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第五章 ヲタク、新しい人生への再出発です
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美容室という俺からしたら上位な人が通う神聖な場所に放り込まれたアニオタなんか、サバンナに瞬間移動した焼肉食べ放題の店みたいなものだ。
いらっしゃいませ、何名様ですか? え、肉食動物様? 予約されてますか? 虫の息とはこの事だろう。
じっと時が過ぎるのを待つしかないのだ。
慣れてる人からしたら新人スタッフはぎこちないと思うのかもしれないが、俺には気持ちよさ半分、女性が髪を洗ったりしてくれているという緊張感が半分としか感じられなかった。
お任せで切ってもらっている間、鏡の自分やスタッフと目を合わせないように閉じていたので、出来上がった髪型を見て今迄の自分とは印象ががらりと変わったことに只々驚くしかなかった。
「いいじゃん、ちゃんとセットの仕方も聞いておきなよ。さぁ次は服を買いに行きましょ。何着か買い揃えて着回しできるように無難なのをね」
新しい髪型に気恥ずかしさを持ちながらもこうなると、着ている服が余計に恥ずかしく思えてくるから不思議なものだ。
風呂が好きで毎日選択をするのが当たり前に思っているが、これを億劫と思う者は部屋の換気も疎かになり身体や服にも異臭が漂う可能性だ出るのだろう。
もちろん本人はそれに気づかず周りを不愉快にしてしまうのだ。そんな者が三次元の彼女が欲しいなどと戯言を口にするのもおこがましい。
オシャレに気を使う普通の人が利用する美容室で髪を切る。たったこれだけのことでワンステップ自分のレベルが上がったような気にもなる。
服屋で薦められたシックなイメージの上下に着替える。鏡に映る自分をみて見違えるとはホントこの事か、美容室で見た鏡越しの自分が更に進化したようだった。
秋冬はこのシックなカラーで着こなしていけば、ファッションに疎かったのもなんとか誤魔化せるだろうと言うのが雪実と店員さんの意見だった。
こうなってくると、タイヤメーカーの靴が戴けなくなってくる。
服は服屋さんで処分してもらうことにしてもらったが、靴はまだ履けるので処分を拒んだのだったが。
「あったらまた履いちゃうでしょ? 履き心地よくても断捨離しなさい」
全て御見通しのような雪実の言う通りに、処分してもらうことに。
「服とかもっと高価なのかと思ってたけど、いつも買ってたのと値段変わらないんだな。寧ろセールで安いのもあった位だし」
「ブランドになったら高いのかもしれないけど、要は着こなしでしょ。お兄ちゃんは背も低くないんだしきちんと着こなせば誰もアニオタだなんて思わないわよ」
今迄、誰にもアニオタということを内緒に生きてきたけど、身なり恰好でアニオタということを宣伝して回ってたようなものだったんだな。
黙って電車に乗っているだけでヲタクのオーラを出していたってことか。そりゃ女子高生も俺を見て笑うはずだ。いや、これは俺の勝手な思い込みで実際に笑われたのではないのだが。
「お兄ちゃん、お腹が空いてきたー」
「そうだな、こんな時間か。なにか食べようか、なんでもいいぞ」
時間を見るとお昼は優に超えていた。そりゃ胃も何かを放り込んでくれと催促の知らせをするはずだ。
昼ご飯は雪実の希望でイタリアンの店に入ることに。なんでも食べたことがないというのだから、純和風のあやかしだなとからかってやる。
いらっしゃいませ、何名様ですか? え、肉食動物様? 予約されてますか? 虫の息とはこの事だろう。
じっと時が過ぎるのを待つしかないのだ。
慣れてる人からしたら新人スタッフはぎこちないと思うのかもしれないが、俺には気持ちよさ半分、女性が髪を洗ったりしてくれているという緊張感が半分としか感じられなかった。
お任せで切ってもらっている間、鏡の自分やスタッフと目を合わせないように閉じていたので、出来上がった髪型を見て今迄の自分とは印象ががらりと変わったことに只々驚くしかなかった。
「いいじゃん、ちゃんとセットの仕方も聞いておきなよ。さぁ次は服を買いに行きましょ。何着か買い揃えて着回しできるように無難なのをね」
新しい髪型に気恥ずかしさを持ちながらもこうなると、着ている服が余計に恥ずかしく思えてくるから不思議なものだ。
風呂が好きで毎日選択をするのが当たり前に思っているが、これを億劫と思う者は部屋の換気も疎かになり身体や服にも異臭が漂う可能性だ出るのだろう。
もちろん本人はそれに気づかず周りを不愉快にしてしまうのだ。そんな者が三次元の彼女が欲しいなどと戯言を口にするのもおこがましい。
オシャレに気を使う普通の人が利用する美容室で髪を切る。たったこれだけのことでワンステップ自分のレベルが上がったような気にもなる。
服屋で薦められたシックなイメージの上下に着替える。鏡に映る自分をみて見違えるとはホントこの事か、美容室で見た鏡越しの自分が更に進化したようだった。
秋冬はこのシックなカラーで着こなしていけば、ファッションに疎かったのもなんとか誤魔化せるだろうと言うのが雪実と店員さんの意見だった。
こうなってくると、タイヤメーカーの靴が戴けなくなってくる。
服は服屋さんで処分してもらうことにしてもらったが、靴はまだ履けるので処分を拒んだのだったが。
「あったらまた履いちゃうでしょ? 履き心地よくても断捨離しなさい」
全て御見通しのような雪実の言う通りに、処分してもらうことに。
「服とかもっと高価なのかと思ってたけど、いつも買ってたのと値段変わらないんだな。寧ろセールで安いのもあった位だし」
「ブランドになったら高いのかもしれないけど、要は着こなしでしょ。お兄ちゃんは背も低くないんだしきちんと着こなせば誰もアニオタだなんて思わないわよ」
今迄、誰にもアニオタということを内緒に生きてきたけど、身なり恰好でアニオタということを宣伝して回ってたようなものだったんだな。
黙って電車に乗っているだけでヲタクのオーラを出していたってことか。そりゃ女子高生も俺を見て笑うはずだ。いや、これは俺の勝手な思い込みで実際に笑われたのではないのだが。
「お兄ちゃん、お腹が空いてきたー」
「そうだな、こんな時間か。なにか食べようか、なんでもいいぞ」
時間を見るとお昼は優に超えていた。そりゃ胃も何かを放り込んでくれと催促の知らせをするはずだ。
昼ご飯は雪実の希望でイタリアンの店に入ることに。なんでも食べたことがないというのだから、純和風のあやかしだなとからかってやる。
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