クリスマスの学校は時間のせいもあってか、職員室にも明かりはなく、真っ暗で人気がなくなり、いつもと違って静まり返って無音が支配する場所に変わっていた。
とくに何も考えずに校舎を見上げ、そのまま背を向けてまた目的もなく歩きだそうとすると背中から知った声が聞こえた
「ゆうちゃん?」
「…先生か」
おそらく、以前冬休み中も仕事があるとか言ってたからそれが終わって出てきたのだろう。視線だけ送り、そのまま立ち去ろうとすると睦月は駆け足で寄ってきて俺の手を掴んだ。
「ちょ、ちょっと!なんでそのまま行っちゃうのよ!……ってゆうちゃんその顔どうしたの!?手もこんなにガサガサで冷たくなってるし!」
うるさいな
「なんでもない」
「なんでもないじゃないでしょ!そんな…そんな辛そうな顔して!ちょっとこっち来なさい!あたしんち、学校の近くに借りてるからすぐだから」
近くに借りてるのはきっと、昔から朝弱いからなんだろうな。そんなことより、今は誰ともいたくないんだ。余計な事はしないでくれ。
「いや、いい」
「じゃあ、どこかいくところあるの?多分だけど…家にも帰りたくないんでしょ?」
「それは…」
「いいからお姉ちゃんの言うこと聞いてついて来なさい!」
「…っ」
両手を掴まれ睦月の大きな目でじっと見つめられる。俺が目をそらしても追いかけてきて決してそらすことなく。小さい頃から俺に何か伝えて来るときはこの目をするもんだから逆らうことを躊躇してしまうし、こうなった睦月は絶対に引かないのもわかっていた。
「わかった。わかったからもう手を離してくれ」
「ふふん、わかればよろしい。じゃちょっと買い物して帰るよ」
そう言って俺の腕に抱きついてきて歩きはじめた。このロリ巨乳先生は厚着してるのに柔らかいものが腕にあたる。
「睦月姉《むつきねぇ》離れろよ。知ってる奴に見られたらまずいだろ」
「だーめ、離したらまたどっか行きそうだし。それに何か言われたら従姉妹です。って言えば大丈夫!それに学校じゃ敬語なのに、ゆうちゃん口調が昔に戻ったね。嬉しいなぁ」
「学校の外は別だろ。敬語とかも疲れるし」
「あたしは別に学校でもいつも通りでいいけど?」
「TPOだよ」
そんな事を話してるとスーパーに着く。話してると思い出さなくなるから少し楽になった気がする。睦月には少し感謝だな。
「はいはい。あっ、スーパー着いたね。ちゃちゃっと買い物して帰ろう!何か食べたいのある?」
「なんでもいい」
「なら適当に時間つぶしてて見繕って買ってくるから」
「わかった」
言って雑誌コーナーに向かう。睦月はカートにカゴを乗せて歩いていく。適当に雑誌を見てもクリスマス特集ばかりで、クリスマスデートやら告白の仕方やら今の俺には見たくないものばかり。こーゆーとこにある本は俺の好きなマンガやラノベは置いてないので手持ちぶさたになってしまう。飽きてきたので、睦月を探しに歩いていると見たことあるクラスの集団が前から歩いてきた。その中には紗雪の姿もあった。気づかれる前に視界からはずれるように逃げてスーパーから出ていくまで様子を伺いながら逃げ続ける。集団が出て行く姿を見送り、ほうっと息をはく。
「ゆうちゃん……中村さんと何かあったの?」
後ろから声がして振り向くとカートを押したままの睦月の姿があった。
「いや、紗雪とはなにも…」
「紗雪ちゃんとは?妹さんのほうと何かあったの?」
「あっいや……」
「ふ~~ん。ま、いいけどね。ほら、会計したら行くよ?荷物もってね?」
「あぁ、わかった」
会計を済まし、何を買ったのか知らないがビニール袋3つ分にもなった荷物を持ち特に会話もなく睦月の後ろをついていく。
しばらく歩いてると、少しおしゃれな薄い水色の壁紙の二階建てのアパートについた。上下五部屋ずつの全部で10部屋。
「205があたしの部屋だから」
そう言って外階段を上がって二階に上がっていくと二階の奥の部屋につき、睦月がカギを取り出して開ける。
「さ、どうぞ入って?」
「おじゃまします…」
中に入ると1DKの間取りで割りと広めの部屋だった。洗濯物も干したままで水色や紫、ピンクの下着とかが目に入る。
「あんまりじろじろみないでね?ってどこ見てんの………きゃあっ!ちょっと!普通下着とか見たら目をそらすでしょー!もう!ちょっと玄関で待ってて!」
そう言ってバタバタと部屋に入り洗濯物を取ってしまっていく。
「いいよー!部屋に入ってきてー!」
言われて部屋に入ると薄ピンクと白で統一された可愛らしい部屋だった。
「睦月姉、相変わらず少女趣味なのな」
「別にいいじゃない?可愛いんだもの。それより時間も時間だしご飯にしよう!今暖めたりして準備するからお風呂シャワー入って来ちゃって。ゆうちゃん全身冷たくなってるから。タオルは脱衣室の棚にあるし、後これ。さっき買ってきたスウェット。サイズは大きめの買ってきたから多分入るとおもうから」
そう言われてスマホを見ると19時20分の表示。昼過ぎに雪花に会ってからもう大半の記憶が無いが、こんな時間になっていた。
そいえば昼も食べてなかったな。
シャワーから出て用意してもらったスウェットに着替えて用意された座椅子の上に腰掛けると、長方形のガラステーブル上にところ狭しとスーパーの惣菜が並んでゆく。
唐揚げに生春巻き、あんかけ焼きそばにチーズフライ。俺の好物ばかりが並べられていく。
「サイズ大丈夫だったみたいだね。でもちょっと大きかったかな?これ全部ゆうちゃんの好きなのでしょ?とりあえずいっぱい食べてお腹だけでも満足しよ?」
そう言われるとさっきまで全然すいてなかった腹が減ってくる。惣菜の匂いが食欲を刺激して、思わず目の前の唐揚げに手が伸びた。
「あ、うまい…」
「よかったぁ、ちゃんと食べれたね。顔色悪かったから食欲ないのかと思ってたんだぁ。ホントは手作りとかがいーんだろうけどね」
「いや、そんなことないよ。睦月姉ありがと」
そう言いつつ料理にどんどん箸を伸ばす。生春巻きを取ろうとするが上手く掴めなかった。視界が滲んでいく。体も暖まり、食べて腹も少し膨れると、ホッとしてしまったせいか、涙が出てきて止まらなかった。嗚咽とかもなく、ただ涙だけが目から溢れて流れていく。それでも箸を止めずに食べ進めていく。
「ゆうちゃん……」
睦月はそれだけ言って後は何も言わず、俺が食べ終わるのを待っててくれた。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さまでした。コーヒー飲む?」
頷くとしばらくして目の前にコーヒーが置かれた。
「食べたばかりだから少し休んでてね。あたしも仕事だったし、シャワー浴びてくるから」
そう言って浴室の扉の向こうに消えていった。
俺、何してんだろーな。絶対成功すると思って気合い入れて告白してフラれて従姉妹に拾われて飯まで貰って…。脱力っていうのか、何をするのにも自主性を持って動けてない。
睦月がシャワーから出てきたら出ていこう。今日は母さんも雪路さんもいないし、家には帰りたくないから適当にネカフェにでも行くか…。
と、そこで俺のスマホが振動する。着信先は奈々だった。切れるまで待つ。すると、またすぐかかってくる。
「電話出ないの?」
顔をあげると少し湿った髪でピンクのモコモコナイトウェアに包まれた睦月がいた。
「あっ…いや…」
いいよどんでいると睦月が俺のスマホを取って電源を切った。そのまま俺の隣に腰を下ろす。肩が触れるか触れないかの距離。
「これでもう電話きてもわからないよ」
そなままスマホをテーブルの上に置いた。それをバックに入れ、着替えて出ていこうと腰を上げようとすると手を掴まれて引き留められる。
「ねぇゆうちゃん…なにが、あったの?聞かせて?おねがい。今のゆうちゃん一人にできないし見てられないよ…。今出ていってもきっとお家には帰らないでしょ?」
見透かされていた。そのまま座り、考えたあと少しずつ話し始めた。多分、聞いて欲しかったのかもしれない。同情して欲しかったのだろう。気付けば嘘の告白から今日フラれた事までのすべて睦月姉に話していた。
全て話し終わり沈黙の時間になる。それまで何も言わずに話を聞いていた睦月が立ち上がると俺のほうを向いて膝の上にまたがるように座ってきた。
顔と顔の距離が近い。
そしてそのまま口を開いた。
「ゆうちゃん…あたしはすぐそばにいるよ?こんなに近くにいる」
ナイトウェアの前のボタンを外して前を開いていくと、ノーブラだったのか、睦月の肌があらわになる。
「なっ!」
顔を真っ赤にしながらそのまま俺の手を自ら取り、自分の柔らかで豊満な胸に当てる。
「んっ!……ほら、ゆうちゃんが触れてるようにあたしは今ここにいるし、どこにも行かないよ?」
「む、むつきねぇ?」
「だから…ね?今ここにいてゆうちゃんのそばを離れる事のないあたしを感じて?」
睦月の手が俺のスウェットの中に入ってくるとそのまま上を脱がされ、倒れかかってくる。肌と肌が触れ温もりと安心感が包む。
睦月の顔が近づいてきたかと思うと唇に柔らかな感触と睦月の舌が口内に侵入してくる。
「ふむっ……ん、ちゅ…れろっ、ちゅっ…」
「ゆうちゃん……好き……大好き……」
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
悩んでいる娘を励ましたら、チアリーダーたちに愛されはじめた
上谷レイジ
恋愛
「他人は他人、自分は自分」を信条として生きている清水優汰は、幼なじみに振り回される日々を過ごしていた。
そんな時、クラスメートの頼みでチアリーディング部の高橋奈津美を励ましたことがきっかけとなり、優汰の毎日は今まで縁がなかったチアリーダーたちに愛される日々へと変わっていく。
※執筆協力、独自設定考案など:九戸政景様
高橋奈津美のキャラクターデザイン原案:アカツキ様(twitterID:aktk511)
※小説家になろう、ノベルアップ+、ハーメルン、カクヨムでも公開しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
恋愛
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる