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青崎真司郎と道
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情けないな白松。かつての部下たちを前に逃げることしか出来ないってか?
「抜かせ。音を司るおまえが俺を好きに戦わせるわけがねえだろ。」
くく、さすがよくわかってるじゃないか。ならばもう1つの事実だってわかってるよな?
「どこに逃げようがおまえの位置は音で丸わかりなんだよ。」
目標地点までおよそ100mでついにその声の主、音を司る能力者草戯原荒太が姿を現わす。
「まるでテレパシーのように遠くから自分の声を相手の鼓膜に届ける。相変わらずきもい能力ですね草戯原さん。」
「僕様を裏切って無事でいられると思うだなんていつからそんなにもポジティブシンキングになったんだ白松? てめえに自信がねえからてめえより上のやつを倒すことで少しずつ自信を得る。それがてめえにお似合いの人生だろうが。」
「それはもうやめたよ。」
すると道の四方八方を見覚えのある男たちに塞がれる。
「おいおいなんだその引きつった顔は。お仲間と感動の再会だ。何か感想はないのか?」
白松は鼻で笑う。
「おまえらが相変わらず糞溜めみたいな奴らでよかったよ。きっぱりサヨナラができそうだ。」
白松が皮肉を言うと草戯原の口元が動く。しかし白松にはその声が聞こえない。
音を司る草戯原は1人だけに声を届けないようにすることもできるのだ。
「さて、まずはこの囲まれてる状況を打破しないとな。」
そのための作戦を練りたいところではあるがそんなことを待ってくれるはずもなく数百人の男が怒号をあげながら襲いかかる。
白松は1人目の攻撃をかわし、2人目、3人目にはパンチでカウンターをかます。しかし4人目に死角から殴りかかられ手で防ぐとそこからは数的不利の結果防戦一方となる。
「クソ、アクションスターにでもなった気分だな。」
このままでは拉致があかないと考えた白松は右手と左手に1人ずつ頭を握りぶつけるとよろけた2人を踏み台にして公園の方めがけてジャンプをする。数十人の頭上をかける大ジャンプはなんとか成功に終わり地面に着地する。
「思いつきの割にうまくいったな。」
あとはこのまま公園まで逃げきって青崎と合流できれば死角を補い合う形で十分勝算がある。思考を繰り広げながら白松は追って来ようとする男たちを鉄塊を飛ばして迎撃する。
その隙に逃げようと男たちに背を向けた瞬間だった。
「ほんの少し会わない間に随分と腑抜けなやつになったな白松。」
草戯原の声がしたと思うと突然耳触りの最悪な音が鼓膜を直接刺激する。途端に尋常じゃない頭痛が白松に襲いかかる。
「があああああ!!!!」
白松は思わず悲鳴をあげながら膝から崩れ落ちる。そして頭を抱えるような姿勢で地面に這いつくばる。
「俺から逃げるのは不可能だということくらいおまえならわかっていたはずだ。」
「アタマがあ……!! 割れる……!!」
やばい、これは本格的にやばいぞ。焦る気持ちとは裏腹に白松はまともに動くことすらできない。
「何をしているおまえら。今のうちにそこのゴミを捕まえて僕様の前に差し出せ。」
ゾロゾロと数百人の男たちが近づいてくるのにさすがの白松も諦めかけたとき、不意に草戯原が呟いた。
「ーーー誰だ?」
刹那、氷のつぶてが頭上をいき数人の男を倒す。視線をあげると氷を放ち戦意をむき出しにした美しい氷の女王がいた。
「星、宮……?」
さらに後ろから人影が目にも留まらぬ速度で男たちの中を移動していく。
人影が通った直線上の男たちは全てなぎ倒され、まるでかつて白松が歩いた集会の際に隊列の真ん中、隊長副隊長用の道のようなものが自然とできる。
そして人影はそのまま勢い衰えずに草戯原に殴りかかる。草戯原はそのパンチを防ぐと不快そうな顔をする。
「誰だテメェ? 僕様たちが誰だかわかっててやってるのか?」
「覚えてねえか。けど俺ははっきり覚えてるぜ。テメェのようなクズは忘れたくても忘れられねえんだよ、草戯原!」
「抜かせ。音を司るおまえが俺を好きに戦わせるわけがねえだろ。」
くく、さすがよくわかってるじゃないか。ならばもう1つの事実だってわかってるよな?
「どこに逃げようがおまえの位置は音で丸わかりなんだよ。」
目標地点までおよそ100mでついにその声の主、音を司る能力者草戯原荒太が姿を現わす。
「まるでテレパシーのように遠くから自分の声を相手の鼓膜に届ける。相変わらずきもい能力ですね草戯原さん。」
「僕様を裏切って無事でいられると思うだなんていつからそんなにもポジティブシンキングになったんだ白松? てめえに自信がねえからてめえより上のやつを倒すことで少しずつ自信を得る。それがてめえにお似合いの人生だろうが。」
「それはもうやめたよ。」
すると道の四方八方を見覚えのある男たちに塞がれる。
「おいおいなんだその引きつった顔は。お仲間と感動の再会だ。何か感想はないのか?」
白松は鼻で笑う。
「おまえらが相変わらず糞溜めみたいな奴らでよかったよ。きっぱりサヨナラができそうだ。」
白松が皮肉を言うと草戯原の口元が動く。しかし白松にはその声が聞こえない。
音を司る草戯原は1人だけに声を届けないようにすることもできるのだ。
「さて、まずはこの囲まれてる状況を打破しないとな。」
そのための作戦を練りたいところではあるがそんなことを待ってくれるはずもなく数百人の男が怒号をあげながら襲いかかる。
白松は1人目の攻撃をかわし、2人目、3人目にはパンチでカウンターをかます。しかし4人目に死角から殴りかかられ手で防ぐとそこからは数的不利の結果防戦一方となる。
「クソ、アクションスターにでもなった気分だな。」
このままでは拉致があかないと考えた白松は右手と左手に1人ずつ頭を握りぶつけるとよろけた2人を踏み台にして公園の方めがけてジャンプをする。数十人の頭上をかける大ジャンプはなんとか成功に終わり地面に着地する。
「思いつきの割にうまくいったな。」
あとはこのまま公園まで逃げきって青崎と合流できれば死角を補い合う形で十分勝算がある。思考を繰り広げながら白松は追って来ようとする男たちを鉄塊を飛ばして迎撃する。
その隙に逃げようと男たちに背を向けた瞬間だった。
「ほんの少し会わない間に随分と腑抜けなやつになったな白松。」
草戯原の声がしたと思うと突然耳触りの最悪な音が鼓膜を直接刺激する。途端に尋常じゃない頭痛が白松に襲いかかる。
「があああああ!!!!」
白松は思わず悲鳴をあげながら膝から崩れ落ちる。そして頭を抱えるような姿勢で地面に這いつくばる。
「俺から逃げるのは不可能だということくらいおまえならわかっていたはずだ。」
「アタマがあ……!! 割れる……!!」
やばい、これは本格的にやばいぞ。焦る気持ちとは裏腹に白松はまともに動くことすらできない。
「何をしているおまえら。今のうちにそこのゴミを捕まえて僕様の前に差し出せ。」
ゾロゾロと数百人の男たちが近づいてくるのにさすがの白松も諦めかけたとき、不意に草戯原が呟いた。
「ーーー誰だ?」
刹那、氷のつぶてが頭上をいき数人の男を倒す。視線をあげると氷を放ち戦意をむき出しにした美しい氷の女王がいた。
「星、宮……?」
さらに後ろから人影が目にも留まらぬ速度で男たちの中を移動していく。
人影が通った直線上の男たちは全てなぎ倒され、まるでかつて白松が歩いた集会の際に隊列の真ん中、隊長副隊長用の道のようなものが自然とできる。
そして人影はそのまま勢い衰えずに草戯原に殴りかかる。草戯原はそのパンチを防ぐと不快そうな顔をする。
「誰だテメェ? 僕様たちが誰だかわかっててやってるのか?」
「覚えてねえか。けど俺ははっきり覚えてるぜ。テメェのようなクズは忘れたくても忘れられねえんだよ、草戯原!」
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