90 / 175
第3章 パゼーレ魔法騎士団
【89話】 成長の兆し
しおりを挟む
俺は魔法騎士団中隊長であるゼンと対峙していた。
彼は自分の弟であるデイに危害を加えようとした、俺の友達にそんなことをする奴はたとえソイツの兄だろうが許さない!
「……下っ端が、2度言ってやるかかってこい」
俺はゼンの挑発的な発言をして、俺はその発言の答えるようにゼンに襲いかかった。
まずは右ストレートで牽制しようとする。
しかしゼンは余裕で拳をかわし、逆に俺の顔面めがけて拳をくらわせ吹っ飛ばす。
とっさに手で顔面を守りはしたが、それでも吹っ飛ぶくらいの威力。
なるほど、確かに中隊長って言われるだけのことはある。
「……ガードしたか、なるほどお前が大隊長の言ってた異世界人か。」
納得したような顔をしながらゼンは俺に言った。
大隊長……たしかディーオンのことか?
「確かにお前は身体能力だけはいいようだな。……だが。」
そう言った瞬間にもゼンは俺との距離を詰める。
「そんなもらっただけの力と!今まで鍛えてきた俺たちとはまったく違うんだよ!!」
腹部に強い痛みが走る。
確かに、ゼンの言ってることは正しい。
俺の力なんて見ず知らずの誰かから貰ったものに過ぎない……俺はその力を使って今まで勝ってきた。
けれどもこれからもこの力を使っていくだろう。
だって俺は強くなりたいから!たとえこの力が与えてられたものであっても!!
「……魔法、使わないんですね。」
フラつきながらも立ち上がり、ゼンを見る。
「あぁ、だって下っ端に魔法なんて勿体無いからな。」
余裕そうな顔をしながら答えるゼン。
自分の方が格上だと思って油断しているみたいだ。
ならせめて、アイツに一矢報いてやる!
「それを負けの言い訳にするなよ?下っ端如きにに負けたんじゃ中隊長として恥ずかしいだろ?」
俺はゼンを煽るように言った。
「どうした、いきなり?……何か企んでいるんだろうが、俺も慎重なんでね潰させてもらう」
そしてゼンは魔性輪をはめ、魔法をだす。
辺りの気温が下がるのを感じた。
ゼンの周りに氷の塊がいくつも出来ているのが見える。
どうやらゼンの魔法はレイナみたいな氷結系の魔法……そりゃ氷結のゼンって呼ばれるわ。
辺りの氷がゼンの拳へと集まり、氷のグローブがつくられる。
「この一撃で終わらせてやるよ。」
ゼンは氷で固められた拳を構え、そう宣言する。
「……上等だよ、俺もこの一撃で終わらせてやる!」
ゼンと同じように宣言し、魔力を込めた右拳を構える。
向き合ったまま、俺たちは拳を相手へと振った。
確かに俺はゼンには敵わない、それでも俺は友達にあんな事したのを許しはしない!
この一撃に全てを込めろ!!
────
互いの拳が相手へと近づく最中、異変が起きる。
悪い方の異変じゃない、それどころか……心地が良い。
魔力を込めている拳、そして体全体に魔力を が流れるのが鮮明にわかる。
拳が光輝く……
そして拳が当たる直前に俺の思考がたった1つの結果を導き出していた。
勝っ──
しかしその思考は拳とともに受け止められた。
俺の拳がゼンの元に着く前に止まる、それはゼンも同じのようだった。
俺とゼンの間に誰かが立って、2人の拳を受け止めていた。
銀色の髪、ガタイのいい体。
その人物は俺のよく知ってる人だった。
「ディーオン……大隊長……」
絶望みたいな表情をしているゼンがそう呟いた。
彼は自分の弟であるデイに危害を加えようとした、俺の友達にそんなことをする奴はたとえソイツの兄だろうが許さない!
「……下っ端が、2度言ってやるかかってこい」
俺はゼンの挑発的な発言をして、俺はその発言の答えるようにゼンに襲いかかった。
まずは右ストレートで牽制しようとする。
しかしゼンは余裕で拳をかわし、逆に俺の顔面めがけて拳をくらわせ吹っ飛ばす。
とっさに手で顔面を守りはしたが、それでも吹っ飛ぶくらいの威力。
なるほど、確かに中隊長って言われるだけのことはある。
「……ガードしたか、なるほどお前が大隊長の言ってた異世界人か。」
納得したような顔をしながらゼンは俺に言った。
大隊長……たしかディーオンのことか?
「確かにお前は身体能力だけはいいようだな。……だが。」
そう言った瞬間にもゼンは俺との距離を詰める。
「そんなもらっただけの力と!今まで鍛えてきた俺たちとはまったく違うんだよ!!」
腹部に強い痛みが走る。
確かに、ゼンの言ってることは正しい。
俺の力なんて見ず知らずの誰かから貰ったものに過ぎない……俺はその力を使って今まで勝ってきた。
けれどもこれからもこの力を使っていくだろう。
だって俺は強くなりたいから!たとえこの力が与えてられたものであっても!!
「……魔法、使わないんですね。」
フラつきながらも立ち上がり、ゼンを見る。
「あぁ、だって下っ端に魔法なんて勿体無いからな。」
余裕そうな顔をしながら答えるゼン。
自分の方が格上だと思って油断しているみたいだ。
ならせめて、アイツに一矢報いてやる!
「それを負けの言い訳にするなよ?下っ端如きにに負けたんじゃ中隊長として恥ずかしいだろ?」
俺はゼンを煽るように言った。
「どうした、いきなり?……何か企んでいるんだろうが、俺も慎重なんでね潰させてもらう」
そしてゼンは魔性輪をはめ、魔法をだす。
辺りの気温が下がるのを感じた。
ゼンの周りに氷の塊がいくつも出来ているのが見える。
どうやらゼンの魔法はレイナみたいな氷結系の魔法……そりゃ氷結のゼンって呼ばれるわ。
辺りの氷がゼンの拳へと集まり、氷のグローブがつくられる。
「この一撃で終わらせてやるよ。」
ゼンは氷で固められた拳を構え、そう宣言する。
「……上等だよ、俺もこの一撃で終わらせてやる!」
ゼンと同じように宣言し、魔力を込めた右拳を構える。
向き合ったまま、俺たちは拳を相手へと振った。
確かに俺はゼンには敵わない、それでも俺は友達にあんな事したのを許しはしない!
この一撃に全てを込めろ!!
────
互いの拳が相手へと近づく最中、異変が起きる。
悪い方の異変じゃない、それどころか……心地が良い。
魔力を込めている拳、そして体全体に魔力を が流れるのが鮮明にわかる。
拳が光輝く……
そして拳が当たる直前に俺の思考がたった1つの結果を導き出していた。
勝っ──
しかしその思考は拳とともに受け止められた。
俺の拳がゼンの元に着く前に止まる、それはゼンも同じのようだった。
俺とゼンの間に誰かが立って、2人の拳を受け止めていた。
銀色の髪、ガタイのいい体。
その人物は俺のよく知ってる人だった。
「ディーオン……大隊長……」
絶望みたいな表情をしているゼンがそう呟いた。
0
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説
拝啓神様。転生場所間違えたでしょ。転生したら木にめり込んで…てか半身が木になってるんですけど!?あでも意外とスペック高くて何とかなりそうです
熊ごろう
ファンタジー
俺はどうやら事故で死んで、神様の計らいで異世界へと転生したらしい。
そこまではわりと良くある?お話だと思う。
ただ俺が皆と違ったのは……森の中、木にめり込んだ状態で転生していたことだろうか。
しかも必死こいて引っこ抜いて見ればめり込んでいた部分が木の体となっていた。次、神様に出会うことがあったならば髪の毛むしってやろうと思う。
ずっとその場に居るわけにもいかず、森の中をあてもなく彷徨う俺であったが、やがて空腹と渇き、それにたまった疲労で意識を失ってしまい……と、そこでこの木の体が思わぬ力を発揮する。なんと地面から水分や養分を取れる上に生命力すら吸い取る事が出来たのだ。
生命力を吸った体は凄まじい力を発揮した。木を殴れば幹をえぐり取り、走れば凄まじい速度な上に疲れもほとんどない。
これはチートきたのでは!?と浮かれそうになる俺であったが……そこはぐっと押さえ気を引き締める。何せ比較対象が無いからね。
比較対象もそうだけど、とりあえず生活していくためには人里に出なければならないだろう。そう考えた俺はひとまず森を抜け出そうと再び歩を進めるが……。
P.S
最近、右半身にリンゴがなるようになりました。
やったね(´・ω・`)
火、木曜と土日更新でいきたいと思います。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転移に夢と希望はあるのだろうか?
雪詠
ファンタジー
大学受験に失敗し引きこもりになった男、石動健一は異世界に迷い込んでしまった。
特殊な力も無く、言葉も分からない彼は、怪物や未知の病に見舞われ何度も死にかけるが、そんな中吸血鬼の王を名乗る者と出会い、とある取引を持ちかけられる。
その内容は、安全と力を与えられる代わりに彼に絶対服従することだった!
吸血鬼の王、王の娘、宿敵、獣人のメイド、様々な者たちと関わる彼は、夢と希望に満ち溢れた異世界ライフを手にすることが出来るのだろうか?
※こちらの作品は他サイト様でも連載しております。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる