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とりあえず自分の名前と、立ち位置が判明しました②

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 心の中でひとりスタンディングオベーションをしながらも、落ち込むレイたんを表面上は慰める演技を続けた。
 
 ふぅ......ミッションコンプリート。
 今日も見事に、苛め役を務めあげたわ!

 とりあえずこれで、第三話くらいまでは進められたかしら?
 予定よりも、かなり早いペースかも。良い感じ!

 生まれ変わったこの世界で与えられた私の立ち位置は、苛め役令嬢B。
 悪役令嬢 レイチェルレイたんの左隣に常に立つ、小判鮫ガールズの一人である。

 彼女がヒロインに罵詈雑言の類いをぶつける度、『そうよ、そうよ』と相槌を打ち、苛め役令嬢Aことシルヴィアちゃんと共に場を盛り上げる、小説内では名前すら出てこなかった存在。
 ……それが、私である。

 そうそう。この世界での名前も、判明しました。
 小説内には出てこなかったけれど、私《わたくし》、由緒正しきコバン家の子爵令嬢、ヴァイオレットと申します。
 小判鮫だけに。......駄洒落かよ!

 この名前はもしかしたら作者の、裏設定的なモノなのかも。
 だけど重要な役どころじゃないから、作中では割愛されたようだ。

 ......それにしても。
 目の色がスミレ色だから、ヴァイオレットって。
 しかもレイたんの小判鮫みたいなもんだから、コバンって。
 さすがに、まんま過ぎやしないか?
 モブ令嬢とはいえ、やっぱり扱いが雑過ぎる。
 作者め、もう少し捻れ!

 正直こんな役いい気はしないけれど、さっさとこの小説の世界を本当の意味でのハッピーエンドに導いて、幸せな余生を送りたい。

 ヒロインのアリシアちゃんではなく、クールビューティーな悪役令嬢推しだった私としては、焦れて怒り狂うレイたん、くっそ可愛い。萌える。

 なので彼女の死亡フラグは華麗に回避しつつ、皇太子ルートはとっとと諦めさせて別のイケメンとくっつける方向で、こちらの世界でも全力でレイたんの事を推していきたいと思います!
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