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序章

7.愛想の無い メルシャンside

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自部屋のドアをノックする音が聞こえる。

「あの…お兄様……」

「嗚呼、リューンか。入っていいぞ」

ドアが開き、弟のリューンが入る。

相変わらず弱々しい。

父上に似たからか、何事にも引き気味で考えるようになった。

俺は母上に似たおかげで、こうやって王の器に相応しくなった。

「それで?要件はなんだ?」

「えっと…婚約を結んだフォルドール家が…婚約者を変えたいと……」

「婚約者を変える?誰とだ?」

「姉のティヴァンを…妹のマリーナにと……」

「嗚呼……」

二人には昨日会ったな。

本来の婚約者のティヴァンは…愛想の無い女だったな。

俺と結婚出来ると言うのに喜びもせず、俺の前だって薄っぺらい愛想笑いしていた…。

マリーナはそうだな…可愛らしい女だ。

ティヴァンに比べてよっぽど愛想がある。

「お兄様…やめといた方が……」

「いや、交換を受け入れよう」

「えぇ…?」

「いいから父上にそう伝えておけ」

「……わかりました」
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