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第3章 パゼーレ魔法騎士団
【88話】 パゼーレ魔法騎士団
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「本当によろしいので、お嬢様?」
寮の部屋を出る私に執事がそう聞いた。
「えぇそうよセバス、私はもう決めたのです。」
私の決意は変わらない。あの日、たまたまユウトと魔法騎士団の大隊長の会話を聞いてユウトが魔法騎士団に入団すると聞いた時から。
「私はお嬢様のご意志を尊重致します……があなた様の父上はなんとおっしゃるか」
不安そうな口調でセバスは話す。
たしかに、魔法騎士団への入団についてお父様には説明してはいない。
なぜならお父様は絶対に許してはくれないとわかっていたから。
「ありがとねセバス、それじゃあ」
私の決意はかわらない。
そうしてヴァーリンは荷物を持ってセバスに別れをつげて、寮の部屋を出て行った。
──
なんだかんだあり、魔法騎士団へと入団した俺たち元魔法学園生。
それぞれ各中隊にバラバラに配属された。
パートリーは研究部隊、レイナは救護部隊と2人は治安部隊とは異なる部隊に着く。
そして俺達はというと……3年生3人はそれぞれ全5中隊ある中で第1、第4、第5中隊の所属となった。
デイ、ヴァーリンは第4中隊
1年のヘルメンは第5中隊、ラードフは第3中隊
そして俺だけは第2中隊所属となった。
このパゼーレ魔法騎士団の構造はというと治安部隊と特務部隊で別れている。
特務部隊にはレイナの救護部隊、パートリーの研究部隊その他に物資部隊等がある。
治安部隊は5人程で1小隊、8小隊で1中隊、そして5つの中隊で大隊となっており。
騎士団は治安部隊200人、特務部隊100人合計300人が所属している。
小隊には小隊長、中隊には中隊長、そして大隊には大隊長がいる。
大隊長は実質的にはこの騎士団のトップの存在である。
それはさておき、俺達は所属と言われた中隊の兵舎に行っている途中だ。
レイナとパートリーは特務部隊ということで俺たちとは別の場所へと行くために別れた。
「あっ!俺たちはこっちだから」
「また後でな~!」
ラードフ、ヘルメンはそう言って俺たちとは別の兵舎へと向かった。
「えーっと確か第2中隊はこっち……」
「あぁ第4中隊もそっちだわ」
そのまま俺たちは俺を先頭にして3人で歩いていた……その時だった。
「おい、何してんだデイ……」
いきなり声が聞こえた。
すると俺たちの向かい側から1人の男が現れた。
白髪のその男は……どことなくデイに似ていた、っていうかさっきデイって言ってたって事は?
「あ、兄貴……」
俺の後ろにいたデイは震えながら声を出した。やっぱりこの人がデイのお兄さん。
「なんで弱いお前がここにいるんだ?」
真っ直ぐデイを見ながらデイのお兄さんは冷たい態度で言う。
そのデイはお兄さんを見ながら体を震わせているしか出来ていなかった。
それはまるで恐怖を感じているよう……いやデイは本気でお兄さんに恐怖の感情を抱いているんだと思う。
「そ、それは……俺も強くなったんだ……だから俺も戦える……」
体の震えを少しでも抑えながらデイは自分の兄に向かって言う。
デイに対して何かしたいとは思うが、こういった家族との問題に他人である俺たちが口を挟むのもどうかと思っていた。
「ならここで腕でも折って戦えなくしてやるよ」
その声は俺の後ろから聞こえた。
振り返るとデイのお兄さんは俺の後ろのデイの目の前にまできていた。
近づいていたことにすら気づかなかった。
この人……相当強い!
デイの兄はデイの腕を掴む。
デイを掴むその手は次第に強くなっていき、デイは苦痛で声を上げる。
そんな光景、俺には耐えられなかった。
「おい、デイから離れろ……!」
デイを掴んでいた腕を俺が強く掴む。
デイの兄は腕を掴まれたことにより、俺のことを見て認識する。
「なんだおまえ?無関係のくせに家族の問題に口を挟むな」
背筋が凍りつくのを感じる。
それでも俺は……
「だからなんだ、弟に危害を加える奴は兄なんかじゃない……ただのクズだ」
臆することなく面と向かいデイの兄にそう吐いた。
するとデイの兄はデイから手を離した。
「俺に向かってよく言うな?
ならまずはお前に先輩として社会の厳しさってやつを教育してやる。
かかってこい」
デイの兄は俺に対して挑発的な態度を取る。
これは罠だ。そうわかっている。
でも……俺はここで引くわけにはいかない。
「わかりました、やってやりますよ」
そう言って戦闘態勢をとった。
「待って!ユート!!兄は……!」
デイが叫ぶ。
「よく吠えた、新人。
俺はパゼーレ魔法騎士団第1中隊中隊長、氷結のゼン・マックラーケン」
そう言ってゼンも戦闘態勢をとる。
寮の部屋を出る私に執事がそう聞いた。
「えぇそうよセバス、私はもう決めたのです。」
私の決意は変わらない。あの日、たまたまユウトと魔法騎士団の大隊長の会話を聞いてユウトが魔法騎士団に入団すると聞いた時から。
「私はお嬢様のご意志を尊重致します……があなた様の父上はなんとおっしゃるか」
不安そうな口調でセバスは話す。
たしかに、魔法騎士団への入団についてお父様には説明してはいない。
なぜならお父様は絶対に許してはくれないとわかっていたから。
「ありがとねセバス、それじゃあ」
私の決意はかわらない。
そうしてヴァーリンは荷物を持ってセバスに別れをつげて、寮の部屋を出て行った。
──
なんだかんだあり、魔法騎士団へと入団した俺たち元魔法学園生。
それぞれ各中隊にバラバラに配属された。
パートリーは研究部隊、レイナは救護部隊と2人は治安部隊とは異なる部隊に着く。
そして俺達はというと……3年生3人はそれぞれ全5中隊ある中で第1、第4、第5中隊の所属となった。
デイ、ヴァーリンは第4中隊
1年のヘルメンは第5中隊、ラードフは第3中隊
そして俺だけは第2中隊所属となった。
このパゼーレ魔法騎士団の構造はというと治安部隊と特務部隊で別れている。
特務部隊にはレイナの救護部隊、パートリーの研究部隊その他に物資部隊等がある。
治安部隊は5人程で1小隊、8小隊で1中隊、そして5つの中隊で大隊となっており。
騎士団は治安部隊200人、特務部隊100人合計300人が所属している。
小隊には小隊長、中隊には中隊長、そして大隊には大隊長がいる。
大隊長は実質的にはこの騎士団のトップの存在である。
それはさておき、俺達は所属と言われた中隊の兵舎に行っている途中だ。
レイナとパートリーは特務部隊ということで俺たちとは別の場所へと行くために別れた。
「あっ!俺たちはこっちだから」
「また後でな~!」
ラードフ、ヘルメンはそう言って俺たちとは別の兵舎へと向かった。
「えーっと確か第2中隊はこっち……」
「あぁ第4中隊もそっちだわ」
そのまま俺たちは俺を先頭にして3人で歩いていた……その時だった。
「おい、何してんだデイ……」
いきなり声が聞こえた。
すると俺たちの向かい側から1人の男が現れた。
白髪のその男は……どことなくデイに似ていた、っていうかさっきデイって言ってたって事は?
「あ、兄貴……」
俺の後ろにいたデイは震えながら声を出した。やっぱりこの人がデイのお兄さん。
「なんで弱いお前がここにいるんだ?」
真っ直ぐデイを見ながらデイのお兄さんは冷たい態度で言う。
そのデイはお兄さんを見ながら体を震わせているしか出来ていなかった。
それはまるで恐怖を感じているよう……いやデイは本気でお兄さんに恐怖の感情を抱いているんだと思う。
「そ、それは……俺も強くなったんだ……だから俺も戦える……」
体の震えを少しでも抑えながらデイは自分の兄に向かって言う。
デイに対して何かしたいとは思うが、こういった家族との問題に他人である俺たちが口を挟むのもどうかと思っていた。
「ならここで腕でも折って戦えなくしてやるよ」
その声は俺の後ろから聞こえた。
振り返るとデイのお兄さんは俺の後ろのデイの目の前にまできていた。
近づいていたことにすら気づかなかった。
この人……相当強い!
デイの兄はデイの腕を掴む。
デイを掴むその手は次第に強くなっていき、デイは苦痛で声を上げる。
そんな光景、俺には耐えられなかった。
「おい、デイから離れろ……!」
デイを掴んでいた腕を俺が強く掴む。
デイの兄は腕を掴まれたことにより、俺のことを見て認識する。
「なんだおまえ?無関係のくせに家族の問題に口を挟むな」
背筋が凍りつくのを感じる。
それでも俺は……
「だからなんだ、弟に危害を加える奴は兄なんかじゃない……ただのクズだ」
臆することなく面と向かいデイの兄にそう吐いた。
するとデイの兄はデイから手を離した。
「俺に向かってよく言うな?
ならまずはお前に先輩として社会の厳しさってやつを教育してやる。
かかってこい」
デイの兄は俺に対して挑発的な態度を取る。
これは罠だ。そうわかっている。
でも……俺はここで引くわけにはいかない。
「わかりました、やってやりますよ」
そう言って戦闘態勢をとった。
「待って!ユート!!兄は……!」
デイが叫ぶ。
「よく吠えた、新人。
俺はパゼーレ魔法騎士団第1中隊中隊長、氷結のゼン・マックラーケン」
そう言ってゼンも戦闘態勢をとる。
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