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善悪の話じゃなくて全裸ですか?

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「なに!  してその場所とは!」

「はい!  オッペン島でございます」

「オッペン島?  あの半分が隣国との国境になっている島か?」

「はい!  そこに誘い込めば人質に取ると言われましたので。誰でも良かったのですが、なるべく地位の高い者を求められて」

 なるべくって、国王は一番高い地位だから。もう少し遠慮しろよ。敵さんからしたら百点満点な働きだろうけど。

 そう突っ込みたかったが、無事の安否が確認されていないので。

「それで、あの男はノコノコと行ったわけか!」

「あー!!」

 ロイエルーンの部屋にフルチンで入ってから今まで一言も喋らなかったクラッチロウが何かを思い出したように叫んだ。

「言ってたわ。オッペン島からの報告」

 これが事実上、隣国のトップである。

「いや俺、無理やりトップになったから元々いた官僚とかに色んなこと報告されるけど全部処理できないじゃん?  誰の作戦か知らないけど財宝ホイホイ作戦ってのがあったわ」

 もっとマトモな作戦名は付けれなかったのかと言いたい。

 そんな作戦に引っ掛かった国王って一体。

「それで、財宝のデマに釣られてきた者がいたので確保したんだけど、その内の一人が国王って名乗って国王だから見逃してくれって。全員みすぼらしい格好をしてるし、国王が国王を名乗る筈がないだろうって報告があったような」

 腰かけているロイエルーンは頭を抱えていた。国王のどの部分に頭を悩ませているのだろうか?

 これ以上恥で追い込むわけにもいかないので。

「そんな報告があったなら早めに思い出しておけよ」

 クラッチロウに食って掛かった。

「毎日報告は届いていたんだけど、食欲旺盛でなにやら解放されたー!  って叫んでいる用な報告ばかりだから、最後は気にしなくなって業務的に……」

 そんな報告を毎日受けるクラッチロウが少し不憫に思えてきた。

「最後はどうなった」

「身分も低そうだし、丁度カイトを人質に取ったところだったしな」

「それって、もしかして?」

「今朝の話だよ!」

 生きているんかーい!  と一同が突っ込みたかっただろうか。それとも先に言えよと。まぁクラッチロウも業務的にこなして気にしなくなってたし、まさか国王だとは微塵も思ってなかったら疑いもしないか。

 って事はカイトのお義父さんも一緒に居るってことか?  馬車の中でカイトが話してた時に気づけよクラッチロウ!

 ロイエルーンは慌ただしくオッペン島への手筈を整えようとしたが、いかんせんもう夜、外は真っ暗だ。

 あの調子じゃ死刑になっても当日まで元気そうだから、明日の朝に出発しても何も問題ないだろうということで落ち着いた。

 帰らないと駄々を捏ねてもそこは夫婦で話し合ってくれと付け加えて。

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