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正直過ぎる悪役令嬢①
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公爵家のご令嬢 レイたんが作ったクッキーは私達と同じ材料を使い、同じ抜き型で、同じ手順で作ったはずなのに、何故か謎のクリーチャーみたいな仕上がりだった。
結局アリシアちゃんが手を貸し、何個かは救出して無事可愛いウサギ型に転生させる事が出来たが、レイたんは不満顔だった。
......本人は知らない事とはいえ、悪役令嬢の癖に、そんな風に拗ねて唇を尖らせるとか。
はぁ......レイたん、萌えをありがとう!
そして出来上がったクッキーを綺麗にラッピングして、皇太子様にレイたんはプレゼントすることになったのだけれど。
......受け取った彼の手により目の前で開封されたクッキーを前に、私とアリシアちゃんは愕然とした。
皇太子様用には普通に可愛い形状のモノをきちんと用意させたはずなのに、彼がいま手にしているのはどう見ても失敗作の、例の謎のクリーチャー達だったのだ。
怪訝そうな顔をして指先で摘まみ、無言のままじっとそれを見つめる皇太子様。
そしてそんな彼を、いまにも泣き出しそうな真っ赤な顔で見上げているレイたん。
アリシアちゃんが私に向かい、どういう事だよとでも言いたげに目配せをしてきた。
でも私だってこんな状況、ワケが分からないわよ!
「あの......レイチェル様?
これって、失敗した方のや......」
私が最後まで、言い切るより早く。
レイたんはますます赤くなり、小さな震える声で言った。
「だってあれは、私が用意したクッキーじゃありませんもの。
......見た目がいくら醜悪でも、ちゃんと自分で用意したモノを、殿下には差し上げたかったんです」
その言葉を聞き、皇太子様は驚いたように瞳を大きく見開いた。
結局アリシアちゃんが手を貸し、何個かは救出して無事可愛いウサギ型に転生させる事が出来たが、レイたんは不満顔だった。
......本人は知らない事とはいえ、悪役令嬢の癖に、そんな風に拗ねて唇を尖らせるとか。
はぁ......レイたん、萌えをありがとう!
そして出来上がったクッキーを綺麗にラッピングして、皇太子様にレイたんはプレゼントすることになったのだけれど。
......受け取った彼の手により目の前で開封されたクッキーを前に、私とアリシアちゃんは愕然とした。
皇太子様用には普通に可愛い形状のモノをきちんと用意させたはずなのに、彼がいま手にしているのはどう見ても失敗作の、例の謎のクリーチャー達だったのだ。
怪訝そうな顔をして指先で摘まみ、無言のままじっとそれを見つめる皇太子様。
そしてそんな彼を、いまにも泣き出しそうな真っ赤な顔で見上げているレイたん。
アリシアちゃんが私に向かい、どういう事だよとでも言いたげに目配せをしてきた。
でも私だってこんな状況、ワケが分からないわよ!
「あの......レイチェル様?
これって、失敗した方のや......」
私が最後まで、言い切るより早く。
レイたんはますます赤くなり、小さな震える声で言った。
「だってあれは、私が用意したクッキーじゃありませんもの。
......見た目がいくら醜悪でも、ちゃんと自分で用意したモノを、殿下には差し上げたかったんです」
その言葉を聞き、皇太子様は驚いたように瞳を大きく見開いた。
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