短編集【BLACK】

タピオカ

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夕方に現れる人攫い集団 1

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 学校終わりの放課後、小学生低学年ぐらいの男女4人が大きな公園で遊んでいた。
 鬼ごっこ、だるまさんがころんだ、そのような様々な遊びをする。

「はぁ、もうすぐ帰る時間だね~」
「えー!嫌だ、もう少し遊びたい!」
「僕も~」

 帰りたくない子供達は駄々をこねる。

「じゃあまだ帰らずに最後にかくれんぼでもしよっか」

 まとめ役の立場の男の子がみんなに案を伝えた。

「分かった~!じゃあ僕達は隠れるから60秒数えてね」
「…え?俺が鬼で決定なの?」
「うん、私もそれがいいと思う!」
「アタシも賛成ー!」

 何故だかまとめ役の男の子が鬼役に勝手に決まった。



「…ふぅ、ここなら見つからないかな」

 真面目そうな女の子は、隠れ場所を必死に探して適した場所を見つけた。

「こんにちは!」
「きゃあ!」

 高校生ぐらいの綺麗な少女が突然現れ、女の子はとても驚いた。

「そんなに驚かなくても。そうだ、アタシ可愛い人形持ってるんだよ。だから家においでよ!」
「いいな~!…で、でも知らない人に着いていっちゃダメだって!」

 少女からの誘いに女の子は一瞬乗りそうになったが、すぐに否定する。

「…実はキミのお友達も既に誘ったんだけど、あっさりと着いてくるって言ったよ。だから後はキミだけなんだけどな~」

 誘いに乗らない事に対して少女は諦めずに勧誘する。

「え!そうなんだ………じゃあ私もみんなと一緒に行きます」
「じゃあ決定だね~♪」

 そうして少女は女の子と手を繋いだ。

(この女の人いい香りがするな~……あれ?なんだか眠く…)

 女の子は眠りに落ち、地面に少し倒れそうになったところを少女は抱きかかえた。

(ふふっ!アタシは成功したよ、さあみんなも勧誘頑張ってね!)

 少女は満足気に笑っていた。
 その口から見える歯は、何故だか普通の人より尖っていた。
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