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バナナはお好きですか?
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「ヒャッハー! それで俺を倒そうっていうのか? 俺も舐められたもんだぜ。いいぜ俺は逃げも隠れも──」
ブシュルルルルル
こうなったらキュウイでもなんでも投げつけて逃げるしかないと、取り出したキュウイを一番手前にいる、髪を燃やされた天パ野郎に投げつけた。何かを言っていたようだが、そんなの聞いてる余裕なんてない。
キュウイは額に命中し天パは地に落ちて失神しているのだろうかピクリとも動かなくなった。額には砕け散ったキュウイが張り付いて、煙が出ていた。
野球どころかキャッチボールもしたことない俺だが、コントロールが意外と良いのと、キュウイで失神させれた二つの事に驚いている。
相手達も驚いていたのだが、我に返って攻撃を仕掛けてきたが続けてキュウイを投げる俺の方が早かった為、次々と命中しては失神していった。
「後はダンパーだけか!」
「俺はバンパーだ!」
どっちでもいいようなやり取りをしながらカバンをまさぐったが、キュウイは既に無くなっていた。
「そんな!」
バナナと言いかけて、止めるや否やバナナをダンパーに投げる。しかしキュウイ程コントロールが上手くいかず逸れて行ってしまった。
「もうないのか!?」
「美味かったで」
コノヤロー! 人が戦っているのに呑気にバナナ食べやがって!
「もう投げる物がないんだ! その杖貸せ!」
「アホなこと言うたらアカンで。この杖は私の命より大事な物なんや。この杖貸すっちゅうんは、私に死ね言うてるようなもんやで」
「じゃあ行って死んで来い」
「殺生やでぇぇ」
泣きながら俺の袖を掴んで、全力で拒否をしてくる。
ダンパーは大きな剣を鞘から抜いて、グヘヘヘと聞こえてきそうな顔で笑っている。
「グヘヘヘヘ」
「グヘヘヘヘって、ヤバイんですけどー。あの人怒ってる!」
「お前が怒らせたんだろ!」
ダンパーのマネをしながら俺の反対側の袖を掴んで泣きながら慌てているミゼル。
なにやらぶつぶつ呟いているエセ関西弁。
いよいよダメかって時に、ダンパーの後ろから勢いよく近づいてくる物体が。
「グヘ、グヘ、グヘヘヘヘ」
ブッシュゥゥゥ!
もう言葉を忘れてしまったのではないかと思える程、興奮したダンパーのこめかみにバナナが突き刺さる。
まさかブーメランになって戻って来たのだった。
「グオォォォォォォォオ!!」
ダンパーがタフなのかバナナだからなのか、悶えるも失神には至ってない。
ここは止めを刺すチャンスか? それとも逃げるべきか? 迷っている横で大声で詠唱する。
「捲土重来!!」
エセ関西人が叫ぶと、ダンパー含め失神している奴らの周りを囲むように、地上から地面が盛り上がってきた。
三階建ての家程の高さまで盛り上がった。
「今のうちに逃げるで」
そう言いながら、乗っていた動物に跨り走り出そうとした。
その後ろにミゼルを乗せて、俺は走ってその後を追った。
なかなかのスピードで俺の体力がどこまで持つか、ダンパー達が追って来るのか心配は尽きなかったが、なんとか逃げ切ることができたのだった。
ブシュルルルルル
こうなったらキュウイでもなんでも投げつけて逃げるしかないと、取り出したキュウイを一番手前にいる、髪を燃やされた天パ野郎に投げつけた。何かを言っていたようだが、そんなの聞いてる余裕なんてない。
キュウイは額に命中し天パは地に落ちて失神しているのだろうかピクリとも動かなくなった。額には砕け散ったキュウイが張り付いて、煙が出ていた。
野球どころかキャッチボールもしたことない俺だが、コントロールが意外と良いのと、キュウイで失神させれた二つの事に驚いている。
相手達も驚いていたのだが、我に返って攻撃を仕掛けてきたが続けてキュウイを投げる俺の方が早かった為、次々と命中しては失神していった。
「後はダンパーだけか!」
「俺はバンパーだ!」
どっちでもいいようなやり取りをしながらカバンをまさぐったが、キュウイは既に無くなっていた。
「そんな!」
バナナと言いかけて、止めるや否やバナナをダンパーに投げる。しかしキュウイ程コントロールが上手くいかず逸れて行ってしまった。
「もうないのか!?」
「美味かったで」
コノヤロー! 人が戦っているのに呑気にバナナ食べやがって!
「もう投げる物がないんだ! その杖貸せ!」
「アホなこと言うたらアカンで。この杖は私の命より大事な物なんや。この杖貸すっちゅうんは、私に死ね言うてるようなもんやで」
「じゃあ行って死んで来い」
「殺生やでぇぇ」
泣きながら俺の袖を掴んで、全力で拒否をしてくる。
ダンパーは大きな剣を鞘から抜いて、グヘヘヘと聞こえてきそうな顔で笑っている。
「グヘヘヘヘ」
「グヘヘヘヘって、ヤバイんですけどー。あの人怒ってる!」
「お前が怒らせたんだろ!」
ダンパーのマネをしながら俺の反対側の袖を掴んで泣きながら慌てているミゼル。
なにやらぶつぶつ呟いているエセ関西弁。
いよいよダメかって時に、ダンパーの後ろから勢いよく近づいてくる物体が。
「グヘ、グヘ、グヘヘヘヘ」
ブッシュゥゥゥ!
もう言葉を忘れてしまったのではないかと思える程、興奮したダンパーのこめかみにバナナが突き刺さる。
まさかブーメランになって戻って来たのだった。
「グオォォォォォォォオ!!」
ダンパーがタフなのかバナナだからなのか、悶えるも失神には至ってない。
ここは止めを刺すチャンスか? それとも逃げるべきか? 迷っている横で大声で詠唱する。
「捲土重来!!」
エセ関西人が叫ぶと、ダンパー含め失神している奴らの周りを囲むように、地上から地面が盛り上がってきた。
三階建ての家程の高さまで盛り上がった。
「今のうちに逃げるで」
そう言いながら、乗っていた動物に跨り走り出そうとした。
その後ろにミゼルを乗せて、俺は走ってその後を追った。
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