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舞台を降りたら、僕達は⑨
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……これでは大好きなご主人様に抱きつく、まるでしつけのなっていない大型犬みたいじゃないか。
そしてこの男の事を、なんて鈍感なんだと呆れたが、それは僕も同じか。
だって僕が求めたさえ、彼はこうやって、全身で愛情を示してくれたのだから。
「ちなみに、いつからなん?」
その質問の意味が分からず、首をひねる。
すると風磨は焦れたように、早口で聞いた。
「だ―――か―――ら―――!……いつから俺の事、好きやったん?」
キラキラと、瞳を輝かせる風磨。
それがおかしくて、またプッと噴き出した。
だけどもうこの感情を隠す必要もなかったから、素直に答えた。
「うーん……。ちゃんと自覚したのは、5年くらい前かな?一緒に、暮らすようになってから」
すると彼は、ドヤ顔でフッと小さく笑った。
「……勝った」
「は?何がだよ?」
どこに勝ち負けの要素があったのか分からず、聞いた。
すると彼はドヤ顔のまま、ふんぞり返るみたいにして腰に手を当てて笑った。
「俺、初対面の時!」
「は!?なんだよ、それ。……全然、知らないし」
あまりにも予想外なその答えに驚き、大きな声が出た。
だって学生時代のコイツには、いつだってカノジョがいた。
それにこの世界に入ってからも、僕とセフレの関係になるまでは、節操なく誘われるがまま、女の子たちと関係を持っていたはずなのに。
だけどそんな疑問は、腰が砕けそうなほど甘い囁やきですべて吹き飛んだ。
「大好きやで、奏汰」
そしてそのまま、ベッドの上に押し倒されて。
……昨夜以上に激しく求められ、仕事に遅刻寸前の時間まで抱かれ、僕は今更ながら彼の重過ぎる愛を思い知らされたのだった。
【了】
そしてこの男の事を、なんて鈍感なんだと呆れたが、それは僕も同じか。
だって僕が求めたさえ、彼はこうやって、全身で愛情を示してくれたのだから。
「ちなみに、いつからなん?」
その質問の意味が分からず、首をひねる。
すると風磨は焦れたように、早口で聞いた。
「だ―――か―――ら―――!……いつから俺の事、好きやったん?」
キラキラと、瞳を輝かせる風磨。
それがおかしくて、またプッと噴き出した。
だけどもうこの感情を隠す必要もなかったから、素直に答えた。
「うーん……。ちゃんと自覚したのは、5年くらい前かな?一緒に、暮らすようになってから」
すると彼は、ドヤ顔でフッと小さく笑った。
「……勝った」
「は?何がだよ?」
どこに勝ち負けの要素があったのか分からず、聞いた。
すると彼はドヤ顔のまま、ふんぞり返るみたいにして腰に手を当てて笑った。
「俺、初対面の時!」
「は!?なんだよ、それ。……全然、知らないし」
あまりにも予想外なその答えに驚き、大きな声が出た。
だって学生時代のコイツには、いつだってカノジョがいた。
それにこの世界に入ってからも、僕とセフレの関係になるまでは、節操なく誘われるがまま、女の子たちと関係を持っていたはずなのに。
だけどそんな疑問は、腰が砕けそうなほど甘い囁やきですべて吹き飛んだ。
「大好きやで、奏汰」
そしてそのまま、ベッドの上に押し倒されて。
……昨夜以上に激しく求められ、仕事に遅刻寸前の時間まで抱かれ、僕は今更ながら彼の重過ぎる愛を思い知らされたのだった。
【了】
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