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第4章 異世界動乱編

68 クレハ解放戦その4~VSゲスー・オズワルド~

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 俺達がゲスー・オズワルドと相対した直後、奴の後ろから兵士が4人現れた。
 どうやら親衛隊のようだ。

「親衛隊、奴らを倒せ!」

 どうやら親衛隊を先にけしかけるつもりらしいな。
 だが、そうはさせない。

「何っ!?」

 親衛隊を踏み台にし、俺は速効でゲスーを捉える。

「親衛隊の兵士は我々に任せよ。 君はゲスーを倒せ!」

「合点承知!!」

 クロウ中佐やひなた達が、親衛隊を引き付けるため部屋から出ていく。
 密かに彼による威嚇射撃が行われていたようで、それに怒った親衛隊4人は彼らを追って部屋を出ていく。
 これで実質ゲスーとタイマンバトルだ。
 俺は親衛隊を踏み台にしてジャンプしたまま、剣を構え、技を放つ。

「烈風剣!!」

「うおおっ!!?」

 風の衝撃波を立て続けに解き放つ剣士の技。
 ゲスーは防御でなんとか凌いでいる。
 反応はいい方か。

「もう一丁……!!」

「させん! スワローテイル!!」

「うぉっと!?」

 ゲスーが今度は剣技で迎撃を試みた。
 いわゆるひなたの祖父に叩き込まれた技、『かもめ返し』のような対空技らしい。
 とっさに剣で防御をするが、その隙にゲスーが間合いを取った。
 そして、そのままゲスーが詠唱の準備をしていた。

「焼き殺す! 【カロリックノヴァ】!!」

 火の超級単体魔法をゲスーは唱えた。
 あの短時間でその魔法を使うとか、奴はかなりの実力者か。
 だが、建物内部で戦ってるので下手に回避はできない。
 イチかバチかで、気を拳に纏って俺に向かってくる強大な火の玉を……。

「うおおぉぉっ!!」

 拳でかき消そうと試みた。
 俺の拳が火の玉に触れた瞬間、気の力のおかげか火の玉が分散した。

「なにぃぃっ!?」

 自慢の魔法が拳でかき消された事に驚きを隠せないゲスー。
 だが、その隙に俺は奴の間近くまで間合いを詰め…。

「サイクロンアッパー!!」

「ごはぁぁっ!!」

 コークスクリューパンチと風の魔法を組み合わせた体術技でゲスーの顎を捉え、そのまま上方へと吹き飛ばした。
 多くの素質を極めたからこそ、ぶっつけ本番だがこういうやり方も出来るわけだ。
 アッパーが直撃したため、受け身を取ることが出来ずにそのまま地面に叩きつけられる。

「ご、ごふ……っ! き、貴様……」

 だが、それでも奴は……ゲスーは立ち上がる。
 やはり執念は奴の方が上か。
 だが、俺とて譲れないものがあるから、引き下がることはない。

「おおおぉぉーーっ!!」

「ぐ……!!」

 先にゲスーが剣を振り下ろしてきた。
 とっさだったので剣で防御するが、さっきより重い。
 渾身の一撃としての攻撃なのだろう。 流石に分が悪い。

「ふ……っ!」

 冷静にそのまま受け流す。
 ゲスーがそのままバランスを崩しかけるが、すぐに立て直し、魔法を放つ。

「【アイシクルランス】!!」

「ちぃっ! 【フレイムブラスト】!!」

 ゲスーが唱えた氷の魔法を、炎の魔法でかき消していく!
 そのままゲスーに襲い掛かるが……紙一重でジャンプされる。

「今だ! メテオキック!!」

 そのまま勢いをつけた蹴りを繰り出してくる。
 あいつ体術も使えるのか…。 
 しかも速いから避けられない!!
 ならば!

「なんのおぉぉぉっ!!」

 俺は『格闘家』の素質を全開にして、奴のメテオキックを受け止めた。

「何っ!? 馬鹿な……、くっ」

 片足を掴む形で受け止められたゲスーは、抜け出そうとしたが……俺の方が先にもう片方の足をも掴んで……。

「おりゃあぁぁぁぁっ!!」

「ぐわあぁぁぁぁっ!?」

 ジャイアントスイングを繰り出したのだ。
 徹底的にグルグルとぶん回した後、その勢いでゲスーを放り投げた。

「がふっ!!」

 そのまま壁に叩きつけられ、崩れ落ちるゲスー。

「ぐふっ、うぐぐ……」

 だが、流石にしぶとい。
 ここまでダメージを受けながらも立ち上がってくる。

「流石の執念だな。 それだけは見習いたいものだぜ」

「黙れ……! 何故貴様はここまで強いのだ……!」

「色々と経験を積んだから……それしか言えないな。 おかげで幾つかの牙を得たがな」

「なら……、俺も俺の赴くままに……、牙を剥かせてもらう!」

 ゲスーは剣を投げ捨て、体術の構えを取った。
 なら俺もそれに応じる事にしよう。
 俺も剣を投げ捨て、体術の構えを取る。

「ここからは殴り合いだな」

「ふんっ、そう言っていられるのも今の内だ」

 お互い構えを取ったままにらみ合っている。
 そして……。

「「うおぉぉぉぉぉっ!!」」

 お互いの咆哮と共に、俺とゲスーの拳が激突した。
 激突した直後に衝撃波が発生するほどに、お互いが強力は正拳突きを叩き込んだのだ。
 その時、ひなた達が入り口付近をしがみついて見ていた事に決着がつくまで気付かなかった…。


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