やさしい異世界転移

みなと

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第3章 パゼーレ魔法騎士団

【95話】 騎士団の廊下で……

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 俺は食堂でラードフと別れて、廊下を歩いていた。

「お疲れ、ユウト!」

 後ろから声が聞こえて振り返ってみると、そこにはイーリシャさんがいた。

「イーリシャさん……」

「これから任務の詳細について聞きに行くけど、ユウトもくる?」

 イーリシャさんが誘ってきた。

「はい、お願いします!」

 俺はそのお誘いを受けてイーリシャさんと並んで廊下を歩いた。

「どう?騎士団には慣れそう?」

 廊下を歩く最中にイーリシャさんはそう問いかけてきた。

「ま、まぁ……」

 少し回答に戸惑いながらそう答える。

「まぁ最初は戸惑うことが多いよね~でもしばらくしたら慣れると思うよ」

 イーリシャさんは俺に優しくアドバイスをしてきたのだ。
 そして俺達が廊下を歩いていると前の方から屈強な男の人が歩いてきていた。

「よう!お前が異世界から来た奴か!!」

 男の人は俺の前まで来ると、いきなり俺に話しかけてきた。

「こんにちはランシャ中隊長」

 イーリシャさんはその男の人に向かって挨拶をする。

「おう!」

 イーリシャさんからランシャと呼ばれた男は明るく、挨拶を返す。

「えっと、この人は……」

 いきなり出てきたこの男の人について俺はイーリシャさんに小声で聞いた。

「この人はランシャさん、第5中隊の中隊長だよ。」

 中隊長……ゼンとかと同じ役職か。
 第5中隊って確か、ヘルメンが所属しているところか。

「ど、どうも!ユウト・シンドウです!!よろしくお願いします!!」

 とりあえず目上の人なんだから自己紹介をしておく。
 
「はっはっ!元気が良いことだ!!これからも精進しろよ!!」

 と俺に激励の言葉を送って、ラードフは俺達の横を通り過ぎて行った。
 あれだけの為に俺たちは呼び止められたのか?
 と疑問には思ったが、まぁ気にしない方が良いと思い触れないようにした。

 それよりも、別の疑問が出てくる。

「あの、イーリシャさん」

「ん?なに?」

「そういえば俺って第2中隊の中隊長に会った事無いんですけど、どんな人なんですか?」

 初めて第2中隊に来てから、そこの中隊長には会ってない事に今気付いた。
 その事をイーリシャに聞いてみた。

「正確に言えば今第2中隊には中隊長がいないの」

 え?中隊長がいない??
 どういう事だろう、何か事情でもあるのだろうか?

「どうかしたんですか?」

 疑問に思った俺はイーリシャさんにその事を尋ねて見た。

「それが、聞いた話によると……なんか大事なお客さんに手を出したとか」

 なにそれ怖っ。
 そんな人が俺の中隊の中隊長だったのか……
 どんな人だろうな……
 話を聞いた感じ、多分凶暴な人なんだろうな。
 俺は元中隊長に勝手なイメージを付けた。

 これで俺は第1中隊長のゼン、第5中隊長のランシャ、2人の中隊長に出会った事になる。

 第2中隊長は今はいなくて、後俺が会ってない中隊長は2人って事になる。

 他の中隊長ってどんな人だろう?
 ディーオン……は大隊長で多分中隊長って役職とは違うだろう。

 まぁ俺にはほとんど関係はないとは思うが、一応俺の同期がお世話になっているから中隊長の人柄とかが気になった。

 良い人だといいな。
 俺はそう思いながらイーリシャさんと廊下を歩いて行った。
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