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【第52話】神剣草薙
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クルミ達が潜入した頃に、与太郎達も避難民の代表として富士の国へ入った。そして、城へと案内された。
広場へと案内されて、テーブルと椅子が用意されていた。
向かい合った椅子には、シャイブ大臣が座っていた。
「知世様、ようこそお越しくださいました。」
席を立ちシャイブ大臣が挨拶をする。
「そちらへどうぞ。」
促されるままアリスは、シャイブ大臣の向かいに座った。
「さてそれでは・・・」
「そのまえに大臣、父はどこに?」
与太郎が話を遮った。
「与一将軍は、亡くなられた知世様の父上である大将軍の殺害した罪で捕らえております。」
「それは何かの間違えだ。大将軍への救援の兵を出さなかったのは、シャイブ大臣も同じじゃないか!」
「わたしは、科学の国トルゴラムに救援を依頼して助けようといたしましたよ。トルゴラムの使者が証人として来てくれています。」
シャイブ大臣に促された、使者という人が口をひらいた。
「はい。シャイブ大臣から救援の依頼を受けて兵を派遣を行いましたが、間に合わず我が国は申し訳なく思っております。」
「よくもそんなことを言えるな!大将軍不在、トルゴラムから攻め込まれる可能性があるから父は動けなかったのだろうが!」
「そんなことはありません。」
トルゴラムの使者が否定した。
「まぁ与太郎殿も通常でしたら、反逆者として拘束するのが妥当でしょうが・・」
セオドの方を見る。
「その者達は、竜神王国の保護にあることは、竜王、王と共に認めております。」
「そうですか。」
シャイブ大臣が引き下がった。
沈黙が流れる。
「ふぅ このままでは平行線ですな。とりあえず少し休憩としましょうか。」
そう言って、用意された部屋に案内された。
「くそ!シャイブ大臣め!」
与太郎が怒り表した。
「ふぅ ダメだな。冷静にならないと。」
「そうですね、少しは党首として成長しないとですね。」
喜介が指摘をした。
「あぁ」
「クルミ殿達の状況も気になりますが。」
セオドがローマンを見る。
「そうだな、タルタルに頼んでみるか。」
タルタルを呼び出した。
「クルミと交信?フリードと交信?どっち?」
「2人は別々なのか?」
「そう!フイーは、映像での交信をクルミとしてるみたい。クルミは強い人と戦ってるみたいだよ。」
「まさか久遠と!」
「その前に映像で見せることができるのか?」
「できるよ。フイーは、陽炎で見せてるみたい、タルタルは幻惑で見せることができるよ。」
「タルタル!お願いだ見せてくれ!」
「やだ!疲れるもん。」
ローマンは、その後必死に交渉した。その部屋にいるもの達も交渉に参加してくれて、見せてくれることになった。
クルミ対久遠。
観戦者がいることは、2人は分からなかった。クルミは精霊を通じて分かったかも知れないが集中して戦っていたので気づかなかった。
疾風勁草流 対 疾風流
似た流儀での打ち合いを繰り返していた。久遠は、感激のなかにいた。長らく対等の敵と戦っていなかったからだ。
「楽しいな!」
「あなたは、やっぱり期待はずれだね。」
冷たくクルミは言い放つ。
クルミは、久遠の実力に驚いていた。レオパルド以上の強さだと思う。数度打ち合って、このままでは不味いとも考えていた。
しかし、負けることはないことも確信していたのだった。
矛盾しているがそれには理由があった。
「あなた、剣の声が聞こえてるの?」
「何を?」
「分からないならいいよ。この先予定があるからもう終わりにしましょう。」
「さっきから訳の分からないことを!」
クルミは、剣を鞘にしまった。流石に神剣相手をしていたのでボロボロになってしまったのだった。
「剣が限界か?」
「もう終わりって言ったのよ。あなたの最強の技できなさい!」
「よかろう」
【疾風流 疾風死突】
恐ろしい速さの突きが迫ってきた。クルミは両手を広げた。
見ているもの達は届かないのに叫んだ。
クルミを貫くことはなかった。
目の前で止まったのだった。
「なぜ!何をした?」
「何もしてないわよ。草薙が止まったのよ。」
考え込む、久遠。
「戻りなさい!草薙!!」
クルミが呼ぶと、久遠のもとから光になり消えてクルミの手に表れた。
「なぜ!」
「この剣は使うものを選ぶのよ。そして、選ばれてない人が持つと魔力気を奪うのよ。」
久遠がめまいに襲われた。
「でもあなたは、剣で敗れなさい!」
【疾風勁草流 千片万花】
草薙が淡い緑色の光をともす、そこから穏やかな風が吹く。
久遠は、その風を感じると無数の刃を浴び倒れた。
「ふぅ お帰り草薙。」
これでクルミは剣を無事に手に入れた。
広場へと案内されて、テーブルと椅子が用意されていた。
向かい合った椅子には、シャイブ大臣が座っていた。
「知世様、ようこそお越しくださいました。」
席を立ちシャイブ大臣が挨拶をする。
「そちらへどうぞ。」
促されるままアリスは、シャイブ大臣の向かいに座った。
「さてそれでは・・・」
「そのまえに大臣、父はどこに?」
与太郎が話を遮った。
「与一将軍は、亡くなられた知世様の父上である大将軍の殺害した罪で捕らえております。」
「それは何かの間違えだ。大将軍への救援の兵を出さなかったのは、シャイブ大臣も同じじゃないか!」
「わたしは、科学の国トルゴラムに救援を依頼して助けようといたしましたよ。トルゴラムの使者が証人として来てくれています。」
シャイブ大臣に促された、使者という人が口をひらいた。
「はい。シャイブ大臣から救援の依頼を受けて兵を派遣を行いましたが、間に合わず我が国は申し訳なく思っております。」
「よくもそんなことを言えるな!大将軍不在、トルゴラムから攻め込まれる可能性があるから父は動けなかったのだろうが!」
「そんなことはありません。」
トルゴラムの使者が否定した。
「まぁ与太郎殿も通常でしたら、反逆者として拘束するのが妥当でしょうが・・」
セオドの方を見る。
「その者達は、竜神王国の保護にあることは、竜王、王と共に認めております。」
「そうですか。」
シャイブ大臣が引き下がった。
沈黙が流れる。
「ふぅ このままでは平行線ですな。とりあえず少し休憩としましょうか。」
そう言って、用意された部屋に案内された。
「くそ!シャイブ大臣め!」
与太郎が怒り表した。
「ふぅ ダメだな。冷静にならないと。」
「そうですね、少しは党首として成長しないとですね。」
喜介が指摘をした。
「あぁ」
「クルミ殿達の状況も気になりますが。」
セオドがローマンを見る。
「そうだな、タルタルに頼んでみるか。」
タルタルを呼び出した。
「クルミと交信?フリードと交信?どっち?」
「2人は別々なのか?」
「そう!フイーは、映像での交信をクルミとしてるみたい。クルミは強い人と戦ってるみたいだよ。」
「まさか久遠と!」
「その前に映像で見せることができるのか?」
「できるよ。フイーは、陽炎で見せてるみたい、タルタルは幻惑で見せることができるよ。」
「タルタル!お願いだ見せてくれ!」
「やだ!疲れるもん。」
ローマンは、その後必死に交渉した。その部屋にいるもの達も交渉に参加してくれて、見せてくれることになった。
クルミ対久遠。
観戦者がいることは、2人は分からなかった。クルミは精霊を通じて分かったかも知れないが集中して戦っていたので気づかなかった。
疾風勁草流 対 疾風流
似た流儀での打ち合いを繰り返していた。久遠は、感激のなかにいた。長らく対等の敵と戦っていなかったからだ。
「楽しいな!」
「あなたは、やっぱり期待はずれだね。」
冷たくクルミは言い放つ。
クルミは、久遠の実力に驚いていた。レオパルド以上の強さだと思う。数度打ち合って、このままでは不味いとも考えていた。
しかし、負けることはないことも確信していたのだった。
矛盾しているがそれには理由があった。
「あなた、剣の声が聞こえてるの?」
「何を?」
「分からないならいいよ。この先予定があるからもう終わりにしましょう。」
「さっきから訳の分からないことを!」
クルミは、剣を鞘にしまった。流石に神剣相手をしていたのでボロボロになってしまったのだった。
「剣が限界か?」
「もう終わりって言ったのよ。あなたの最強の技できなさい!」
「よかろう」
【疾風流 疾風死突】
恐ろしい速さの突きが迫ってきた。クルミは両手を広げた。
見ているもの達は届かないのに叫んだ。
クルミを貫くことはなかった。
目の前で止まったのだった。
「なぜ!何をした?」
「何もしてないわよ。草薙が止まったのよ。」
考え込む、久遠。
「戻りなさい!草薙!!」
クルミが呼ぶと、久遠のもとから光になり消えてクルミの手に表れた。
「なぜ!」
「この剣は使うものを選ぶのよ。そして、選ばれてない人が持つと魔力気を奪うのよ。」
久遠がめまいに襲われた。
「でもあなたは、剣で敗れなさい!」
【疾風勁草流 千片万花】
草薙が淡い緑色の光をともす、そこから穏やかな風が吹く。
久遠は、その風を感じると無数の刃を浴び倒れた。
「ふぅ お帰り草薙。」
これでクルミは剣を無事に手に入れた。
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