やさしい異世界転移

みなと

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第3章 パゼーレ魔法騎士団

【91話】 第2中隊 アグン隊

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 ゼンとのいざこざの後、他中隊へと行くデイとヴァーリンと別れて俺は自分が所属する中隊へと向かう。
 廊下を歩いていると扉が見えてきた、おそらく第2中隊への入り口だろう。

 俺は扉を押して、中へと入って行った。

「ようこそ、第2中隊へ!」

 中に入って最初に言われた言葉だった。
 俺の目に映ったのは、女性が1人男性が3人計4人だけだった。
 中隊は40人くらいだと聞いていたから迎えてくれた人が少ないことが割と意外だった。

「人少なくて驚いたよな。すまない、今この中隊は結構慌ただしいんだ」

 と俺の顔を見て察したのか中央にいる男性が話しかけてきた。
 少し赤がかった髪色をした20代くらいの若い人だ。

「まったく……こんなガキが騎士団に入るなんて、俺はごめんだな」

 さっき話しかけてきた男性の左隣、左端にいる黒髪で左目には縦傷の入った大体40くらいのおじさんが不機嫌そうに話す。

「そんな事言わないでくださいよ、シンノ先輩!……ごめんね、わたしはイーリシャ!イーリシャ・ホルノよろしくね!」

 不機嫌そうに話していたおじさんの反対側、中央の男性の右隣にいる女性が優しく、少しテンション高めに自己紹介を兼ねて話しかけてきた。

「あっはい!魔法学園からきましたユウト・シンドウです!よろしくお願いします!!」

 自己紹介がまだだったことに気がついて俺は慌てるように名を名乗った。

「よろしく頼むよユウト!俺はこの小隊の隊長アグン・ラードルだ。」

 中央にいる男性、小隊長のアグンさんがまず自己紹介をする。

「それとさっきも聞いたが、こっちの美人がイーリシャ。」

 そのままアグンさんは右隣にいる女性について再び紹介する。

「一応この隊の紅一点です!」

「それでその隣にいるのがカムエル・サリラ少し暗いけど良い奴だ。」

 イーリシャさんが一言話してからアグンさんはイーリシャさんの隣にいる男性を紹介する。

 少し物静かな感じで前髪が薄らと目にかかって顔がよく見えない。

「どうも……です。」

「それで最後、こっちの機嫌悪そうなおじさんがシノン・ダーリトンだ。この隊の古株だ。」

 小さくカムエルさんが挨拶をして最後の人の紹介がされた。
 シノンさんは俺と顔を合わせたくないのかそっぽを向いてる。

「以上が君の所属する小隊の隊員だ。仲良くしような!」

 そう言ってアグンさんは手を差し伸べてきた。

「は、はい!よろしくお願いします!!」

 俺はアグンさんの手を掴んで握手をする。
 若干仲良くなれるか不安な人がいるが、この隊で頑張っていくんだ!と決意を固める。

「それじゃあ行こうぜ!!」

 握手をしたままアグンさんは俺の手を引っ張ってきた。

「行くって……どこへ?」

 いきなりの事で驚き、行き先をアグンさんに聞く。

「どこって……そりゃ!」
 
 アグンさんは笑顔で振り返る。
 他の小隊の方もアグンについていくように歩く。

「君の初任務さ!!」
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