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24 幕間~その頃のフェリア~
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一方で、【シルトの町】から北にある【ノースノー】という町を拠点に冒険者活動をしているレクスの姉、フェリア・オルフェスはというと……。
「疲れたー……」
「フェリアさん、お疲れ様です」
「いや、だって今回のダンジョン、ボスの強さが情報と違ってたのよ」
「え?」
ギルドに愚痴を言いにやって来たフェリアは、今日のダンジョンでの出来事について受付嬢に話した。
今現在は、彼女はパーティーを組んでいるが、ダンジョンから帰って来たと同時に休ませて、自分はギルドに報告に来たのだ。
彼女も疲労具合が半端ないのだが、その原因がボスの強さがいつもと違うと言う事を告げたのだ。
それを聞いた受付嬢は目を丸くして驚いていた。
「あそこは見た目はいつものアリゲイターだったわ。 でも、火を吐くなんて聞いてないのよ」
「ええ!? 火を吐いたんですか!?」
「しかも広範囲の。 それで危うく壊滅しかけたの。 何とか立て直して倒したけど、魔力も体力も限界だったわ」
「そんな……」
「あー、フェリア嬢。 その事なんだがな……」
フェリアが言うボスの違いに驚きと恐怖が入り混じった状態で聞いていた受付嬢。
そこにギルドマスターが現れた。
「実は昨日、【シルト】のギルド経由でお前さんの父親から情報を得てな」
「お父さんから?」
ギルドマスターがいつの間にか聞き耳を立てていたのかは敢えて追及はせずに、フェリアはギルドマスターの話を耳に傾ける。
「シルト南西のダンジョンでもレクス君が強化されたコボルトと戦ったらしくてな。 その時に青い魔石のようなものを拾ったのだそうだ」
「青い魔石のようなもの……?」
「それを解析した結果だが、どうもあの国が関わってるんじゃないかという話が出てな」
「あの国……、もしやクアトラブル王国……!」
「ああ」
ギルドマスターの話から、レクスが戦ったコボルトがクアトラブル王国の仕込みで強化されたものだと説明を受けた。
フェリアもそれを聞いて驚きと怒りが湧いて来た。
「お前さん方パーティが戦ったアリゲイターも、もしかしたら奴らが作った魔石を仕込まれて強化したものだと思うんだ」
「それで……いつもと強さが違ってたのね。 でも、何で……」
「クアトラブル王国の王族は、世界は自分が管理すべきと言う思想を今だに抱えていてな。 その障害となる冒険者と【世界冒険者連盟】を排除しようとしているのだろう。 今回の仕込みはその実験とみていい」
「最低の発想ね」
クアトラブルの行動の原理をギルドマスターから聞かされたフェリアは、最低だと切り捨てた。
同時にさらなる怒りが湧いてきたようだ。
何せ、冒険者と【世界冒険者連盟】を壊滅しようと考えているのだから。
「今回の件でのお詫びの追加報酬は、お前さんのギルドハウスに運んでおく。 今回のアリゲイターの強さも共有しておこう」
「お願いします」
「あと、従来の報酬はひとまず先に渡しておく。 今は疲れた体を癒すんだ」
「ありがとうございます」
従来の報酬を渡され、さらにお詫びの報酬もギルドハウスに届けるという言質を聞いたフェリアは、お礼を言ってからギルドハウスに戻った。
(レクスの方でも起こっていたとはね……。 アリスちゃんやあの双子の子は無事なのかしら)
レクス達の心配をしながらギルドハウスに戻ったフェリアは、着替えを済ませてからベッドにダイブしてそのまま眠ったのだった。
「疲れたー……」
「フェリアさん、お疲れ様です」
「いや、だって今回のダンジョン、ボスの強さが情報と違ってたのよ」
「え?」
ギルドに愚痴を言いにやって来たフェリアは、今日のダンジョンでの出来事について受付嬢に話した。
今現在は、彼女はパーティーを組んでいるが、ダンジョンから帰って来たと同時に休ませて、自分はギルドに報告に来たのだ。
彼女も疲労具合が半端ないのだが、その原因がボスの強さがいつもと違うと言う事を告げたのだ。
それを聞いた受付嬢は目を丸くして驚いていた。
「あそこは見た目はいつものアリゲイターだったわ。 でも、火を吐くなんて聞いてないのよ」
「ええ!? 火を吐いたんですか!?」
「しかも広範囲の。 それで危うく壊滅しかけたの。 何とか立て直して倒したけど、魔力も体力も限界だったわ」
「そんな……」
「あー、フェリア嬢。 その事なんだがな……」
フェリアが言うボスの違いに驚きと恐怖が入り混じった状態で聞いていた受付嬢。
そこにギルドマスターが現れた。
「実は昨日、【シルト】のギルド経由でお前さんの父親から情報を得てな」
「お父さんから?」
ギルドマスターがいつの間にか聞き耳を立てていたのかは敢えて追及はせずに、フェリアはギルドマスターの話を耳に傾ける。
「シルト南西のダンジョンでもレクス君が強化されたコボルトと戦ったらしくてな。 その時に青い魔石のようなものを拾ったのだそうだ」
「青い魔石のようなもの……?」
「それを解析した結果だが、どうもあの国が関わってるんじゃないかという話が出てな」
「あの国……、もしやクアトラブル王国……!」
「ああ」
ギルドマスターの話から、レクスが戦ったコボルトがクアトラブル王国の仕込みで強化されたものだと説明を受けた。
フェリアもそれを聞いて驚きと怒りが湧いて来た。
「お前さん方パーティが戦ったアリゲイターも、もしかしたら奴らが作った魔石を仕込まれて強化したものだと思うんだ」
「それで……いつもと強さが違ってたのね。 でも、何で……」
「クアトラブル王国の王族は、世界は自分が管理すべきと言う思想を今だに抱えていてな。 その障害となる冒険者と【世界冒険者連盟】を排除しようとしているのだろう。 今回の仕込みはその実験とみていい」
「最低の発想ね」
クアトラブルの行動の原理をギルドマスターから聞かされたフェリアは、最低だと切り捨てた。
同時にさらなる怒りが湧いてきたようだ。
何せ、冒険者と【世界冒険者連盟】を壊滅しようと考えているのだから。
「今回の件でのお詫びの追加報酬は、お前さんのギルドハウスに運んでおく。 今回のアリゲイターの強さも共有しておこう」
「お願いします」
「あと、従来の報酬はひとまず先に渡しておく。 今は疲れた体を癒すんだ」
「ありがとうございます」
従来の報酬を渡され、さらにお詫びの報酬もギルドハウスに届けるという言質を聞いたフェリアは、お礼を言ってからギルドハウスに戻った。
(レクスの方でも起こっていたとはね……。 アリスちゃんやあの双子の子は無事なのかしら)
レクス達の心配をしながらギルドハウスに戻ったフェリアは、着替えを済ませてからベッドにダイブしてそのまま眠ったのだった。
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