【完結】相談する相手を、間違えました

僕と彼の関係①

　既に大きく勃ち上がった僕のモノを、彼の大きくて男らしい手のひらが優しく包み込む。
　待ちわびた感覚に体が大きく震え、卑猥な吐息と、小さな喘ぎ声が漏れた。

　だけど遼河くんはクスリと笑い、僕の口元にもう一方の手を伸ばすと、長く節張った指を突っ込み告げた。

「こら、大晴。可愛い声出すの、禁止。
　知之に、聞かれちゃうだろ？」

　本当に、酷い男だと思う。
　だけどきっと僕はもう、逃れられない。
　……彼からも、この快楽からも。

　早く彼を逝かせなければ、この状況を終わらせる事は出来ない。
　言い訳のように何度もそう心の中で呟きながら、夢中で腰を振り続けた。

　するとまるでご褒美みたいに、僕のモノをしごく彼の手の動きもスピードを増していった。
　だからいつの間にか本来の目的も忘れ、与えられる刺激に酔った。

　そして彼の手で僕が達するのと、ほぼ同じタイミングで。
　……僕の太ももの間に、コンドーム越しではあったけれど彼の熱い飛沫が迸るのを感じた。

「よく出来ました。
　でもさぁ、大晴。……そろそろ知之のヤツ、戻ってくる頃じゃね？」

　達した事で半ば放心状態にあったけれど、彼の言葉でようやく我にかえった。
　ホントだ。こんな事を、してる場合じゃない！！

「遼河くん、サイテー！」

　長めの前髪を掻き上げながら、余裕な表情で僕の頬にキスをする遼河くん。
　いったい、誰のせいで……！
　　
「アハハ、ごめん。
　でもサイテーは、酷くね？
　お前もスッゲェ、興奮してた癖に」

　べぇと舌を出し、遼河くんがニヤリと笑った。