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【第六章】新生・魔王軍
【第三十九話】竜種 ②
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「どうしたもこうしたもないわぁ…………。ヒューマンの街が、一夜にして完全に破壊されたみたいなのよぉ……ッ!!部下に言って見に行かせたんだけど、それはもうホントにメチャクチャにされてたみたいでねぇ…………ッ!!」
語尾や喋り方のせいであまりそうは思えないが、『ナターシャ』なりの早口だった。
どうやらかなり焦っているようだ。
彼女は死の森の中心にある湖を拠点にしているため、ドライダスよりも戦地に近いからかもしれない。
「ほぉ…………?お前がそうまでして言うのであれば、それは本当のことなんじゃろうのう…………。じゃが…………ヒューマンがいなくなったのであれば、それは我々にとって良いことなのではないか…………?お前がそこまで取り乱している理由が分からんのじゃが……」
「…………街からねぇ、火山の噴火のような…………"巨大な火柱"が上がっていたのよ……」
「…………ッ!?!?」
ドライダスは驚愕に目を見開いた。
『火山の噴火のような巨大な火柱』────。
世界広しと言えど、そんな芸当が出来る者はそう多くない。
『ディーグレア』だ。
それは元々彼のよくする動作の一つであり、そもそもそれほどまでに大きな炎を作り出せる時点で、ディーグレア本人以外には考えられない。
「ば、バカな…………。そんなわけが……」
「本当よぉ…………。私もこの目で見てきたわ。それに…………さっき『ニーニャ』の所にいたエルフたちが、『ハイエルフ』になって私の所に伝言に来たのよ。しかも5体よ…………ッ!?『ハイエルフ』が5体なんて、私も初めて見たから流石に焦ったわよッ!!」
「ま、待て待てッ!!いきなりで何が何だか分からんぞッ!!とりあえず、そのエルフどもは何かお前に伝言を寄越してきたんじゃろうッ!?そやつらは一体、何と言ってきたんじゃッ!?」
ドライダスからすれば、どうにも気が気でない事態だった。
あまりにも予想外な急展開だ。
こうもなれば、最早のんびりなどしていられない。
「…………彼らは言っていたわぁ……。『古き魔王の"復活"と共に…………新しき魔王が"誕生"なされた────。街の壊滅はまだまだ序章だ。これから魔族総出で、ヒューマンの街へと進出する。魔族は全て、ヒューマンに街の跡地へと集結せよ』────と…………」
「………………」
ドライダスはすぐには言葉を返せなかった。
まだ半信半疑なのだ。
というより…………未だ頭が混乱して、上手く整理出来ていない。
ヒューマンの街の壊滅に、新魔王の誕生────。
加えて『古き魔王の"復活"』など、いきなり言われたところで整理がつくわけもないのだ。
いつも寝てばかりいるが故か、もはや現実かどうかですら疑わしい。
しかし、そこで…………
まるでそんな疑心にトドメを刺すかのように、いきなり"声"が聞こえてきた。
「聞こえるかァッ!!魔族たちよッ!!」
「「…………ッ!!!!」」
ドライダスもナターシャも、"声"を聞いてほとんど同時に飛び上がった。
森の深い奥地にいるなどとはとても思えないほどに大きく聞こえてきた轟音────。
野太く…………猛々しく…………脳を突き抜けるかのように鋭く響く声────。
もちろん…………聞いたことのある声だ。
2人の目から思わず、涙が零れ落ちる。
「初めての者も多いだろうが、久しき者どもはこの声に覚えがあるだろうッ!!そうだッ!!我だッ!!ディーグレアだッ!!!!200年の時を超え…………ッ!!我はここにッ!!復活したぞォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
2人は歓喜に打ち震えた。
よもや…………また再びその声を聞けるなどとは夢にも思わなかったのだ。
闘志が…………戦意が…………『理由』が…………ドライダスの中で烈火の如く湧き立ち、身体中を滾らせる。
「我は今…………ッ!!ヒューマンどもの根城であった街にいるッ!!どこにあるかを知らぬ者はいないなッ!?我らが仇敵の根城であった場所だッ!!我はそこで、我と共にもう一度立ち上がる者たちを待っているッ!!」
「ディーグレア様……」
「この声を聞きし者共よ…………ッ!!闘志を燻らせる強者共よッ!!再び我が元に集えッ!!さすればッ!!我を再びこの世に蘇らせた『新しき王』が…………ッ!!貴様らに極上の『褒美』を約束しようぞッ!!」
ドライダスとナターシャと…………ドワーフと他の魔族たちもが一斉に立ち上がった。
『王』が帰ってきたのだ。
もうこんな所で油を売っている場合ではない。
「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!長生きはするものじゃなぁ…………ッ!!まさか、また奴と再会できる日が来ようとは夢にも思わなんだぞ…………ッ!!」
ドライダスは瞳に活力を宿し、口元を大きく緩めた。
前線復帰だ。
今すぐにでも動き出し、ディーグレアと合流したい。
語尾や喋り方のせいであまりそうは思えないが、『ナターシャ』なりの早口だった。
どうやらかなり焦っているようだ。
彼女は死の森の中心にある湖を拠点にしているため、ドライダスよりも戦地に近いからかもしれない。
「ほぉ…………?お前がそうまでして言うのであれば、それは本当のことなんじゃろうのう…………。じゃが…………ヒューマンがいなくなったのであれば、それは我々にとって良いことなのではないか…………?お前がそこまで取り乱している理由が分からんのじゃが……」
「…………街からねぇ、火山の噴火のような…………"巨大な火柱"が上がっていたのよ……」
「…………ッ!?!?」
ドライダスは驚愕に目を見開いた。
『火山の噴火のような巨大な火柱』────。
世界広しと言えど、そんな芸当が出来る者はそう多くない。
『ディーグレア』だ。
それは元々彼のよくする動作の一つであり、そもそもそれほどまでに大きな炎を作り出せる時点で、ディーグレア本人以外には考えられない。
「ば、バカな…………。そんなわけが……」
「本当よぉ…………。私もこの目で見てきたわ。それに…………さっき『ニーニャ』の所にいたエルフたちが、『ハイエルフ』になって私の所に伝言に来たのよ。しかも5体よ…………ッ!?『ハイエルフ』が5体なんて、私も初めて見たから流石に焦ったわよッ!!」
「ま、待て待てッ!!いきなりで何が何だか分からんぞッ!!とりあえず、そのエルフどもは何かお前に伝言を寄越してきたんじゃろうッ!?そやつらは一体、何と言ってきたんじゃッ!?」
ドライダスからすれば、どうにも気が気でない事態だった。
あまりにも予想外な急展開だ。
こうもなれば、最早のんびりなどしていられない。
「…………彼らは言っていたわぁ……。『古き魔王の"復活"と共に…………新しき魔王が"誕生"なされた────。街の壊滅はまだまだ序章だ。これから魔族総出で、ヒューマンの街へと進出する。魔族は全て、ヒューマンに街の跡地へと集結せよ』────と…………」
「………………」
ドライダスはすぐには言葉を返せなかった。
まだ半信半疑なのだ。
というより…………未だ頭が混乱して、上手く整理出来ていない。
ヒューマンの街の壊滅に、新魔王の誕生────。
加えて『古き魔王の"復活"』など、いきなり言われたところで整理がつくわけもないのだ。
いつも寝てばかりいるが故か、もはや現実かどうかですら疑わしい。
しかし、そこで…………
まるでそんな疑心にトドメを刺すかのように、いきなり"声"が聞こえてきた。
「聞こえるかァッ!!魔族たちよッ!!」
「「…………ッ!!!!」」
ドライダスもナターシャも、"声"を聞いてほとんど同時に飛び上がった。
森の深い奥地にいるなどとはとても思えないほどに大きく聞こえてきた轟音────。
野太く…………猛々しく…………脳を突き抜けるかのように鋭く響く声────。
もちろん…………聞いたことのある声だ。
2人の目から思わず、涙が零れ落ちる。
「初めての者も多いだろうが、久しき者どもはこの声に覚えがあるだろうッ!!そうだッ!!我だッ!!ディーグレアだッ!!!!200年の時を超え…………ッ!!我はここにッ!!復活したぞォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
2人は歓喜に打ち震えた。
よもや…………また再びその声を聞けるなどとは夢にも思わなかったのだ。
闘志が…………戦意が…………『理由』が…………ドライダスの中で烈火の如く湧き立ち、身体中を滾らせる。
「我は今…………ッ!!ヒューマンどもの根城であった街にいるッ!!どこにあるかを知らぬ者はいないなッ!?我らが仇敵の根城であった場所だッ!!我はそこで、我と共にもう一度立ち上がる者たちを待っているッ!!」
「ディーグレア様……」
「この声を聞きし者共よ…………ッ!!闘志を燻らせる強者共よッ!!再び我が元に集えッ!!さすればッ!!我を再びこの世に蘇らせた『新しき王』が…………ッ!!貴様らに極上の『褒美』を約束しようぞッ!!」
ドライダスとナターシャと…………ドワーフと他の魔族たちもが一斉に立ち上がった。
『王』が帰ってきたのだ。
もうこんな所で油を売っている場合ではない。
「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!長生きはするものじゃなぁ…………ッ!!まさか、また奴と再会できる日が来ようとは夢にも思わなんだぞ…………ッ!!」
ドライダスは瞳に活力を宿し、口元を大きく緩めた。
前線復帰だ。
今すぐにでも動き出し、ディーグレアと合流したい。
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