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第2部 激戦編
第54話 ゼネア、再び
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『奴がフィールラスクスの機関部を攻撃したのか』
「そのようね。 しかし、あの機体は……」
『フフン、この【ディセンバー】があれば、あんた達に遅れは取らないわよ! 何たってあたしは選ばれし魔女だからね!』
『人の魔法を勝手に奪っておいてよく言うよ……!』
ゼネアが新型機の【ディセンバー】を引っ提げて戦艦フィールラスクスの機関部を攻撃して航行不能にしたので、私達は出撃した。
やはり、奴のあの性格や思考はは私達とは相容れない。
リーゼも、自身の魔法である【制作魔法】をゼネアに勝手にラーニングされた事に怒りを隠せていない。
『へぇ、リーゼもいたのね。 でも、あんたの【制作魔法】もあたしの為に使ってあげてるんだから感謝しなさい』
『お前ごときに感謝なんかしたくないな!』
『リーゼ嬢を怒らせるとか、相変わらず話が通じないな。 ルキア、いつでもアレを使えるようにしてるか?』
「ああ、アレね」
ゼネアはそんなリーゼに対しても挑発めいた発言をしているので、心底不快だ。
それを察したアルムも私にビーム兵器をいつでも使えるようにしているかと聞いた。
やはりというか、アルムもゼネアに対して鬱陶しいと思ってるみたいね。
『フン! 何が来ようとこの【ディセンバー】の敵ではないことを思い知らせてあげるわ!』
『随分な自信だね。 勝手にラーニングしたとはいえ不完全な【制作魔法】で作った物の敵ではないと言うのは随分と傲慢だな』
『だが、奴は戦艦の機関部分を攻撃して動けなくした。 少なくともそれが可能な強力な武器も作っているはずだ』
「ま、ビーム兵器を使える分、こっちが有利なんだけどね」
『まずはあんたからよ! 無能魔女!!』
「っと、早速私に牙を剥いて来たか! 耐電バリア展開!!」
自信満々にゼネアの新型の【ディセンバー】がサンダーランチャーを私に向けて撃ってきた。
だが、アパタイトの耐電バリアのおかげでサンダーランチャーによるダメージは軽微だ。
『なっ!? 何よそのバリアは!!』
「文字通り、あんたがさっき使ったサンダーランチャーに対抗する為の耐電バリアよ! 今度はこっちの番!!」
『ひいぃぃぃっ!!』
私は即座にビームライフルで反撃に転ずる。
ゼネアは避けようとしたが、避けきれずに【ディセンバー】の片腕部分が吹き飛んだ。
それを間近にみたゼネアは、またしても恐怖に怯えた悲鳴を上げる。
『おおっ、ビームライフルを初手で使うとは容赦ないね、ルキアは。 まぁ、不完全の【制作魔法】で作ったMGTでは、機動性はあれが限界かな?』
『なにおぅ!?』
『つまりこういう事だよ』
さらにその後にリーゼが【メイサックス】でゼネアの機体の脚部の間接部分を狙って殴った。
するといとも簡単に脚部が粉砕されたのだ。
『な……!?』
『ボクの【制作魔法】で作れるのはあくまでも【雛型】。 そこからは細かい作業をするための協力者が必要なんだ。 協力者がいてこそ初めて完成するんだよ』
『何言ってるの!! 協力者? 魔女にそんなのは必要ない!! 協力者に頼る事自体無能の証よ!!』
『違うな。 むしろ仲間を不要と断じるゼネアこそ無能だろう。 真の魔女は仲間を得てこそ得られるものだ。【雛型】を作り上げただけで完成だと思ってるお前とは違うのさ』
『五月蠅い五月蠅い五月蠅い!!』
リーゼが立て続けにメイス形態でゼネアの機体を殴り続ける。
彼女が言った通り、どうやらゼネアの機体自体が【雛型】に過ぎないようで関節部とかがかなり脆くなっているみたいだった。
やはり協力者なくして完成はあり得ないのだろう。
リーゼの【フォカロル】も雛型は自分が作ったが、整備員さんに協力して貰ってようやく完成したと言ってたし。
(さて、こっちも準備はできたわね)
そうしているうちに、私はビームライフルのチャージを完了させた。
今までより高い出力で放つから、周囲の被害を考えないといけないが、ゼネアを今度こそ確実に屠るのに手段は選んでいられない。
『あぐぅっ!!』
『よし、ルキア。 締めは任せるよ』
『念の為に、俺もライフルで奴を固めておこうか』
『な、何をするつもりなのよ』
リーゼに叩き落とされたゼネアは、その衝撃によるダメージを受けており、強気に出れないようだ。
ついでに恐怖に苛まれているみたいね。
「こうするつもりよ! ビームライフルを高出力で!!」
『ひっ、い、いやあぁぁぁぁっ!?』
私はゼネアの悲鳴と同時にビームライフルを撃った。
今までよりも極太のビームがゼネアを襲い、そのまま機体を直撃させる。
「あっ!」
『どうした?』
「ゼネアの奴、直撃寸前で転移で脱出してた……」
『うわぁ……。 そういう本能だけは一流だなぁ』
『機体は消滅してるんだがなぁ。 とにかくクラウド艦長に報告しようか。 今回の件で会談を切り上げて帰ってきてるはずだから』
「そうね」
今回もビームライフルの直撃寸前で、ゼネアは転移魔法で脱出したようだ。
機体はビーム兵器の威力で消滅したのだが、またしても逃げられた。
その手の生存本能の高さに、リーゼも呆れかえっていた。
ひとまず、アルムと共にクラウド艦長に報告しておこうと思う。
とはいえ、戦艦が動けなくされたのは痛手だなぁ……。
「そのようね。 しかし、あの機体は……」
『フフン、この【ディセンバー】があれば、あんた達に遅れは取らないわよ! 何たってあたしは選ばれし魔女だからね!』
『人の魔法を勝手に奪っておいてよく言うよ……!』
ゼネアが新型機の【ディセンバー】を引っ提げて戦艦フィールラスクスの機関部を攻撃して航行不能にしたので、私達は出撃した。
やはり、奴のあの性格や思考はは私達とは相容れない。
リーゼも、自身の魔法である【制作魔法】をゼネアに勝手にラーニングされた事に怒りを隠せていない。
『へぇ、リーゼもいたのね。 でも、あんたの【制作魔法】もあたしの為に使ってあげてるんだから感謝しなさい』
『お前ごときに感謝なんかしたくないな!』
『リーゼ嬢を怒らせるとか、相変わらず話が通じないな。 ルキア、いつでもアレを使えるようにしてるか?』
「ああ、アレね」
ゼネアはそんなリーゼに対しても挑発めいた発言をしているので、心底不快だ。
それを察したアルムも私にビーム兵器をいつでも使えるようにしているかと聞いた。
やはりというか、アルムもゼネアに対して鬱陶しいと思ってるみたいね。
『フン! 何が来ようとこの【ディセンバー】の敵ではないことを思い知らせてあげるわ!』
『随分な自信だね。 勝手にラーニングしたとはいえ不完全な【制作魔法】で作った物の敵ではないと言うのは随分と傲慢だな』
『だが、奴は戦艦の機関部分を攻撃して動けなくした。 少なくともそれが可能な強力な武器も作っているはずだ』
「ま、ビーム兵器を使える分、こっちが有利なんだけどね」
『まずはあんたからよ! 無能魔女!!』
「っと、早速私に牙を剥いて来たか! 耐電バリア展開!!」
自信満々にゼネアの新型の【ディセンバー】がサンダーランチャーを私に向けて撃ってきた。
だが、アパタイトの耐電バリアのおかげでサンダーランチャーによるダメージは軽微だ。
『なっ!? 何よそのバリアは!!』
「文字通り、あんたがさっき使ったサンダーランチャーに対抗する為の耐電バリアよ! 今度はこっちの番!!」
『ひいぃぃぃっ!!』
私は即座にビームライフルで反撃に転ずる。
ゼネアは避けようとしたが、避けきれずに【ディセンバー】の片腕部分が吹き飛んだ。
それを間近にみたゼネアは、またしても恐怖に怯えた悲鳴を上げる。
『おおっ、ビームライフルを初手で使うとは容赦ないね、ルキアは。 まぁ、不完全の【制作魔法】で作ったMGTでは、機動性はあれが限界かな?』
『なにおぅ!?』
『つまりこういう事だよ』
さらにその後にリーゼが【メイサックス】でゼネアの機体の脚部の間接部分を狙って殴った。
するといとも簡単に脚部が粉砕されたのだ。
『な……!?』
『ボクの【制作魔法】で作れるのはあくまでも【雛型】。 そこからは細かい作業をするための協力者が必要なんだ。 協力者がいてこそ初めて完成するんだよ』
『何言ってるの!! 協力者? 魔女にそんなのは必要ない!! 協力者に頼る事自体無能の証よ!!』
『違うな。 むしろ仲間を不要と断じるゼネアこそ無能だろう。 真の魔女は仲間を得てこそ得られるものだ。【雛型】を作り上げただけで完成だと思ってるお前とは違うのさ』
『五月蠅い五月蠅い五月蠅い!!』
リーゼが立て続けにメイス形態でゼネアの機体を殴り続ける。
彼女が言った通り、どうやらゼネアの機体自体が【雛型】に過ぎないようで関節部とかがかなり脆くなっているみたいだった。
やはり協力者なくして完成はあり得ないのだろう。
リーゼの【フォカロル】も雛型は自分が作ったが、整備員さんに協力して貰ってようやく完成したと言ってたし。
(さて、こっちも準備はできたわね)
そうしているうちに、私はビームライフルのチャージを完了させた。
今までより高い出力で放つから、周囲の被害を考えないといけないが、ゼネアを今度こそ確実に屠るのに手段は選んでいられない。
『あぐぅっ!!』
『よし、ルキア。 締めは任せるよ』
『念の為に、俺もライフルで奴を固めておこうか』
『な、何をするつもりなのよ』
リーゼに叩き落とされたゼネアは、その衝撃によるダメージを受けており、強気に出れないようだ。
ついでに恐怖に苛まれているみたいね。
「こうするつもりよ! ビームライフルを高出力で!!」
『ひっ、い、いやあぁぁぁぁっ!?』
私はゼネアの悲鳴と同時にビームライフルを撃った。
今までよりも極太のビームがゼネアを襲い、そのまま機体を直撃させる。
「あっ!」
『どうした?』
「ゼネアの奴、直撃寸前で転移で脱出してた……」
『うわぁ……。 そういう本能だけは一流だなぁ』
『機体は消滅してるんだがなぁ。 とにかくクラウド艦長に報告しようか。 今回の件で会談を切り上げて帰ってきてるはずだから』
「そうね」
今回もビームライフルの直撃寸前で、ゼネアは転移魔法で脱出したようだ。
機体はビーム兵器の威力で消滅したのだが、またしても逃げられた。
その手の生存本能の高さに、リーゼも呆れかえっていた。
ひとまず、アルムと共にクラウド艦長に報告しておこうと思う。
とはいえ、戦艦が動けなくされたのは痛手だなぁ……。
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