98 / 111
98
しおりを挟む
意識が朦朧とする中、のそりと椅子から立ち上がろうとしたら、彼は少し慌てた感じで僕の体を支えてくれた。
「陸斗くん?……大丈夫?」
心配そうに、聞かれた。
だけどそれには答える事なく、浴槽に手を掛け、彼に向かいお尻を突き出すような体勢を取った。
「……もしかして、誘ってる?」
少し上擦った声で、興奮したように声を掛けられた。
だから僕は恥ずかしくて堪らなかったけれど、目を閉じて答えた。
「西園寺さんも、そのままだと辛いですよね?
……この間みたいに、してくれて良いですから」
身体に触れられている間、時折背中に当たるのを感じた熱く固い肉の感触。
先日とは違い、きちんと気持ちを伝え合い、付き合う事になった今、彼にも一緒に気持ち良くなって欲しい。
……そう思ったのに。
「ごめん、陸斗くん。
今日はもっと俺達の関係を、進めても良い?」
「……へ?」
僕と西園寺さんは、男同士だ。
……先日の、アレ以上の事とは?
本気で意味が分からず、目を開けて顔だけを後ろを向け、彼の顔をポカンと見つめた。
「今日はちゃんと、準備もしてきたから。
同性相手は初めてだけど、なるべく痛くしないように気を付けるよ」
「ごめんなさい。
……ちょっと何言ってるか、よく分かんない」
かまととぶっているワケでも何でもなく、言われている言葉の意味が本当に全く分からない。
だからYESでもNOでもなく、素直に分からないという事だけを伝えた。
すると突然ツゥ……とお尻の穴に指を這わされ、びっくりして体が大きく震えた。
「陸斗くん?……大丈夫?」
心配そうに、聞かれた。
だけどそれには答える事なく、浴槽に手を掛け、彼に向かいお尻を突き出すような体勢を取った。
「……もしかして、誘ってる?」
少し上擦った声で、興奮したように声を掛けられた。
だから僕は恥ずかしくて堪らなかったけれど、目を閉じて答えた。
「西園寺さんも、そのままだと辛いですよね?
……この間みたいに、してくれて良いですから」
身体に触れられている間、時折背中に当たるのを感じた熱く固い肉の感触。
先日とは違い、きちんと気持ちを伝え合い、付き合う事になった今、彼にも一緒に気持ち良くなって欲しい。
……そう思ったのに。
「ごめん、陸斗くん。
今日はもっと俺達の関係を、進めても良い?」
「……へ?」
僕と西園寺さんは、男同士だ。
……先日の、アレ以上の事とは?
本気で意味が分からず、目を開けて顔だけを後ろを向け、彼の顔をポカンと見つめた。
「今日はちゃんと、準備もしてきたから。
同性相手は初めてだけど、なるべく痛くしないように気を付けるよ」
「ごめんなさい。
……ちょっと何言ってるか、よく分かんない」
かまととぶっているワケでも何でもなく、言われている言葉の意味が本当に全く分からない。
だからYESでもNOでもなく、素直に分からないという事だけを伝えた。
すると突然ツゥ……とお尻の穴に指を這わされ、びっくりして体が大きく震えた。
1
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる