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~5杯 みつめなおすキノコビーフシチュー鍋~
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人。人、人、そして人。
四方八方から人の大群が現れて、一箇所に交差して、どこかへ去っていく。
スクランブル交差点というものの存在は知っていたけれど、実際に見てみるととても不思議だ。
大好きなスクランブルエッグみたい。空間自体がぐちゃぐちゃにかき混ぜられて形を変えていく一つの物体のようで。
うつらうつらと思い巡らせながら、詩瑠はホイップが浮かぶ甘いドリンクに刺された太いストローを咥える。ちなみに「煮物のふきみたいだね!」とストローを評した所、平安に爆笑されてしまった。恥ずかしい。
そんな現在二人がいる場所は、そんなスクランブル交差点を見下ろせるビル内のカフェ。待ち合わせより大分早く着いてしまったので、一旦休憩することにしたのだった。
注文の仕方はわからなかったので平安に任せた結果、謎の呪文を唱えて出てきたのが目の前の猛烈に甘いドリンク。
もはや半分固体じゃないかと思うぐらいモッタリしたそのドリンクは、吸うのにちょっとばかり力が要る。
しかし吸いすぎると一挙大量に口の中へ侵入し、脳内を「甘い!」で塗り尽くしてゆくので、一切油断は出来ない。
今もホイップクリームが雪崩こんできて眉を潜める詩瑠に、平安が苦笑しながら訪ねる。
「美味しくなかったか?」
「そんなことない、けど……こう、慣れないというか、飲み物って感じがしないというか……。色んな『甘い』が同居してて、しかもモタっとしてて。なんかスイーツ食べながらスープを飲んでる気分」
「はは、まぁ、実際そんな感じかもな」
「ヘイ兄ちゃんはよく飲むの?」
「いや、俺もほとんど来ないよ。お客さんと話すると、知識だけは入ってくるんだよ」
「そっか、それで詳しいんだね」
詩瑠は納得の頷きを返しつつ、ストローを回す。
チョコソースと混ざるホイップが沈んで、小さくコポっと音を立てた。
眼下では、青になった信号に従ってまた人々が道を渡っていく。
きっと数回も繰り返せば、詩瑠の故郷の人口を軽く超えるぐらいの人数がすれ違うことだろう。
「……ねぇ、ヘイ兄ちゃん」
「ん?」
「すごいよね、あの豆粒みたいなのがぜーんぶ人なんだもんね」
「まぁうん、そうだな」
「そんでさ……今あそこの交差点を渡った人の中にも、私たちみたいなヒトが紛れてるのかな? 実は、こういうお店で隣の席にいる人がそうだったりして」
まさかね、というようにまつ毛を伏せる詩瑠。
しかし。
「んー、あー……このドリンク作ってくれた店員、多分混ざってるぞ?」
「んうぇ?!」
歯切れ悪い平安の応答に、驚いた詩瑠が思わず腰を浮かす。ついでに握ってしまったプラカップがペコっと凹み、恨めしげにストローからドリンクを吐き出す。
慌ててその店員の姿を探すけれど、座ってる席から窺うことは出来なかった。
「そ、そうなんだ……私、全然気が付かなかった」
「どんな、とかは全然分からないし、匂いもだいぶ弱かったよ。もしかしたら、俺達より血が薄いのかもしれないな」
「ほへぇ。東京にはやっぱりいっぱい居るのかなぁ」
「つってもその店員以外、この場には見当たらないけどな」
実際のところ、平安としても東京に――世の中にどれだけ自分たちのような「妖に近い存在」が混ざっているのか、全く知らない。詳しそうな両親からも聞かされたことはなかったし、そもそも把握している者なんて一人もいないんじゃないだろうか。
ただ、街を歩けば、それなりに匂いを感じることはあった。
世界には思ったより同類がいるのか、はたまた東京だからこそ多く感じるものなのか。
これまで疑問に思いつつ、深く考えてはこなかった。考えたところで答えは出ないし、何よりやるべきことを日々こなすのに集中していたし。
一方、詩瑠の頭に浮かんでいたのは逆の感想。
なんで、世の中にはこんなに「普通じゃない」存在がたくさんいることに思い至らなかったんだろう。
詩瑠が故郷に居た時は、自分たち以外に不思議な存在が居るなんて、気にしたことがなかった。
自らが特異な存在であることは身に染みて知っていたし、周りの「普通」に合わせるための努力をずっとしてきた。そうじゃないと、自分は孤立してしまうから。
なのに。
東京には――世界には、溶け込んで暮らしているヒトが当たり前にいたのだ。
「すごいよね。みんな、当然の顔をして人間社会の中で生きてる。誰も気がついてない雰囲気でさ」
「なんだ、親父さんに会う前からもう弱気か?」
「じゃなくて――いや、そうかも。ちょっとだけ。今更だけど、東京の人混みにちょっと圧倒されちゃった。なんかさ、お父さんに『ほら、お前には東京なんて早かったんだ』と言われてる気分がして、さ」
「……詩瑠」
「ううん、大丈夫、分かってる! ふわっと思っただけで、決意は揺らいでないよ? ただほんと改めて……世界って広いんだなって」
「…………そうだな」
ふうっと息を吐いて、二人は揃って正面に視線を戻した。
眼下の信号が赤になって、人々の代わりに車が往来する。忙しない空間だ。
あんな人混みの中、果たして父は待ち合わせ場所にたどり着けるんだろうか?
残り少ないドリンクをズズっと音立てながら、詩瑠はふと気になる。
自分ほどではないにしろ、彼だって田舎育ち。こんなところをスイスイ歩く彼は想像がつかない。
さんざ人の海に揉まれ、青ざめた顔で待ち合わせ場所に現れるんじゃないだろうか。
そんな想像をすると少しだけ笑いが漏れて、緊張が僅かばかり解けていく気がした。
「詩瑠。そろそろ、時間だ」
「ん」
その一言で、解れた緊張は一瞬で戻ってきてしまった。
でも、腕時計を指し立ち上がる平安に続いて、詩瑠もまた腰を上げる。
待ち合わせ場所は、駅前の犬の像の前。カフェの席からも見ることが出来た。
なんでも「この駅で待ち合わせすると言ったらソコしかないだろう」と詩瑠の父が提案してきたらしい。本当に大丈夫なんだろうか。
プラカップを片付け。
カフェを後にして。
ビルのエスカレーターを下り、人の波に流されながら交差点を渡り。
二人は、待ち合わせ場所にたどり着いた。
待ち合わせのメッカらしく、平日でも人は多い。
そんな中、よろめき歩いてくるであろう父の姿を見逃すまいと、詩瑠は駅の方へ目を凝らす。
あれかな? いや違う。
あっちかな? ううん、あんなにスマートじゃない。
もしかしてあれ……なわけないか。
ひとりひとり、より分けるようにじっくりと見定めていた。
――その時。
「おぉぉ、平安くん! ひっさしぶりだなぁ! いやぁでっかくなって! いやぁ、しかし東京ってのは人が多いなぁ。まったくぶつからないようにするだけで神経がすり減……」
想定の反対側から響いてきた、大きく野太い声。
ガハガハ笑いながら騒がしく喋る、懐かしい声。
父だ。
弾かれたように、詩瑠が振り向く。
「…………平安くん。どうして、詩瑠がここに」
「お父さん、どうして……」
目を見開く、詩瑠の父。
パンパンに膨れた巨大なリュックを背負い、額に汗を浮かべている。青ざめてはいないようだ。
ちょっぴり予想は外れたけれど、見間違いようのない父の姿。
しかし、その横に予定外の人物の姿があった。
「どうして、矢成さんと一緒に居るの……?」
あの生真面目で丁寧すぎる不動産屋、矢成氏が。
ペコリと会釈しながら、父の隣に立っていたのだった。
四方八方から人の大群が現れて、一箇所に交差して、どこかへ去っていく。
スクランブル交差点というものの存在は知っていたけれど、実際に見てみるととても不思議だ。
大好きなスクランブルエッグみたい。空間自体がぐちゃぐちゃにかき混ぜられて形を変えていく一つの物体のようで。
うつらうつらと思い巡らせながら、詩瑠はホイップが浮かぶ甘いドリンクに刺された太いストローを咥える。ちなみに「煮物のふきみたいだね!」とストローを評した所、平安に爆笑されてしまった。恥ずかしい。
そんな現在二人がいる場所は、そんなスクランブル交差点を見下ろせるビル内のカフェ。待ち合わせより大分早く着いてしまったので、一旦休憩することにしたのだった。
注文の仕方はわからなかったので平安に任せた結果、謎の呪文を唱えて出てきたのが目の前の猛烈に甘いドリンク。
もはや半分固体じゃないかと思うぐらいモッタリしたそのドリンクは、吸うのにちょっとばかり力が要る。
しかし吸いすぎると一挙大量に口の中へ侵入し、脳内を「甘い!」で塗り尽くしてゆくので、一切油断は出来ない。
今もホイップクリームが雪崩こんできて眉を潜める詩瑠に、平安が苦笑しながら訪ねる。
「美味しくなかったか?」
「そんなことない、けど……こう、慣れないというか、飲み物って感じがしないというか……。色んな『甘い』が同居してて、しかもモタっとしてて。なんかスイーツ食べながらスープを飲んでる気分」
「はは、まぁ、実際そんな感じかもな」
「ヘイ兄ちゃんはよく飲むの?」
「いや、俺もほとんど来ないよ。お客さんと話すると、知識だけは入ってくるんだよ」
「そっか、それで詳しいんだね」
詩瑠は納得の頷きを返しつつ、ストローを回す。
チョコソースと混ざるホイップが沈んで、小さくコポっと音を立てた。
眼下では、青になった信号に従ってまた人々が道を渡っていく。
きっと数回も繰り返せば、詩瑠の故郷の人口を軽く超えるぐらいの人数がすれ違うことだろう。
「……ねぇ、ヘイ兄ちゃん」
「ん?」
「すごいよね、あの豆粒みたいなのがぜーんぶ人なんだもんね」
「まぁうん、そうだな」
「そんでさ……今あそこの交差点を渡った人の中にも、私たちみたいなヒトが紛れてるのかな? 実は、こういうお店で隣の席にいる人がそうだったりして」
まさかね、というようにまつ毛を伏せる詩瑠。
しかし。
「んー、あー……このドリンク作ってくれた店員、多分混ざってるぞ?」
「んうぇ?!」
歯切れ悪い平安の応答に、驚いた詩瑠が思わず腰を浮かす。ついでに握ってしまったプラカップがペコっと凹み、恨めしげにストローからドリンクを吐き出す。
慌ててその店員の姿を探すけれど、座ってる席から窺うことは出来なかった。
「そ、そうなんだ……私、全然気が付かなかった」
「どんな、とかは全然分からないし、匂いもだいぶ弱かったよ。もしかしたら、俺達より血が薄いのかもしれないな」
「ほへぇ。東京にはやっぱりいっぱい居るのかなぁ」
「つってもその店員以外、この場には見当たらないけどな」
実際のところ、平安としても東京に――世の中にどれだけ自分たちのような「妖に近い存在」が混ざっているのか、全く知らない。詳しそうな両親からも聞かされたことはなかったし、そもそも把握している者なんて一人もいないんじゃないだろうか。
ただ、街を歩けば、それなりに匂いを感じることはあった。
世界には思ったより同類がいるのか、はたまた東京だからこそ多く感じるものなのか。
これまで疑問に思いつつ、深く考えてはこなかった。考えたところで答えは出ないし、何よりやるべきことを日々こなすのに集中していたし。
一方、詩瑠の頭に浮かんでいたのは逆の感想。
なんで、世の中にはこんなに「普通じゃない」存在がたくさんいることに思い至らなかったんだろう。
詩瑠が故郷に居た時は、自分たち以外に不思議な存在が居るなんて、気にしたことがなかった。
自らが特異な存在であることは身に染みて知っていたし、周りの「普通」に合わせるための努力をずっとしてきた。そうじゃないと、自分は孤立してしまうから。
なのに。
東京には――世界には、溶け込んで暮らしているヒトが当たり前にいたのだ。
「すごいよね。みんな、当然の顔をして人間社会の中で生きてる。誰も気がついてない雰囲気でさ」
「なんだ、親父さんに会う前からもう弱気か?」
「じゃなくて――いや、そうかも。ちょっとだけ。今更だけど、東京の人混みにちょっと圧倒されちゃった。なんかさ、お父さんに『ほら、お前には東京なんて早かったんだ』と言われてる気分がして、さ」
「……詩瑠」
「ううん、大丈夫、分かってる! ふわっと思っただけで、決意は揺らいでないよ? ただほんと改めて……世界って広いんだなって」
「…………そうだな」
ふうっと息を吐いて、二人は揃って正面に視線を戻した。
眼下の信号が赤になって、人々の代わりに車が往来する。忙しない空間だ。
あんな人混みの中、果たして父は待ち合わせ場所にたどり着けるんだろうか?
残り少ないドリンクをズズっと音立てながら、詩瑠はふと気になる。
自分ほどではないにしろ、彼だって田舎育ち。こんなところをスイスイ歩く彼は想像がつかない。
さんざ人の海に揉まれ、青ざめた顔で待ち合わせ場所に現れるんじゃないだろうか。
そんな想像をすると少しだけ笑いが漏れて、緊張が僅かばかり解けていく気がした。
「詩瑠。そろそろ、時間だ」
「ん」
その一言で、解れた緊張は一瞬で戻ってきてしまった。
でも、腕時計を指し立ち上がる平安に続いて、詩瑠もまた腰を上げる。
待ち合わせ場所は、駅前の犬の像の前。カフェの席からも見ることが出来た。
なんでも「この駅で待ち合わせすると言ったらソコしかないだろう」と詩瑠の父が提案してきたらしい。本当に大丈夫なんだろうか。
プラカップを片付け。
カフェを後にして。
ビルのエスカレーターを下り、人の波に流されながら交差点を渡り。
二人は、待ち合わせ場所にたどり着いた。
待ち合わせのメッカらしく、平日でも人は多い。
そんな中、よろめき歩いてくるであろう父の姿を見逃すまいと、詩瑠は駅の方へ目を凝らす。
あれかな? いや違う。
あっちかな? ううん、あんなにスマートじゃない。
もしかしてあれ……なわけないか。
ひとりひとり、より分けるようにじっくりと見定めていた。
――その時。
「おぉぉ、平安くん! ひっさしぶりだなぁ! いやぁでっかくなって! いやぁ、しかし東京ってのは人が多いなぁ。まったくぶつからないようにするだけで神経がすり減……」
想定の反対側から響いてきた、大きく野太い声。
ガハガハ笑いながら騒がしく喋る、懐かしい声。
父だ。
弾かれたように、詩瑠が振り向く。
「…………平安くん。どうして、詩瑠がここに」
「お父さん、どうして……」
目を見開く、詩瑠の父。
パンパンに膨れた巨大なリュックを背負い、額に汗を浮かべている。青ざめてはいないようだ。
ちょっぴり予想は外れたけれど、見間違いようのない父の姿。
しかし、その横に予定外の人物の姿があった。
「どうして、矢成さんと一緒に居るの……?」
あの生真面目で丁寧すぎる不動産屋、矢成氏が。
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