やさしい異世界転移

みなと

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第4章 星降る都市

【146話】 監獄解放に向けて

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 駆ける、薄暗く湿った空気が漂う監獄の通路をただ速く。
 先程一瞬相対してユウトが倒した男……相対した瞬間に奴の危険度がわかったがそれなりの実力者だった。
 きっとユウトが瞬殺していなければ事態は悪化していたのは間違いないだろう。
 
 けれどそれほどの実力者がいきなり消えた事が凶震戒の連中に知れればきっと監獄全体の警戒度が上がる。
 そうなる前に任務を全うする。
 だがそうするために……

 俺達の目の前に別れ道が立ち塞がる。情報通りなら、おそらくどちらかがサンスインの人や他の都市から来た奴等が囚われてる牢屋に繋がってるはず……

「その道を右です!」

 別れ道に着くとなった瞬間、案内役として付いてきたリューンが牢屋に続く道をすぐ俺達に教えた。
 そこで俺は……

「お前達はそのまま進んで牢屋の解放をしろ、俺は左に行き少しでも敵戦力を削る」

 有無を言わさずに俺は2人とは別の左の道へ進む。
 会話している暇が無いからだ、そんな事してるんだったら1人でも早く敵を殺した方が有意義だり

「でさ~」

 曲がり角に差し掛かろうとした時、男達の声が聞こえる。
 さっきの男よりも辺りを警戒しているの近くにいることとさっきの男より弱い事がすぐにわかった。

 男達の数は3人、まぁ楽勝だな。
 そうして俺は曲がり角を曲がり男達と接敵した。

「なっ──」

「敵s──」

 男達が何か言い切る前に槍で3人の喉を潰す。
 そして声が出ないとそう認識した時にはすでに自分の体が上下で別れ終了だ。

 さて、まだまだこちらで戦闘を続けるのだが……あの2人は大丈夫なのだろうか?


 チャーチスが別れ道で1人だけ左へ行ったのを見て少し呆気に取られたが急がなきゃいけないと思い出してはすぐにチャーチスとは別の右の道へと駆けていく。

 案外別れ道から牢屋までは近く1分ほど走ったところで牢屋間近の角まで辿り着けたのだ。
 慎重に牢屋の方を見るとそこには空間一帯を占めるほどの牢屋そこには数えられないほどの人達が捕えられているのが見れた。

 どうやら本当に奴等はこの都市にいる人達全員をパワーアップの材料として使うのは確定のようだ。
 それならば誰も死んでいない可能性が出てきて俺は高揚する。
 早くここにいる人達を助けねば……

 それにはまず、牢屋の前で退屈そうに欠伸をして雑談している見張りの男達2人をどうにかしなくては。
 2人……どうせ助けに来ないと思っての少数体制なのだろう、それにしたってどうしたものか下手に騒いだら他の奴等もここに来るよな……

「どうすれば……」

「私が魔法を使って足止めします」

 この状況について悩んでいるとリューンが小声で自身の魔法を使う事の提案をしてきた。
 時間がなかったためにそんなに彼女の魔法は知らない……けれど今そんな提案が出来るということはこの状況を打開出来る魔法なのだろう。

「……わかった、頼む」

 だから俺は彼女に頼んだ。

「はい、それじゃあ行きます」

 そして彼女は手を広げる、手を広げて数秒後彼女の手のひらに何か光る球体のようなもの発生する。

「──シャイン」
 
 彼女がそう唱えた瞬間、その球体はふわふわと見張りの男達へと向かっていった。

「んぁ?なんだこれ??」

「ははっ本当だ、なんだこ……いや、これ魔h──」

 パチンッ!

 見張りの男がその球体の正体に気付こうとした瞬間、リューンは強く手を叩いた。
 その時球体が一気に広がり男達を包み込んだのだ。

「今です行ってすぐ倒してください」

 リューンが俺にそう呼びかけ俺は駆けた。
 そして男達を包んでいた光が時間的には数秒で消えたのだ。

「ぐわっっ!!」

「目がぁ!目がぁぁ!!」

 光から出てきた見張りの男達は目を両手で抑えて悲鳴をあげる、なるほどリューンの魔法はざっと光魔法。
 光で相手の視界を奪って戦うそういう系か!
 ならば俺は奴等が光で視界を奪われてるうちに速攻でかたをつける!!

 即座に手前側にいた男の懐に入り込みみずおちに1発入れる。

「ぐっほぉっ!!」

「お、おいどうし──」

 1人目を地面に倒れさせたところで音でもう片方の男が異変に気付こうとしたため即座に男の首元を蹴り上げそのまま気絶させたのだ。

「「「おおっっ!!」」」

「しーっ!助けに来ました」

 その光景を見ていた牢屋の人達が歓喜の声を上げかけたので静かにするようにして助けが来たと伝える。

 次はこの人達の解放……とは言っても牢屋に着いてる鍵のかかった倉庫錠らしきものをぶっ壊せばそれで終わりだ……
 それを大体数百~くらいしなければいけないが……
 とは言っても一回牢屋を解放したら解放した人達にも錠の破壊を手伝ってもらえばいいだろう。

 俺は手刀に魔力を乗せて錠を破壊しそのまま扉もこじ開けまず一つ目の牢屋に囚われてた数十名を救助した。

「あなた達、さっき俺がやったみたいに他の牢屋の人達を助けてもらえますか?」

「……いや魔法が使える時ならいざ知らず、今は魔性輪を取られしまって……」

 この人達にも他の牢屋の人を一緒に助けようと思ったがどうやら今現在魔法が使えなくそれは無理だそうだ。

「ですが!ここの奥の独房、そこにしまってるって見張りの人達が言ってました。もしかしたら……」

 しかし捕えられてた人が思い出したかのように魔性輪の場所を教えてくれた。
 凶震戒のブラフの可能性もある……が。

「リューンさん少しの間ここの人達を牢屋から出してあげてください。
俺は独房の方に行きます」

「……わかりました、お気を付けて」

 俺はこの人達の言った事を信じて独房の方へリューンにここの人達の事を頼んで向かったのだった。
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