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戦争こわいです

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「それよりもロイエルーン! 聖剣ヨシミツ、人が持ち運べる大きさじゃないじゃないか!」

「おぉ、冗談のつもりで言ったのだが、本当に持って帰ってきおって、正直驚いておるぞ」

 本気で驚いているようだが、普通の人間なら持ち上げることができない重さである。そのヨシミツを持ち運んでいる現実を見て、俺の力が普通じゃないというのは感じとれているようだ。ダンパー達を撃退した話にも信じてもらえたのはこの聖剣を持ち帰った力が証明している。

「高い資金使って作成して国宝にもなってる聖剣を簡単にくれるっていうから、気前がいいかなと思っていたら持ち運べない大きさって。驚いたけど本当に持って帰って逆に驚いただろ?」

 ヨシミツを片手で持ち上げ、ロイエルーンに向けた。

「無礼だぞ!」

 ジュリアーノにたしなめられ、剣をおろした。

「戦争になった場合、なるべく犠牲者は出したくないからな。敵の規模がどんなものかわからないが、それなりに役には立つ証明にはなったかな?」

「人並み外れた力があるのは認めよう。しかし戦争になれば数だ。我が国の為に戦ってくれるのなら歓迎だが、指揮官の指示には従ってもらうぞ」

「へいへい」

 従う気はさらさらなかったが、この場は従う素振りの返事をしておいた。

 力だけでなく、スピードも人並み外れている証明をしたかったのだが、チートを教えてルーチェ達の存在意義がなくなっては恨まれてしまうので、今は言わないでおくことにした。

 それに国から報酬が払われないと、俺が食わせてやらなければならないからだ。これも理不尽なのだが、その資金は昔の転移者が残したものだから独り占めするのも気が引けるから有効に使うことということで自分に言い聞かせた。

「それにしても、水工場を占拠したいって、なにか理由でもあるのだろうか?」

「あの工場が占拠されれば我が国の収入源が途絶え、じきに国も滅ぶか売国するしかないだろうな。隣国からすれば労せず我が国が手に入るわけだ。すなわち土地と労働者がな」

 ジュリアーノは淡々と持論を述べたが、恐ろしいことだ。それほど、あの水工場はこの国にとって守らなければならない存在ってことだ。

「しかし、水工場なら自国で作ればリスク犯してまで他国のを占拠しにこなくてもいいんじゃないのか?」

 俺の素朴な疑問にロイエルーンは答える前に足を組み換えた。いつも思うのだが、組み換える瞬間、見えそうで見えないのがもどかしいのだが、ロイエルーンはわざとやっているのだろうか?それとも見えそうで見えないのがわかっているのか?  こっちの素朴な疑問には答えてくれそうにないので言うのは控えることにした。

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