223 / 296
世界樹を救え?
222話
しおりを挟む俺はとあることを思いつき今はそれの作成に勤しんでいる。
世界樹の森でダメになった樹を伐採して錬金術で加工する。
そして今まで膨大に溜め込んできた魔物素材を放出する。
俺が超特急で作ったのは太鼓だ。
前世の古代人間文明から楽器というのは民族舞踊や士気上げ、敵への足音の笠増し等色々な用途に使われてきた。
この世界、音楽が全く発展してないことを思い出して相手の士気を下げる用途にも使えると踏んだのだ。
音楽とは最初に部族ごとに発展していくものだがこの世界種族がポロポロといきなり現れていることから鑑みると原始人が居らず神が一気に作ったのでは? と思っていたのだ。
ちなみに追い込み猟としても使っていたという説もあるらしいぞ?
大きな音を立てて動物をその方向に追い込む時に犬や狼と共に人間が包囲網を敷く時に使うことも人間の知恵だね。
大規模化することによって用途が変わって行ったとも言われている。
太鼓や笛、狼煙の組み合わせで連絡を取り合ったり武将の存在を大きく見せたりするのにも使われていたともね。
完成した太鼓を使うとエルフ族は肩をビクッと跳ねさせていた。
しかし用途や大勢のひとで使うと足並みが揃ったり足音の様に聴かせることも可能と言うと驚いていた。
バチは木で作った物に布を着けたり毛皮の端材を布で纏めた物を装着したりした。
「はぁ……君の着想は何だか次元を超えてるきがするよ」
アラレオさん正解! 前世の近代においては悪手でしかないが
魔法があるとは言え殴り合い主流のこの世界では未だに有効になる。
勇者には一切効かずとも強制徴集された平民には未知なる音と存在は効果大のはずだ。
せっせと大小様々な太鼓を作り俺達は森の近くの結界ギリギリの場所に本陣を作り始めた。
1番大変だと思っていた仮設砦の建設は俺じゃなくてエルフ族の戦士が得意だった。
流石は激動の時代を生きていた人達だ。
砦は壊し壊され直し直されを繰り返していた時代で何回も経験があるらしい。
そこに俺の無駄な雑学を組み込むことにより新たなる知識が生まれる。
「こ、これは……凄いな。ここなら手を出すだけで精霊術が使える!!」
これは城の護りに火縄銃を壁から砲身だけ出して使っていたという先人の知恵を使わせて貰った。
今回の戦闘参加者は明らかにこちらが人数的に不利なのは初めからわかっていたからだ。
相手は1万人規模の徴兵でこちらは500人居れば御の字なのだから。
俺は木製の壁に『強靭』『耐火』『堅固』の魔法陣を刻み込んだ。
アラレオさんと世界樹の精霊にも相談し結界も張る。
弓兵は狙われるからね。
エルフ族の怖い所は弓は苦手だという人でも弱い魔物なら狩れるということだ。
弓の名手とはなんぞや? 聞いてみたら。
「む? 弓の名手だと?
オークの大軍相手取っても離れた場所からオークの指揮官の眉間を撃ち抜ける者のことだ」
アラレオさん……それ名手じゃなくてスナイパーだからね?
ゾッとしたよ、そんな名手が過去の弓とは別格の弓を使ってるんだから……
作ったのは知識の街に来ていたドワーフ族だ。
同じ精霊派生種として弓を作ってくれたのだ。
素材と対価に酒を渡したら5人で100張の弓を作ってくれたよ……2日で。
1人あたり1日20作り2日目は乾燥と出来具合を確認してこちらに持ってきて最後にエルフ族が弦を張り威力確認をした。
そして俺はドワーフにとある素材を渡して作って貰ったらえらいもん作って寄越しやがった。
俺の目の前には金属製の弓がある。
鑑定を使うと
『魔導弓/SS/使用者の魔力を吸い取り矢を生成し使用者の魔力を使い威力が上がる』
なんてもん作ってんだよ!
アローレインとかやってみたくなるじゃないか!
全力で止められた。
雷属性を込めて適当に撃ったらなんかすごい剣幕でワイバーンが攻めて来た。
「おかしいな……ワイバーンって北の魔の森生息なんだけどな?」
エルフ族の全員がこちらに非難の目を向けて来やがる。なんて日だ!
ワイバーン? 魔力大鎌で頭と体をバイバイして貰いましたけど何か?
その後20体位後続から来たけど黒子と琥珀に追い回されて逃げ惑っていたよ。
獣耳双子のワイバーンサッカーを見て複数人が立ったまま気絶していたよ。
そして何でこんなに蹴鞠? サッカーが好きなのか聞いたら驚愕の事実を知った。
『んーん? 君が言った』『言った!言った!』
『『お肉は叩くと柔らかくなるって!きゃははは!』』
うん、ハンバーグかなんか作ったりトンカツ作る時言った記憶があるんだけどさ……
俺は太鼓で遊んでいた龍神がバチを落としたのを見逃さなかった。
『我も食材扱い……?』
肩を震わせていた。現世で初めて会った時に確かに龍神蹴鞠にされていたのを俺も覚えてるよ。双子にとって君非常食だね……
「おめでとう……もしそうなったら美味しく調理するよ」
『お主我に対して遠慮が無さ過ぎるぞ!?』
知らねぇよ……俺にとって
双子=魔法神・破壊神>家族・友人・孤児院の子供>その他大勢>龍神>魔物・獲物
という優先順位だからな。栄養になってください!という意味も込めてニヤリと笑ってやんよ!
創造神様? あーあれは殺しても死なねぇよ。
絶対にドッキリ大成功とか言って死んだフリするタイプの道化は心配するとバカを見るからやめてる。
※ワイバーンは皆で唐揚げにして美味しくいただきました。
その時の双子の言葉によりまたしても嫌がらせを思いつく。
『『遠くから流れてきてもこの匂いは幸せ~』』
へ? そんな遠くまで流れてんのこれ?
黒子と琥珀に聞くと結界の外には沢山の鼻の良い魔物が集まってきてるらしい。
毎日、ボアやオークを狩ってくるから何事とか遠出しすぎだと思っていたがこちらが引き込んでいたらしい。
「料理から始める料理テイマーというのも良いかもしれない……」
餌付け、えづけ、E・DU・KE!
えずけオェー。ズパんとタビからハリセンで叩かれた。
「何をしてらっしゃるのですか?」
俺は机に向かっていた紙を取られて内容を読まれると呆れられた。
実験出来ないかなぁと簡潔にやりたい実験内容を書いていたのだ。
テイムは出来なくても美味しい料理の匂いの嫌がらせと魔物の誘導はできるなと考えてたのだった。
「ケビン様? やってること御伽噺の魔王ですよ?」
グハッ!? 心に傷を負うのであった。
10
お気に入りに追加
2,524
あなたにおすすめの小説
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる