上 下
12 / 113
高嶺の花と義弟と書記

06※

しおりを挟む
「・・・ここ、は、」

 ぼんやりと目を開けると白い天井。
そして横には、椅子に座ってうたた寝をしている朝日がいた。
 おそらく保健室だろう。物音がしないこの環境からして、多分先生はいない。
 疼く腹の奥の感覚は、まだ消えていなかった。白いカーテンで囲まれ、光が遮断された薄暗いこの空間で、
 朝日の感触を確かめたくて、俺は未だうたた寝をしている朝日に手を伸ばしていた。手をかすめた指の感覚に、朝日はぴくっと反応するのだ。

「・・ん、咲良、目が覚めたのか?」
「っあ、さひ、」

 俺を呼ぶ朝日の声。それが、なぜだかとても安心したのだ。
 すかさず俺は寝起きでまだぼうっとしている朝日の手をぐいっと引いた。

「う、わ・・・っ」
驚いた朝日は、受け身を取れずに俺の上に覆い被さる形になった。

 火照った体に、久々な朝日の体温は、毒の様に感じた。
 すると、顔を上げた朝日は俺の顔をじっと見つめるのだ。

「・・なあ、咲良。朝からさ、俺のこと誘ってるのか?」
「っえ、」

 ギシッとベッドがきしむ。
 顔の脇に手を付かれ、朝日は俺の顔をじっと見つめるのだ。

「・・・朝から顔、ずっと赤いし、なんかエロい。気付いてたか?クラスの奴ら、ちらちらお前のこと見てたよ」
「っん、知らな・・・、」

 朝日は俺の顔を優しく撫でると、朝から疼いていた下腹部の奥は、それだけできゅうと締まるのだ。

「・・あ、さ・・ひ、」

 喉の奥から絞り出されたかの様な声は、朝日にとって甘ったるく誘っている様に聞こえたらしい。
 ぎゅう、と強く抱き締めてきたと思えば俺のジャージの中に手を入れるのだ。
 そんな朝日の手を、俺は無意識にパシっと掴んでいた。
 なぜ、今聞こうとしたんだろうか後になって考えたが、このモヤモヤを抱えたまま、流される様に抱かれるのは、なんだか、嫌だったのだ。

「さくーー」
「・・なあ、朝日。今日の朝、俺と弥生でお前の部屋に行っただろ?」
「え、なんだよ急に」
「確認させて欲しいんだ。あの時、お前は俺を見て「酷いことされたのか?」って聞いたよな?・・なんで、俺が何かされたって、分かったんだ?」
「それは・・・、泣いてた、から」
「そしたら、なんで「何かされたのか」じゃなくて「酷いことされたのか」って聞き方をしたんだ?」
「・・・朝日、お前、俺が"何かされる"ことを、最初から分かってたのか?」

 一言。何か一言、考え過ぎだ、勘違いだと、言って欲しかった。それだけで、良かったのに。
 なのに何で、そんなに目を見開いて、驚いた様な顔をしてるんだ、お前は。

「あさーーー」

ーーーピンポンパンポーン

『1年、朝日くん。1年、朝日くん。至急、職員室に来てください。繰り返しますーー』

・・・何てタイミングだ。

「・・ん、?」

 すると、朝日は自らのジャージを脱ぐと、優しく俺の顔に被せるのだ。

「なに、?」
と、被せられたジャージを剥ぎ取って朝日を見ると、
「そのエロい顔、他の誰かに見られたら困るんだよ。すぐ戻るから、待ってろ。話の続き、するから。ちゃんと、話すから」
と、ぽんっと優しく頭を撫でるのだ。

「わ、かった、」

 最近色々あったせいで、優しい朝日の手で撫でられるだけで、酷く安心した。
 朝日を見送り、ジャージを顔に被せると、朝日の匂いに凄く安心した。
 色々考えることはあったが、朝日の香りに包まれた俺は、目を閉じるとすぐに眠りに着いた。








・・・なんだろう、すごく、びりびりする。
温かい手のひらが、優しく肌を滑ると、腹の奥に入っている玩具がぐっと中を圧迫した。

「ーーッあ、」

 いつの間にか戻って来ていたのか。
 朝日のジャージの匂いに、酷く安心していた俺は、いつもより大胆になってしまっていた。
 自らズボンとパンツを脱ぎ取り、先走りやら精液やらでぐちゃぐちゃになった下腹部を晒すと、朝日の熱い息づかいが聞こえるのだ。

「あさ、ひ、・・これ・・ぇ・・、取って・・」

 ジャージを被ったままの真っ暗な視界の中で、自ら股を開き、手で尻をぐいっと広げ、朝日に懇願するのだ。
 朝日の息が荒い。朝日も興奮しているのだろうか、嬉しい、嬉しい、
 ギシッとベッドがきしむ音が響くと、早く欲しくて口を開けている下腹部につぷっと指が入ってくるのが分かるのだ。

「ーーぁ・・、ッッ」

 瞬間、びくんっ、と体が弾けると同時に腫れている性器の先からぴゅっと白濁の液体が弾けた。
肩で息をするのもつかの間、どんどん奥に入っていく指先が内壁を擦る度に体が跳ね、自らの腹を汚していった。
 視界がジャージで塞がれていて、感覚が過敏になっている俺の体は、何をされても気持ち良くて堪らなかった。
 かなり奥に入り込んでいた玩具を引き抜かれると、また、達した。
 ただ、玩具を取ってもらっただけなのに、もう俺はぐちゃぐちゃで、でも、まだ足りなかった。 
 玩具を入れられて数時間、ずっと緩い刺激に耐え続けてきた俺の体は、何度達しても、満足できなかった。
 入れて欲しい、朝日のが、欲しい。

 すると、太ももを捕まれ、これ以上開けないくらい開脚させられる。何もかもが丸見えな体勢だったが、そんなのもう、関係なかった。
 疼く中を、いっぱいに埋めて欲しかった。
 玩具を引き抜かれ、ぱっくりと空いたくぼみに熱くなった先端をぴとっとあてがわれた。

「・・・あ、さひ、っお、ね・・が、きて・・・、
ーーーッひ、あ・・ッッ」

すると、ずんっと一気に入ってきた性器が、中を埋めつくすのだ。

やっと、きた。久しぶりに、朝日のーーー

ーーあれ、

違う、何か、違う。

ーーーこれ、朝日じゃ、な、

 気付いた時には、もう、遅かった。
 俺の思考を無視した酷く膨張した性器は、ずんっと中に入ると、感触を確かめるかの様にずちゅずちゅと緩いピストンを繰り返すのだ。

「ーーひ、・・ッぅう、ぁ・・ッ」
「っ、キッツ・・、」

ーー待て。

待て待て待て。待ってくれ。

この声は、まさか、

 思考が一瞬真っ暗になったが、内壁の摩擦は止まらない。俺の思考を無視するかの様に腰を打ち付けられ、中を掻き回す水音がただただ無機質な部屋に響いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

その恋は、まるで宝石のように輝いて

恋愛
ネンガルド王国にあるターラント孤児院。 アメジストのような紫の目のシンシアと、エメラルドのような緑の目のティモシーはそこで幸せに暮らしていた。 お転婆だが体が弱く、医務室にいることが多いシンシア。普段穏やかで大人しいティモシーだが、先生達の言い付けを破って毎回こっそりと医務室までシンシアに会いに来てくれる。 宝石図鑑を見ながら、お互いの目の色の宝石を探したりする二人。 お互いがお互いにとって特別な存在だった。 しかしある日、ティモシーの父を名乗る公爵が現れる。そしてそのままティモシーは公爵家に引き取られてしまう。 その際、ティモシーはシンシアに約束をするのだ。 「大きくなったら必ず君を迎えに行く」と。 シンシアはその言葉を信じ、ティモシーのいない日々を寂しく過ごす。 そんなある日、海を挟んだ隣国ナルフェック王国からシンシアの祖父がターラント孤児院に訪れる。シンシアの祖父はナルフェック王国の伯爵家の前当主であった。娘の忘れ形見であるシンシアを引き取りたいとのことだ。 海を越え、国を越えて離れ離れになってしまったシンシアとティモシー。 そんな二人は再会を夢見て今出来る最大限のことをするのであった。 小説家になろうにも掲載しています。

【毎日投稿】私の忠愛する坊ちゃまが転生して阿呆になってしまわれました

唯一透空
BL
 ピーチップ王国第四王子、リース・ローズドベリーの執事を務めるフィル・セラフィンは『エーナ』『ディオ』『ペニンダ』という三つの性のうち、もっとも社会的地位が低いペニンダだ。  エーナ、ディオが両性具有であるのに対し、ペニンダには妊娠、出産する能力が備わっておらず、その圧倒的な犯罪率の高さから野蛮で低俗というレッテルを貼られている。  生命の源と敬われるエーナでありながら、そんな自分を信頼してそばにおいてくれるリースに、フィルは恋心を抱いていた。しかし、ある事件をきっかけに発動した『悪魔との契』によって、リースは死産した双子の弟、アイルと魂が入れ替わってしまい…… ────────────── ※本作の完結版をKindle電子書籍にて販売しております(Unlimited非対応)。 ・『私の忠愛する坊ちゃまが転生して阿呆になってしまわれました【上】』 ➡https://amzn.asia/d/3GTOGeY ・『私の忠愛する坊ちゃまが転生して阿呆になってしまわれました【下】』  ➡https://amzn.asia/d/04fWL10

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ
BL
生前、社畜だったおれの部屋に入り浸り、男のおれに乙女ゲームの素晴らしさを延々と語り、仮眠をしたいおれに見せ続けてきた妹がいた 人間、毎日毎日見せられたら嫌でも内容もキャラクターも覚えるんだよ そう、例えば…今、おれの目の前にいる赤い髪の美少女…この子がこのゲームの悪役令嬢となる存在…その幼少期の姿だ そしておれは…文字としてチラッと出た悪役令嬢の行いの果に一家諸共断罪された兄 ナレーションに 『悪役令嬢の兄もまた死に絶えました』 その一言で説明を片付けられ、それしか登場しない存在…そんな悪役令嬢の兄に転生してしまったのだ 社畜に優しくない転生先でおれはどう生きていくのだろう 腹黒?攻略対象×悪役令嬢の兄 暫くはほのぼのします 最終的には固定カプになります

病んでる愛はゲームの世界で充分です!

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。 幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。 席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。 田山の明日はどっちだ!! ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。 BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

処理中です...