【完結】早すぎる鼓動

たまこ

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「お昼ごはん、今日は中庭で食べよう。」


 学園のお昼休み。エイミーに誘われて、お弁当箱を持って中庭に向かう。中庭に辿り着く、すぐ手前でエイミーが急に立ち止まり、後ろを歩いていた私はエイミーの背中にごつんとぶつかってしまった。


「いてて……エイミー?どうしたの?」


「……っ、ララ!やっぱり屋上に行こう!ね?」


「え、ちょっと、エイミー?ねぇ、急にどうしたのよ?」


「気が変わったの!行くわよ!」


 ぐいぐいとエイミーに引っ張られると、小柄な私の体は抵抗できない。ちらりと振り返ると、そこにはラファエルと、ブリトニーが笑い合っていた。



 ブリトニーは、麒麟獣人でスタイルが良く美人。小柄な私より、ずっとラファエルとお似合いだ。彼女は博学で、成績も優秀でまさに才色兼備であり、私のようなちんちくりんに勝てるところは無い。そんな雲の上の存在のようなブリトニーが、最近よくラファエルの隣にいる。


 ラファエルは、昔と変わらず、おっとりした性格だが、成績はトップクラスで、来月学園を卒業した後は、隣国に留学すると噂で聞いた。噂でしか情報が入らないラファエルとの関係に、私の心は、じくりと、傷んだが、ラファエルに直接聞くことは出来なかった。


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