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第5章 ゼイドラムへ行こう
92 女担任との遭遇
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俺達は、ガイアブルクへ帰還しようとしていたのだが、不意に気配を感じたので身構えた。
そして、首都正門の物陰から出てきたのは、俺達の元担任の女だった。
確か、葛間葛葉という名前だったか?
俺や由奈、そしてひなたにとっては悪印象を持つ女なのだ。
「無能だけでなく、裏切り者もいるとはねぇ。 脱走した二人を探していたけど丁度いいわ。 勇者の力で無能と裏切り者を始末してやるわ」
不快を与える笑みを浮かべ、葛間は罵ってきた。
俺は呆れの意味を込めてため息を吐く。
ひなたや由奈も葛間に対しゴミを見るような目で見ている。
「やれやれ、アキト君にそう言う貴様こそが無能ではないか?」
「何ですって……!?」
シャルロット女王が葛葉に挑発的な言葉を浴びせた。
葛間の表情が歪む。
「貴様が現れた時点で調べさせてもらったが、貴様の能力などアキト君と比べたら子犬も同然じゃよ」
「私がそこの無能より劣ってるって言うの!?」
「そうじゃ」
シャルロット女王はキッパリと俺よりも葛間の方が弱いと断言した。
当然、葛間は怒り心頭だった、
しかし、無能無能とうるさいな、あのクソ担任……。
「そもそも、貴様は勇者の素質を得たからと言って強くなった気でいるようだが……。 我々からすれば全力で倒すに値しないレベルで弱いぞ」
「な……!?」
クロウ中佐も葛間に挑発的に言葉を発してくる。
まぁ、彼はクレハ解放戦で知り合い、ゲスーとの戦いも直で見てはいなかったものの闘気で感じたのだろう。
それゆえの率直な感想なんだろうな。
そしてクロウ中佐が俺にアイコンタクトをしてきた。
遠慮なく潰しても構わない…というサインだった。
「ええい、どいつもこいつも……! 勇者の素質を持たない無能が私に勝てるとでも……」
葛間が言い終えるまでに俺は拳を隣のホムンクルス兵士の顔面に叩き込んだ。
全力で【格闘家】の素質を解放したから、隣の兵士の顔は粉砕された。
首から上がなくなり、血を噴き出しながら倒れ……事切れる。
「な、な、な……!? なぁぁっ!?」
一瞬の光景に葛葉は固まる。
勇者と同等の強さを持つホムンクルスの兵士が拳一つで顔を粉砕され、そのまま死んだからだ。
「なんで!? 何で無能が勇者と同等の強さを持つ兵士を一発で倒せるの!?」
「知らないだろうね、お前は。 暁斗君は勇者の素質がない代わりにこの世界の全てのジョブの素質を持ってるんだよ」
「それにね、一部のジョブ以外はほとんど極めてるんだよ……。 ガイアブルクに住んで冒険者としての経験も積んでいる私達から見ても、暁斗君は私達よりすっごく強いよ?」
信じられない光景に固まる葛間に、今度はひなたと由奈がここぞとばかりに奴にとって毒のある言葉を言い放つ。
アイリスもクリスタもやはりと言うか葛間にゴミを見るような目で見ている。
あ、胡桃とエミリーは……俺が馬鹿にされたと思っているのか目からハイライトが消えている……。
「これより貴様は、無能と罵ったアキト君の手で葬られることになる。 妾達はその様子をしかと見届けようぞ」
「く……、な、舐めないでよ……! 今のはまぐれ……」
そう言い切る前に、今度は別の兵士を蹴りで頭を吹き飛ばした。
現在、【格闘家】の素質を全開放しているから、蹴り一つでも頭が吹き飛ぶようになってる。
制御している場合は、最悪首の骨が折れる程度になるが。
「へ、あ、ああぁぁ……っ!!?」
今まで以上の信じられない光景を目にした葛葉は、絶叫を上げる。
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……!! 無能が……、あの無能が……っ!! 兵士二人をあっさりと殺せるわけがない……!! 夢だ……、これは夢なのよ……!!」
「現実を受け入れなよ、クソ担任」
受け入れたくない現実に頭を抱える葛間に、ひなたが威圧を込めて見つめる。
人間性も腐ってる担任だからな。 これが教員免許を持てる世の中なのが理解できないんだがね。
「さぁ、始めようか。 お前ら相手は俺だけで充分だ」
「ふっ、確かに今の彼ならあの弱小勇者を一人で仕留める事が可能だろう」
「そうじゃな。 時間も惜しいから早めに片付けてもらおうぞ」
「くっ、一斉突撃よ!!」
葛間の号令で、兵士たちは一斉に俺に襲い掛かる。
しかし、クレハ解放戦の時の兵士より精度が低い。
本当に俺一人でどうにかなりそうだ。
「げひゅ!?」
「ぐけっ!?」
「あわびゅ……!!?」
剣も魔法も使わず、拳と蹴りだけで兵士を次々と殺めていく。
気を使って心臓部を内部破壊したり、頭を粉砕したり……。
大技を使うまでもなくあっさりと50人のホムンクルス兵士を殲滅させた。
その後、【フレイムブラスト】で兵士を火葬した。
「いやぁ、本当にあっさりじゃとはのぅ……。 だが、気分爽快じゃ!」
「流石だな。 体術だけで50のホムンクルス兵士を殲滅させるとは。 やはり、ゲスーと比べたら大したことはないか」
シャルロット女王とクロウ中佐は、ホムンクルス兵士をあっさり全滅させた事に対するそれぞれの感想を述べていた。
中佐の方は軍人だからか、冷静な感想だなぁ。
「な、な、な……、兵士が……、あっさり……!?」
「さて、次はお前の番だ。 覚悟はできてるか?」
「な、なめるなぁぁぁぁっ!!」
葛間が怒りに身を任せたまま剣を持って俺に突撃してきた。
そして、首都正門の物陰から出てきたのは、俺達の元担任の女だった。
確か、葛間葛葉という名前だったか?
俺や由奈、そしてひなたにとっては悪印象を持つ女なのだ。
「無能だけでなく、裏切り者もいるとはねぇ。 脱走した二人を探していたけど丁度いいわ。 勇者の力で無能と裏切り者を始末してやるわ」
不快を与える笑みを浮かべ、葛間は罵ってきた。
俺は呆れの意味を込めてため息を吐く。
ひなたや由奈も葛間に対しゴミを見るような目で見ている。
「やれやれ、アキト君にそう言う貴様こそが無能ではないか?」
「何ですって……!?」
シャルロット女王が葛葉に挑発的な言葉を浴びせた。
葛間の表情が歪む。
「貴様が現れた時点で調べさせてもらったが、貴様の能力などアキト君と比べたら子犬も同然じゃよ」
「私がそこの無能より劣ってるって言うの!?」
「そうじゃ」
シャルロット女王はキッパリと俺よりも葛間の方が弱いと断言した。
当然、葛間は怒り心頭だった、
しかし、無能無能とうるさいな、あのクソ担任……。
「そもそも、貴様は勇者の素質を得たからと言って強くなった気でいるようだが……。 我々からすれば全力で倒すに値しないレベルで弱いぞ」
「な……!?」
クロウ中佐も葛間に挑発的に言葉を発してくる。
まぁ、彼はクレハ解放戦で知り合い、ゲスーとの戦いも直で見てはいなかったものの闘気で感じたのだろう。
それゆえの率直な感想なんだろうな。
そしてクロウ中佐が俺にアイコンタクトをしてきた。
遠慮なく潰しても構わない…というサインだった。
「ええい、どいつもこいつも……! 勇者の素質を持たない無能が私に勝てるとでも……」
葛間が言い終えるまでに俺は拳を隣のホムンクルス兵士の顔面に叩き込んだ。
全力で【格闘家】の素質を解放したから、隣の兵士の顔は粉砕された。
首から上がなくなり、血を噴き出しながら倒れ……事切れる。
「な、な、な……!? なぁぁっ!?」
一瞬の光景に葛葉は固まる。
勇者と同等の強さを持つホムンクルスの兵士が拳一つで顔を粉砕され、そのまま死んだからだ。
「なんで!? 何で無能が勇者と同等の強さを持つ兵士を一発で倒せるの!?」
「知らないだろうね、お前は。 暁斗君は勇者の素質がない代わりにこの世界の全てのジョブの素質を持ってるんだよ」
「それにね、一部のジョブ以外はほとんど極めてるんだよ……。 ガイアブルクに住んで冒険者としての経験も積んでいる私達から見ても、暁斗君は私達よりすっごく強いよ?」
信じられない光景に固まる葛間に、今度はひなたと由奈がここぞとばかりに奴にとって毒のある言葉を言い放つ。
アイリスもクリスタもやはりと言うか葛間にゴミを見るような目で見ている。
あ、胡桃とエミリーは……俺が馬鹿にされたと思っているのか目からハイライトが消えている……。
「これより貴様は、無能と罵ったアキト君の手で葬られることになる。 妾達はその様子をしかと見届けようぞ」
「く……、な、舐めないでよ……! 今のはまぐれ……」
そう言い切る前に、今度は別の兵士を蹴りで頭を吹き飛ばした。
現在、【格闘家】の素質を全開放しているから、蹴り一つでも頭が吹き飛ぶようになってる。
制御している場合は、最悪首の骨が折れる程度になるが。
「へ、あ、ああぁぁ……っ!!?」
今まで以上の信じられない光景を目にした葛葉は、絶叫を上げる。
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……!! 無能が……、あの無能が……っ!! 兵士二人をあっさりと殺せるわけがない……!! 夢だ……、これは夢なのよ……!!」
「現実を受け入れなよ、クソ担任」
受け入れたくない現実に頭を抱える葛間に、ひなたが威圧を込めて見つめる。
人間性も腐ってる担任だからな。 これが教員免許を持てる世の中なのが理解できないんだがね。
「さぁ、始めようか。 お前ら相手は俺だけで充分だ」
「ふっ、確かに今の彼ならあの弱小勇者を一人で仕留める事が可能だろう」
「そうじゃな。 時間も惜しいから早めに片付けてもらおうぞ」
「くっ、一斉突撃よ!!」
葛間の号令で、兵士たちは一斉に俺に襲い掛かる。
しかし、クレハ解放戦の時の兵士より精度が低い。
本当に俺一人でどうにかなりそうだ。
「げひゅ!?」
「ぐけっ!?」
「あわびゅ……!!?」
剣も魔法も使わず、拳と蹴りだけで兵士を次々と殺めていく。
気を使って心臓部を内部破壊したり、頭を粉砕したり……。
大技を使うまでもなくあっさりと50人のホムンクルス兵士を殲滅させた。
その後、【フレイムブラスト】で兵士を火葬した。
「いやぁ、本当にあっさりじゃとはのぅ……。 だが、気分爽快じゃ!」
「流石だな。 体術だけで50のホムンクルス兵士を殲滅させるとは。 やはり、ゲスーと比べたら大したことはないか」
シャルロット女王とクロウ中佐は、ホムンクルス兵士をあっさり全滅させた事に対するそれぞれの感想を述べていた。
中佐の方は軍人だからか、冷静な感想だなぁ。
「な、な、な……、兵士が……、あっさり……!?」
「さて、次はお前の番だ。 覚悟はできてるか?」
「な、なめるなぁぁぁぁっ!!」
葛間が怒りに身を任せたまま剣を持って俺に突撃してきた。
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