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06.とっても元気な赤ちゃん

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 ――ところが。
 腰のあたりに違和を、そしてお尻の穴に熱を感じて目を開ければ。

「……な、に……?」

 最後に出てきた赤ちゃんが、いつの間にか、お尻の上にくっついていました。どうやら這い上がってきたようです。縦に貼りついた赤ちゃんは、上にある先端を開いて触手をにょろにょろ。そして下の先端は――ぴたりと、ダリオのお尻の穴にあてがいます。
 ――つぷぷ、と、赤ちゃんの先っぽが、ダリオのナカに入っていきます。

「ふぇっ!? えっ、あっ……!!!」

 赤ちゃんはそのまま、ダリオのケツマンコをかき混ぜ始めました! 一番大きな赤ちゃんです、じゅっぷじゅっぷと音を立て、ダリオを犯します。

「あっ♡ あっ♡! やらっ♡ やらっ♡ なに、なん、れぇぇぇえぇ♡♡!!!」

 その動きはまさに、おせっせの動き。長いことママのナカにいたので、ママのイイトコロもわかっています、丹念にくすぐってあげます。ママのケツマンコに甘えているようにも見えます。

「んひぃぃぃっ♡♡♡!!!!!」

 ママが喜んでのけぞれば、赤ちゃんは大喜びできいきいと鳴きます。そしてぶしゃーっ、と音がしたかと思えば……ダリオのお尻の穴と、赤ちゃんの隙間から、白い液が零れだします。

「これは一体……!」

 研究者達が目を見張ります。あの白衣の男が食い入るようにダリオと赤ちゃんの接合部を見つめ、白濁を確認します……。

「なるほど~! 『孕獣』は気に入った個体に孕ませ続ける、という噂がありましたが……きっとこうして苗床にし続ける、ということでしょうね~! 種族的に相性のいい苗床個体が見つからないのかもしれません……そのため、相性のいい苗床個体を見つけたら……」
「繁殖のため、産まれた時点で生殖能力を持ち、苗床にすぐに種付けする、ということですね!」

 とても逞しい赤ちゃんです! ダリオのお尻の穴からは、ぼたぼた精液が溢れてきます。ダリオのおちんちんからも精液がぽたぽた……でもダリオはママになり苗床になったのですから、もうこの精液がどうなろうと誰にも何にも関係ありません。

「たすけ……っ! ひっ♡ だれ、かっ♡ とめてぇ……♡」

 喘ぎながら助けを求めるダリオの耳には、赤ちゃんの触手が迫っていました。細い触手が耳の中に入れば、

「い゛っ♡♡♡!?!?!?」

 ダリオの息が止まり、身体はぴたりと動きを止めます。そして触手がまさぐるように動けば。

「―――――ひっ♡ うひっ♡! ぅ、お♡ おっ? ほっ……♡」

 瞳を上に向けたダリオは、徐々に身体を震わせていきます。お尻の穴もきゅ~っ、と締まり、とろとろ精液を垂れ流していたおチンポからは、一度激しく射精したかと思えば、その後数回潮吹きをしました。

 ――そう、だ……。
 ――前も、こんな風、に……。

 頭が白くなっていく中、ダリオはぼんやり思い出します……森の中、手足に絡みついた触手、のしかかってきた巨大なナメクジのような生き物、お尻の穴をいじられた感覚、自分の嬌声……。

「お゛っ―――――………」

 最後に全身の力が抜けたかと思えば、がくりとダリオはうなだれました。完全に気を失ってしまいます。それでもお尻を犯され種付けされているので、身体はびくびく震えたまま。

「きっと今のが記憶の改竄ですよ! すごいですね~! こうしてこの子達は繁殖していくんですね~!」

 培養槽の外では、白衣の男が声を上げています。

「もっと研究しないとですね~! ちょうど、ダリオくんがまた孕んでくれたみたいですし~!」


 


 ――なんだか、生温い……。

 そんな感覚を覚えて、ダリオは瞼を震わせました。
 生温い、といっても気持ちが悪いものではありません。むしろ心地いい方で、まるで温かなベッドの中にいるような感覚です。そのため、なかなか目を開けられませんでした。

 ――でも、なんだか、身体、おかしい……?
 ――動かない……?

 徐々に感覚がはっきりしてきた中、ついにダリオが目を開けると。

「――んぅ……?」

 そこは見覚えのない、薄いピンク色の世界。
 奇妙な培養槽の中に、ダリオは拘束されていました。
 それも裸で、口には奇妙なマスクを。おちんちんとお尻にも奇妙な装置を取り付けられて。

「ンぅ~~~~~っっっ!?!?!?」

 ――何だっ、何だこれぇぇっ!?!?
 ――俺、どうして、こんな……っ!

 いったいどうして、こんなことになっているのでしょう。思い出せるのは……村の近くの森に遊びに行ったことです。そう、あそこには冒険者と研究者達がいて……。

「はいは~い、ダリオくん、おはよ~! それじゃあ今回も元気に赤ちゃんを産みましょうね~」

 と、培養槽の外から声がします。見覚えのない、白衣の男が立っていました。

 ……そこから、ダリオはここにあるあらゆるものに気付きます。様々な機材、自分を映すモニター。それから……大きなケース。透明なそのケースの中には、赤黒いナメクジのようなものが何匹もいます。数十匹はいるように思えますが……どうも見覚えがあります。

「……あれっ、もしかしてダリオくん、今回は憶えてる~?」

 白衣の男が首を傾げます。しかしいったい何のことを言っているのかわからず、ダリオはきょとんとしてしまいます。
 男は続けます。

「ダリオく~ん、そうだなぁ……森で冒険者とお話したの、憶えてる?」

 どうして急にそんな質問をされるのかわかりませんが……憶えている、と、ダリオは頷きます。

「それじゃあその後、初めて赤ちゃん産んだのは憶えてる~?」
「……んぅ?」
「またその後何回も赤ちゃん産んだのは……憶えてないかなぁ~?」
「……ん、ん?」

 この男、狂っているのでしょうか……あまりにもいかれた質問に、ダリオは顔をしかめます。

「うんうん! な~んだ、いつも通りだね! ……それにしてもすごいね~記憶改竄能力は……まさか孕ませたことを完全に忘れさせるために、記憶を本当に最初まで毎回消しちゃうんだから……」

 奇妙な男は、ダリオに背を向け、闇の中へ去っていきました。

「それじゃあ、二十三回目の出産に向けて、また頑張っていこうね~!」

 ……ダリオママの二十三回目の『産活』が始まりました。
 これまで何匹の赤ちゃんを産んだのか……ダリオには知る由もありません。
 研究者達にとって、そして『孕獣』にとって、ダリオは便利な苗床であるだけなのですから。


【終】
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