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ミラクルシフォン!

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 はいっ!とゆーわけでね、とうとう橋本家と中村家の会食の日がきましたよー!
 若干おめかしした俺達が今向かっているのは駅の近くの中華料理屋。個室もあって、今回みたいな会食にはちょうどいいって母さんが言ってた。仕事の打ち上げとかで来た事あるみたい。

「予約していた橋本です」

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。どうぞ、こちらになります」

 案内され入ったのは赤と金で装飾された、THE中華って感じの部屋。
 待ち合わせは午後7時。現在6時45分。
 向こうの家族はまだ来てないみたい。
 来るまで部屋を物色してたら案内役の人の声が聞こえた。どうやらきたみたいだ。

「弥生《やよい》ちゃん、待たせたね。今着いたよ」

「雪路《ゆきじ》さん♪大丈夫よ、まだ7時になってないもの」

 ちなみに橋本弥生がうちの母さん。
 中村雪路さんが雪花達の父さんだ。

 少し遅れて姉妹が入ってきた

「初めまして、双子の姉の中村紗雪で………ん?」

「妹の雪花です」

「よっ!」
 軽く手を上げる

「橋本くん!?なんで???」

「なんでって言われても、中村さんと雪花のお父さんがうちの母さんの恋人だからだよ」

「そういうことよ」

「えっ!?せっちゃんも知ってたの!?なんで教えてくれなかったのぉ~!」

「そっちの方が面白そうだったからよ」

「む~~~~っ!」

 クイクイ
 ん?
 人見知りモード発動中の奈々に服の裾を引っ張られていた。

「ちょっとおにぃ、あの二人知り合いなの?」

「あぁ、同じクラスの子だよ」

「ふ~ん…すんごい可愛いね」

「だろ?」

 ブチッ!

「痛っ!」

「フンッ」

 まーた拗ねた。
 負けない位に可愛いんだから拗ねなくてもいいのに。

「じゃあ揃ったところだし食事にしようか!まずは初めまして、悠聖君に奈々ちゃん。君達のお母さんとお付き合いをさせてもらってる、中村雪路です。よろしくね。で、こっちの二人が娘の紗雪と雪花。さっきの話を聞いてると、悠聖君とはクラスが同じみたいだね?」

「よろしくお願いします。二人とは仲良くさせていただいてます」

「……奈々です」

「こいつは人見知りなんで挨拶はこんなもんで勘弁してください」

 奈々の頭をグリングリン撫でながら言う。

「今度はこっちね。初めまして、橋本弥生です。仕事は声優をやってて、そっちでは弥生だけを名乗っているの。二人ともよろしくね」


 両家の自己紹介が終わり、2人様子を見てみると紗雪はなぜか目を見開いていた。
 そして雪花は立ち上がって俺の隣にきてこう言った

「お父さん、弥生さん。申し訳ないけれど賛成できないわ。」

「……雪花、なんでだい?」

「実は私と彼は付き合っているの。結婚も考えているのに、兄妹は結婚できないのでしょう?だからよ」

 ………うわーまじかー。すげえドヤ顔してるけど、とっておきってこれかー。想像以上にポンコツだったーー!


「ん?それなら何も問題はないんじゃないか?義理の兄妹でも結婚できるんだぞ?」

 雪路さんが若干呆れながら言う。

「えっ?」

 雪花が止まる

「あらーあらあら、悠くんが言ってた彼女って雪花ちゃんだったのねー♪兄妹といっても義理なのだし、付き合うのに反対しないわよー。ただ、節度は守ってね♪」

「えっ?えっ?」

 俺は雪花の肩に手を乗せて小声で告げる

「もう諦めろ。結婚出来ないのはホントに兄妹だけで義理なら出来るんだよ。しらなかったのか?おかげで両親公認カップルになっちまった。どーする?」

「……………ッ」

「ね、姉さんはっ?姉さんだって本当は……」

 紗雪の方をむくと、何故か母さんを見ながらぷるぷるふるえていた。かと思えば…

「や、弥生さんって、も、もしかしてミラクルスイーツプリンセスのシフォンちゃん役やってましたか……?」

 そう聞かれて母さんは微笑みながら大きく息を吸って……

「あなたの悪~い心、フワッフワッにしてあげるっ!ミラクルシフォン!ただいま参上っ!」


「キャー!本物だー!えー!シフォンちゃんがママになるとかヤバいんですけどー♪」

 なんだこれ
 なんだこれー!
 右隣の雪花はもう目がやばい。ハイライト消えとる

 左隣にいる奈々は「おにぃが結婚…おにぃが結婚…」なんかブツブツ言ってるし…

 まともなの俺と雪路さんだけかよ!
























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