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第1章 ホッピーとルン
ホッピーとルン(12)
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また別の日には、コーヒー好きな、カフェの常連のお客さん、上野さんが、メス犬を連れてカフェに来た。
メス犬はトイプードルで、名前はカーラ。愛嬌のある顔をしている。
上野さんとカーラが店にやって来ると、事前にマスターとわたしで店内のテーブルや椅子を動かしてつくったスペースに置いておいた、ペット用のおしゃれなチェアーにカーラを座らせた。
店内にはラブソングをかけ、ホッピーとカーラの心がときめくよう演出もしている。
異星人のお客さんの膝の上に座っているホッピーをわたしは抱っこして、カーラから少し離れた場所でホッピーをおろした。
上野さんとマスターとわたしとお客さん達は黙って、成り行きを見ていた。
ホッピーはカーラに目をやると、ハッ!とした顔をした。それから笑顔になって、カーラに向かって、走っていった。
わたし達は驚いて目を丸くして、顔を合わせてから、喜びの表情でホッピーとカーラを見守った。
けれど、ホッピーはわたし達の予想に反して、カーラの横を通り過ぎて、店の自動ドアまで走っていった。
自動ドアから、ルンが入って来たのだ。少し前に小雨が降って来たから、アンディーとのデートを終わらせて、あわてて店に帰って来たのだろう。体がかすかに雨に濡れている。
ホッピーはルンの前まで行くと、ルンの体の毛をなめてあげて、ルンはホッとしたような顔でじっとしていた。
チェアーに座ったままのカーラはきょとんとした顔になって、わたし達は目をパチクリして、ホッピーとルンを見ていた。
メス犬はトイプードルで、名前はカーラ。愛嬌のある顔をしている。
上野さんとカーラが店にやって来ると、事前にマスターとわたしで店内のテーブルや椅子を動かしてつくったスペースに置いておいた、ペット用のおしゃれなチェアーにカーラを座らせた。
店内にはラブソングをかけ、ホッピーとカーラの心がときめくよう演出もしている。
異星人のお客さんの膝の上に座っているホッピーをわたしは抱っこして、カーラから少し離れた場所でホッピーをおろした。
上野さんとマスターとわたしとお客さん達は黙って、成り行きを見ていた。
ホッピーはカーラに目をやると、ハッ!とした顔をした。それから笑顔になって、カーラに向かって、走っていった。
わたし達は驚いて目を丸くして、顔を合わせてから、喜びの表情でホッピーとカーラを見守った。
けれど、ホッピーはわたし達の予想に反して、カーラの横を通り過ぎて、店の自動ドアまで走っていった。
自動ドアから、ルンが入って来たのだ。少し前に小雨が降って来たから、アンディーとのデートを終わらせて、あわてて店に帰って来たのだろう。体がかすかに雨に濡れている。
ホッピーはルンの前まで行くと、ルンの体の毛をなめてあげて、ルンはホッとしたような顔でじっとしていた。
チェアーに座ったままのカーラはきょとんとした顔になって、わたし達は目をパチクリして、ホッピーとルンを見ていた。
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