2代目剣バカ世界を歩く

 生きとし生ける全世界の人は武器術・魔術・治癒術・生産術の基本4術の中から好きな術式を最初の選択で選べ得られる。

 基本4術のレベルを上げた先に試練解放があり、より上位術式を得ることが出来た。

 人は皆、上位術式を得ても基本術が消えないことを不思議にも思わなかった。

 しかし世界は残酷で基本4術を得た時に最初期から神に愛された者が存在した。

【祝福されし者】ギフターズと呼ばれる者達だった。

 そのギフターズは最上位術式を得ており才能を使えると判断した強欲者達は
 その術式の熟練度を上げる為に世界各地から腕利きが集められた。

 沢山の強者であり教師役の人々はその最上位術式を得た子供達の強さと大き過ぎる才能に
 心をへし折られひとり、また1人と教師役を降りた。

 そんな中、後に【剣聖】と呼ばれる少女の教師役の男性は不思議な法則に気付いてしまった。

『こんな才能あるお嬢ちゃんを相手しているのにどうして基本剣術式のレベルが上がるのだ?』

 全ての基礎で基本である術式の素。
 それが何故上位術式に移行しても消えないのか。
 誰も知らぬその先に興味を持ってしまった。

 教師役の男性は少女の教育係を終えて、名誉や報奨としての権力的立場を固辞し金を貰い辺境の村へと隠居した。
 ただ剣の術式の深淵を覗く為に。

 長い年月が経ちその男性の隠居先には変化があった孫が一緒に住み始めていた。

「儂の剣を見せてやろう!」

「じいちゃんカッケー!! 俺も剣士になる!!」

「儂の孫最強に可愛いんじゃが?」

 剣バカは孫バカにもなっていた。

 そして孫バカの老人は自分の研究を孫に試し始めるのであった。
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