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閑話

【閑話】兄と妹と その1

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 時期は冬期休暇の中ごろ。兄妹みんな仲良し! という話(たぶん)。
 短いです。

------------
 

 冬期休暇に入り、領地のお屋敷に戻った私は、今日も早朝からお兄様と二人、自室にこもっていた。

「あ……お兄様、そろそろ……」
「駄目だ。まだ――そう、ここも、だ」

 私の手に、お兄様の大きく熱い手が重ねられる。

「そんな。だって、もう」
「ミュリエル」

 耳元で囁かれ、ぞくりとする。

「ミュリエル、いい子だから。あとちょっとだけ……ちょっとだけ頑張ってくれ」

 顔を向ければ、私をなだめるお兄様の眼差しは優しく、慈しみが込められていて――。



「ヴィンスお兄様ー! ミュリエルお姉様ー! いい加減いらしてください。朝ごはんが冷めてしまいますわよー!」

 ドア越しに聞こえたヘレンの声で、私はペンを置いた。

「ほら。今日も怒られてしまったではありませんか」
「ごめんごめん。もう少しいけると思ってたのだけれどね。……仕方ない、行こうか」
「はい」

 教本を閉じ、私たちは連れだって部屋を出た。

 
 
------------
 
 平和ですね!(笑)

 
 
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