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序章
9.男爵について
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翌日_
「では、娘を宜しくお願いします」
「了解です。フォルドール公爵様」
使いの方と思わしき人物が迎えに来たのは良いのですが…。
「あれが男爵家の使い?」
「みすぼらしいわね、本当嫁がなくて正解だったわ」
二人組の男女なんですが、服装が…その。
私服のような、いえ、確りとしたもの何ですが…。
どちらかと言えば市民の方が着るようなもので…。
…まぁ、持ち出す私物がトランク一つで足りてしまう私が言えた義理ではないのですが。
「それでは行きましょう」
「はい」
礼作法は特に問題ないので大丈夫。
……にしてもやはり不安はあります。
王子は対面して苦手と判断したんですが、男爵はまだ会ったことがないので……。
「もしかして不安ですか?」
「え?」
「いや、憂鬱そうな顔だったのですから」
馬車を動かしていない、もう一人の女性が声をかけてきました。
「まぁ…会ったことがないので」
「そうでしたか!バルマー様は良い人ですよ!」
「バルマー様…ですか」
キャバリア男爵を名前で…やはり領民ではないようです。
「まぁ奇想天外な人ですけどね。私達使用人を一部を除いて全員解雇したり」
「えぇ?!!」
思わず立ち上がってしまいましたわ。
そりゃあ、一部が残っていたってほぼ全員を解雇なんて……。
「ハハッ、事実上は解雇されてるけど、個人的に働きに来る人も居ますよ。かく言う私達も、何か手伝えないか、と聞いてこの仕事を任せられたんですよ」
「なら…どうして解雇を……?」
「窮屈、らしく」
「窮屈」
「まぁ使用人が多い分、人を良く見ますが、それがちょっと嫌だったんでしょうかね。まぁ住み込みでは無くなった分、家で家族とゆっくり出来るようになりましたし」
「えっと…つまり貴方達は、解雇されても働きに来るのですか?」
「はい、給料は変わらず成果制ですから」
「成果制?」
「あー…時間とか、立場ではなく。自分が何をやったか、その出来前によって決まるんですよ。それなら誰だって頑張るでしょう?」
「確かに…」
「バルマー様は領民の事をよく考えてます。税金も国税分だけですし。だからと言って犯罪等を見逃すような人でもありません」
キャバリア男爵は不思議な方ですが、領民の事をよく考えているんですね…。
「では、何故私…フォルドール家の私達に婚約を?」
「それは分かりません。本人に聞くのが一番ですよ」
「簡単に言ってくれるでしょうか…」
「基本何でも答えてくれますよ。駄目なことはその理由もつけてくれますから」
「そうなんですか。聞いてみます」
「ええ。あ、見えてきましたよ」
男爵家が見える。
家よりも広い庭があって、その庭と森が隣接している所為かもっと広く見える。
今感じたのはそれだけです。
庭が広い。
「では、娘を宜しくお願いします」
「了解です。フォルドール公爵様」
使いの方と思わしき人物が迎えに来たのは良いのですが…。
「あれが男爵家の使い?」
「みすぼらしいわね、本当嫁がなくて正解だったわ」
二人組の男女なんですが、服装が…その。
私服のような、いえ、確りとしたもの何ですが…。
どちらかと言えば市民の方が着るようなもので…。
…まぁ、持ち出す私物がトランク一つで足りてしまう私が言えた義理ではないのですが。
「それでは行きましょう」
「はい」
礼作法は特に問題ないので大丈夫。
……にしてもやはり不安はあります。
王子は対面して苦手と判断したんですが、男爵はまだ会ったことがないので……。
「もしかして不安ですか?」
「え?」
「いや、憂鬱そうな顔だったのですから」
馬車を動かしていない、もう一人の女性が声をかけてきました。
「まぁ…会ったことがないので」
「そうでしたか!バルマー様は良い人ですよ!」
「バルマー様…ですか」
キャバリア男爵を名前で…やはり領民ではないようです。
「まぁ奇想天外な人ですけどね。私達使用人を一部を除いて全員解雇したり」
「えぇ?!!」
思わず立ち上がってしまいましたわ。
そりゃあ、一部が残っていたってほぼ全員を解雇なんて……。
「ハハッ、事実上は解雇されてるけど、個人的に働きに来る人も居ますよ。かく言う私達も、何か手伝えないか、と聞いてこの仕事を任せられたんですよ」
「なら…どうして解雇を……?」
「窮屈、らしく」
「窮屈」
「まぁ使用人が多い分、人を良く見ますが、それがちょっと嫌だったんでしょうかね。まぁ住み込みでは無くなった分、家で家族とゆっくり出来るようになりましたし」
「えっと…つまり貴方達は、解雇されても働きに来るのですか?」
「はい、給料は変わらず成果制ですから」
「成果制?」
「あー…時間とか、立場ではなく。自分が何をやったか、その出来前によって決まるんですよ。それなら誰だって頑張るでしょう?」
「確かに…」
「バルマー様は領民の事をよく考えてます。税金も国税分だけですし。だからと言って犯罪等を見逃すような人でもありません」
キャバリア男爵は不思議な方ですが、領民の事をよく考えているんですね…。
「では、何故私…フォルドール家の私達に婚約を?」
「それは分かりません。本人に聞くのが一番ですよ」
「簡単に言ってくれるでしょうか…」
「基本何でも答えてくれますよ。駄目なことはその理由もつけてくれますから」
「そうなんですか。聞いてみます」
「ええ。あ、見えてきましたよ」
男爵家が見える。
家よりも広い庭があって、その庭と森が隣接している所為かもっと広く見える。
今感じたのはそれだけです。
庭が広い。
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