20 / 32
エピローグ 神に愛され過ぎた男②
しおりを挟む
境内を出たところで、犬を連れて散歩中のおじいさんに遭遇した。
無類の犬好きである俺のテンションは、一気に急上昇。
「あっ、木内...見ろよっ!
…めっちゃ可愛い、あのワンコ。
トイプーかな?
うぉ、こっち来たっ!
...触っても、いいですか?」
しゃがみこみ、許可を得られたのでワンコをワシワシと撫でる俺。
それを木内も途中までは、ニコニコ笑って見守っていたのだけれど。
俺はスッカリ、忘れてたんだ。
...この男の俺に対する、異常なまでの嫉妬深さと、執着心を。
しばらく愛でさせて貰った後、ワンコに引きずられるようにしておじいさんは行ってしまったから、その場に残されたのは俺と木内の、二人きり。
ムッ、と唇を尖らせたかと思うと再び神社の方を向き、パン!と両手を合わせ、何やら祈りを捧げる木内。
訳がわからず、ポカンとそれを見上げる俺。
...何やってんだ、コイツ?
でもその、直後。
...俺は起きたばかりの予想外過ぎる、あまりにも阿保くさい超常現象に愕然とし、パカリと口を開いた。
...そう、木内の頭に大きな耳が、ケツからはもふもふでフッサフサな尻尾が生えたのだ。
「...やっぱり、神様スゲェ。
大悟...俺、犬になったよっ!
だから俺の事も、可愛がって?」
耳と尻尾を手で確認し、嬉しそうに満開の笑みを浮かべ、こてんと首を傾げる金髪碧眼のアホ王子。
「はぁぁぁぁあっ!?」
思わず大声で、叫んだ。
有り得ない...有り得なさ過ぎる。
...んでもって神様、コイツに甘過ぎんだろ。
石段の上方を、忌々しい気分で軽く睨み付け、慌てて彼にパーカーのフードを被せて耳を隠させた。
心底げんなりしながらも、たぶんきっと木内の望みが叶うまでは、前回同様この状況は終わらないであろうと思われる。
似合っているとはいえ、ずっとこのままというわけにもいくまい。
喜色満面といった感じで、俺の顔を見下ろす木内。
それを見てあまりにもバカらしくなり、俺はついまた噴き出して。
...そのまま腹を抱えて、爆笑した。
【...fin】
無類の犬好きである俺のテンションは、一気に急上昇。
「あっ、木内...見ろよっ!
…めっちゃ可愛い、あのワンコ。
トイプーかな?
うぉ、こっち来たっ!
...触っても、いいですか?」
しゃがみこみ、許可を得られたのでワンコをワシワシと撫でる俺。
それを木内も途中までは、ニコニコ笑って見守っていたのだけれど。
俺はスッカリ、忘れてたんだ。
...この男の俺に対する、異常なまでの嫉妬深さと、執着心を。
しばらく愛でさせて貰った後、ワンコに引きずられるようにしておじいさんは行ってしまったから、その場に残されたのは俺と木内の、二人きり。
ムッ、と唇を尖らせたかと思うと再び神社の方を向き、パン!と両手を合わせ、何やら祈りを捧げる木内。
訳がわからず、ポカンとそれを見上げる俺。
...何やってんだ、コイツ?
でもその、直後。
...俺は起きたばかりの予想外過ぎる、あまりにも阿保くさい超常現象に愕然とし、パカリと口を開いた。
...そう、木内の頭に大きな耳が、ケツからはもふもふでフッサフサな尻尾が生えたのだ。
「...やっぱり、神様スゲェ。
大悟...俺、犬になったよっ!
だから俺の事も、可愛がって?」
耳と尻尾を手で確認し、嬉しそうに満開の笑みを浮かべ、こてんと首を傾げる金髪碧眼のアホ王子。
「はぁぁぁぁあっ!?」
思わず大声で、叫んだ。
有り得ない...有り得なさ過ぎる。
...んでもって神様、コイツに甘過ぎんだろ。
石段の上方を、忌々しい気分で軽く睨み付け、慌てて彼にパーカーのフードを被せて耳を隠させた。
心底げんなりしながらも、たぶんきっと木内の望みが叶うまでは、前回同様この状況は終わらないであろうと思われる。
似合っているとはいえ、ずっとこのままというわけにもいくまい。
喜色満面といった感じで、俺の顔を見下ろす木内。
それを見てあまりにもバカらしくなり、俺はついまた噴き出して。
...そのまま腹を抱えて、爆笑した。
【...fin】
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる