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第四章 ようこそ、ここがヲタクの部屋です

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 ───苦しい、苦しいというか狭い。何処だここは。なんだか狭苦しい所に追いやられている気がする。

 しかし、心地よい気分。どういう事なのか理解できない、いや理解しようと脳が働かない。

 胸が苦しい、圧迫されているのだろか。息苦しいわけではないのだが。

 逆に柔らかい何かに包まれているような幸せで不思議な感覚。

 まるで赤ん坊が母親に抱かれて泣き止むような安らぎを感じるみたいな。なんだろう、真っ白なこの世界。

 あぁそうか、これは夢なんだ。夢だからこんなに身体の自由が効かないのか。

 夢だから苦しいのと安らぎが交差してくる不思議な感覚だったのか……。

「ん?」

 珍しく目覚め良くパチリと開いた目の前には女の子の顔が間近に。

「え、えぇ!」

 その子が雪実だと気付くのに時間はかからなかったが何故同じベッドで寝ているのか理解はできなかった。

 ガバっと上半身をお越し、横で眠る雪実を再度確認する。間違いなく雪実である。

 ただ、俺のトレーナーを着て寝てるのだが下半身は何も履いていない。いや下着は履いてるのかもしれないがそんな事を確かめている場合でもなく、透き通る様な白い肌の太腿に息を飲んだが布団を直ぐに掛けた。

 雪実には大きめだった俺のトレーナーのおかげか、なんとか太腿の付け根辺りまでトレーナーの裾が降りてくれていた。

 日曜の朝から一体何が起こっているというのだ?

「ん、うぅん、あぁおはよぉお兄ちゃん……」

 目が覚めたかと思うと再び眠りにつきそうだったので、身体を揺すって無理やり起こすことにした。

「んん、まだ眠いんだけどぉ」

「お前、下で寝てたんじゃないのか! なんで俺のベッドで一緒に寝てんだよ!」

「あぁ、だって下は背中が痛いし昨夜は寒かったんだもん……」

「だからって、俺の布団の中に潜りこんで……」

 朝から説教ではないが文句を言っているのに雪実はお構いなしにそのままスヤスヤと寝息を立ててしまった。

「よくまぁ初めての所でそんなに熟睡できるもんだ」

 半分呆れ、俺はベッドから立ち上がった。

 コーヒーメーカーのスイッチを入れて朝食の用意を始めた。お気に入りのカフェーパウリスタの森のコーヒーを注文追加しとかないといけないな。

 パンを焼いて玉子焼きとコーヒーが毎朝の朝食。飽きずに続けているが空腹を満たす行為として割り切っているので朝から手の込んだ朝食は作る気にもなれなかった。どうせ自分が食べるので文句を言うものは居ないのだから。

 今朝から二人分を用意しなければならなくなったわけなのだが、それは昨夜、雪実の提案から俺達二人の共同生活が始まった───。

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