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馬並みですか?それ以上ですか?
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「……なんだよ!」
「女性が苦手なのか? 苦手というか、接し方が上手くできないのか?」
「な、何を言ってるんだ! 普通にできているだろ!」
クラッチロウは慌てる素振りを見せるが、少しムキにもなってみせる。
「ってことは、あれで普通に話せてると思っているってことだな?」
「そりゃそうだろ!」
何がいけないんだと言わんばかりの自信のある態度。開き直りとは違うので俺は確信した。
「お前、間違っているぞ」
「何が間違っていると言うんだ!」
何と言えば良いのだろうか。言葉選びに悩む半面、何を言っても上手く伝わらないような気もするが。
「俺が言うのもなんだかおかしいかもしれんが、俺以上に女性に対しての言葉選びに問題が大ありな気がする」
「そうなのか? なに言っても気のない返事しか返って来ないんだが、嫌われているのか俺?」
「そうじゃなくて、喧嘩腰みたいな口調がまず壁を作られるのだと思うし、相手の気持ちとかをもう少し考えて話す方がいいんじゃないのか?」
クラッチロウは驚いた顔を見せる。逆にこっちが驚きたいくらいだ。
「女の気持ちなんかわかる筈がないだろ!」
「わかった、中二病みたいなものか? もしくは異性に対してのコミュ障かもな。喧嘩腰だから同性にも煙たがられる可能性もあるから気を付けた方がいいぞ。ぼっちになるぞ」
「良くわからん単語並べて俺をバカにしやがって、殺すぞ!」
「それだよ」
何回かに一回会話しててキレられたら疲れるわ。しかも殺すって、こわい。まぁ実際殺し合いした仲だし、真向からだと殺される筈ない相手に言われても困るんですけど。
「良く見抜いてくれました。クラッチロウは見た目大人でも中身はまだまだ子供なところがあります。コミュニケーションが不得意ですね。本人は気付いてませんが特に異性に対しては救いようがないレベルです。これからの課題ですね」
スペンサーはまるで新人修行僧を紹介するようだった。
その紹介された当の本人は顔を赤らめている。スペンサーには何も言い返せないようだが、神が言うなら有り難いお言葉として受け止めるのだろうか。
「ウタルさん、ご指導ご鞭撻頼みますね」
「え? 俺? そりゃ慣れてる相手には普通に喋れるくらいにはなったけど。まぁ狙ってる女を口説けってことじゃないなら大丈夫か」
「しっかりしろよ!」
クラッチは基本、上から目線をわきまえることから始めないといけないみたいだな。
「女性が苦手なのか? 苦手というか、接し方が上手くできないのか?」
「な、何を言ってるんだ! 普通にできているだろ!」
クラッチロウは慌てる素振りを見せるが、少しムキにもなってみせる。
「ってことは、あれで普通に話せてると思っているってことだな?」
「そりゃそうだろ!」
何がいけないんだと言わんばかりの自信のある態度。開き直りとは違うので俺は確信した。
「お前、間違っているぞ」
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何と言えば良いのだろうか。言葉選びに悩む半面、何を言っても上手く伝わらないような気もするが。
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「そうなのか? なに言っても気のない返事しか返って来ないんだが、嫌われているのか俺?」
「そうじゃなくて、喧嘩腰みたいな口調がまず壁を作られるのだと思うし、相手の気持ちとかをもう少し考えて話す方がいいんじゃないのか?」
クラッチロウは驚いた顔を見せる。逆にこっちが驚きたいくらいだ。
「女の気持ちなんかわかる筈がないだろ!」
「わかった、中二病みたいなものか? もしくは異性に対してのコミュ障かもな。喧嘩腰だから同性にも煙たがられる可能性もあるから気を付けた方がいいぞ。ぼっちになるぞ」
「良くわからん単語並べて俺をバカにしやがって、殺すぞ!」
「それだよ」
何回かに一回会話しててキレられたら疲れるわ。しかも殺すって、こわい。まぁ実際殺し合いした仲だし、真向からだと殺される筈ない相手に言われても困るんですけど。
「良く見抜いてくれました。クラッチロウは見た目大人でも中身はまだまだ子供なところがあります。コミュニケーションが不得意ですね。本人は気付いてませんが特に異性に対しては救いようがないレベルです。これからの課題ですね」
スペンサーはまるで新人修行僧を紹介するようだった。
その紹介された当の本人は顔を赤らめている。スペンサーには何も言い返せないようだが、神が言うなら有り難いお言葉として受け止めるのだろうか。
「ウタルさん、ご指導ご鞭撻頼みますね」
「え? 俺? そりゃ慣れてる相手には普通に喋れるくらいにはなったけど。まぁ狙ってる女を口説けってことじゃないなら大丈夫か」
「しっかりしろよ!」
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