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第2部 激戦編
第46話 リーゼとの再会とこれからの予定
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「三番艦の中は、フィールラスクスと変わらないですね」
「ああ。 共通設計らしいからな。 ただ、武装面は違いを持たせてるみたいだが」
「確かに前方に巨大な先端がありましたね。 突撃用でしょうかね?」
「だろうなぁ……」
アウルシード王国で建造された三番艦【ヒルデガルド】に乗り込んだ私とアルム、そしてアルム小隊のみんなは、アウルシード王国の連合軍兵士に案内して貰いつつ、艦内の感想を述べながら目的の場所に向かっていた。
目的の場所とは【ヒルデガルド】のブリーフィングルーム。
そこに、アルム経由でアウルシード王国から聞いた人物が待っている。
「こちらです。 こちらの中で、彼女が待っています」
「分かりました。 行くぞルキア、みんな」
「はい」
アルムがドアを開けて先に入り、私やフェリア軍曹達も続けて入る。
「お待たせしました。 アルム小隊と【オリジネイター】……もといアパタイトを操縦するルキアさんをお連れしました」
「ご苦労様です。 リーゼさん来ましたよ」
「おっと、申し訳ないです」
「いままで製作に集中してたという事は、やっぱり貴方だったのね、リーゼ」
「おお、ルキア! やっぱりルキアじゃないか!!」
リーゼ・ハイマール。
緑色のボブカットに視力はいいのに見栄えの為に伊達眼鏡を掛けており、紺色のブレザー風に短めのプリーツスカートの上に白衣を着用した、自分の事をボクというボクっ娘魔女。
そんな彼女がアウルシード王国で建造された三番艦にて再会を果たした。
「そちらの方達がルキアが世話になっているという人達かい?」
「ええ、アルム小隊の人達よ」
「アルム小隊の隊長をしているアルム・クレスト大尉だ。 宜しく頼むよ」
「フェリア・イスマイール軍曹です」
「ミュリア・マクラーレン軍曹です。 宜しくお願いいたします」
「カロン・グレイセス軍曹だ」
「ザック・アルスター軍曹だ。 メインは整備班のリーダーだけど宜しく頼む」
「これはどうも。 リーゼ・ハイマールと言います。 ルキアが世話になっているようで」
「ルキアさんは私とは初対面でしたね。 ノクト・エル・アウルシードです。 第二王子兼【ヒルデガルド】の艦長を勤めます」
「あ、改めましてルキア・フィーブルです。 宜しくお願いします」
アルム小隊とリーゼの自己紹介を交え、私にはアウルシード王国の第二王子兼ヒルデガルドの艦長になったノクト王子と挨拶を交わした。
「それでリーゼも例の内乱の介入任務に参加するの?」
「ああ、ノクト王子経由で聞いた所だが、ボクの勘ではあの内乱は別の存在の仕業じゃないかって思ってるからね。 今の辺境伯が怪しいと思ってる」
「こっちには、全く攻めてきていない魔王軍かしら?」
「まだ確定していないからね。 ゼネアの可能性もあるし」
「ゼネアもこの世界に来ていたのは知っていたのね」
「まぁね。 ルキアを無能扱いにしているばかりで不快感を感じてたし、何よりボクの【制作魔法】を勝手にラーニングしたからね」
リーゼの【制作魔法】は、彼女が見初められた人のみに伝授されるのだが、ゼネアはそれが気に食わず、禁断のラーニングで彼女の【制作魔法】を勝手に会得した。
これに関してはあまり怒らないリーゼも流石にキレたからね。
「まぁ、話は戻すけど辺境の部隊と敵対をし始めたらこの魔道具を辺境伯にぶつけるさ」
「リーゼさん、それは?」
リーゼが辺境伯にぶつけると言いながら、紫色の弾丸を見せてきた。
変わった色の弾丸なので、ミュリア軍曹が聞いてきた。
「これはこの世界の反魔法効果を持った粉薬を借りて作った【アンチマギバレット】です。 これを辺境伯の足元に撃ち込んで、霧を発生させる事で掛かってる魔法の効果を消し去れます」
「その辺境伯に何らかの魔法の仕込みがあるかもという事ね? 私達の世界でも禁忌となった洗脳とか」
「そう。 それらの効果をこれで消すのさ。 ファイアバレットライフルだっけ? そいつにこの弾を詰め込んで撃てばいい」
「なるほど」
リーゼが作った【アンチマギバレット】。
ターゲットの足元に撃ち込めば、あらゆる魔法の効果を打ち消す霧を発生してターゲットを包み込ませるようだ。
作った数は見たところ4発分か。
「これらが成功した後で、辺境伯たちの説得をまず行います。 なお、説得に失敗し武力衝突が発生した場合はやむなく武力で止めざるおえないでしょう」
辺境伯になんらかの魔法的な仕掛けがある可能性も強いのでそれを打ち消した後で説得などを試みるという事らしい。
失敗した場合は、こちらも武力で止めるしかないとの事。
できるだけそれが無いように願いたいものだけどね……。
「目的地のフィーアクロイツまでもうすぐですが、帝国の邪魔もありえるでしょうからアルム小隊の方々は一旦フィールラスクスに帰還し、準備を進めてください。 他の部隊の方にもそうお伝えください」
「分かりました」
「もちろん、戦闘になったらボクも出るさ。 ようやく完成したボクのMGTもお披露目したいしね」
「リーゼらしいわね。 ここに来てからMGTを製作するなんて」
「オリジナルの【制作魔法】と細かい調整をしてくれた整備員さんのおかげさ。 まぁ、楽しみに待っててくれ」
「それじゃ、アルム小隊はフィールラスクスに戻ります」
「はい、お気をつけて」
一旦リーゼとノクト艦長と別れて私とアルム小隊のみんなはフィールラスクスに戻る。
もうすぐフィーアクロイツ共和国内に入るため、内乱をチャンスと見る帝国軍の邪魔が激しくなるからだ。
クラウド艦長やジョージ中尉やマイア王女、リュート中尉にも報告した後で、トイレに行った後で格納庫でアパタイトのチェックを行った。
さて、リーゼの予測が当たるかどうか、辺境の人たちとの衝突はもうすぐとなる……。
「ああ。 共通設計らしいからな。 ただ、武装面は違いを持たせてるみたいだが」
「確かに前方に巨大な先端がありましたね。 突撃用でしょうかね?」
「だろうなぁ……」
アウルシード王国で建造された三番艦【ヒルデガルド】に乗り込んだ私とアルム、そしてアルム小隊のみんなは、アウルシード王国の連合軍兵士に案内して貰いつつ、艦内の感想を述べながら目的の場所に向かっていた。
目的の場所とは【ヒルデガルド】のブリーフィングルーム。
そこに、アルム経由でアウルシード王国から聞いた人物が待っている。
「こちらです。 こちらの中で、彼女が待っています」
「分かりました。 行くぞルキア、みんな」
「はい」
アルムがドアを開けて先に入り、私やフェリア軍曹達も続けて入る。
「お待たせしました。 アルム小隊と【オリジネイター】……もといアパタイトを操縦するルキアさんをお連れしました」
「ご苦労様です。 リーゼさん来ましたよ」
「おっと、申し訳ないです」
「いままで製作に集中してたという事は、やっぱり貴方だったのね、リーゼ」
「おお、ルキア! やっぱりルキアじゃないか!!」
リーゼ・ハイマール。
緑色のボブカットに視力はいいのに見栄えの為に伊達眼鏡を掛けており、紺色のブレザー風に短めのプリーツスカートの上に白衣を着用した、自分の事をボクというボクっ娘魔女。
そんな彼女がアウルシード王国で建造された三番艦にて再会を果たした。
「そちらの方達がルキアが世話になっているという人達かい?」
「ええ、アルム小隊の人達よ」
「アルム小隊の隊長をしているアルム・クレスト大尉だ。 宜しく頼むよ」
「フェリア・イスマイール軍曹です」
「ミュリア・マクラーレン軍曹です。 宜しくお願いいたします」
「カロン・グレイセス軍曹だ」
「ザック・アルスター軍曹だ。 メインは整備班のリーダーだけど宜しく頼む」
「これはどうも。 リーゼ・ハイマールと言います。 ルキアが世話になっているようで」
「ルキアさんは私とは初対面でしたね。 ノクト・エル・アウルシードです。 第二王子兼【ヒルデガルド】の艦長を勤めます」
「あ、改めましてルキア・フィーブルです。 宜しくお願いします」
アルム小隊とリーゼの自己紹介を交え、私にはアウルシード王国の第二王子兼ヒルデガルドの艦長になったノクト王子と挨拶を交わした。
「それでリーゼも例の内乱の介入任務に参加するの?」
「ああ、ノクト王子経由で聞いた所だが、ボクの勘ではあの内乱は別の存在の仕業じゃないかって思ってるからね。 今の辺境伯が怪しいと思ってる」
「こっちには、全く攻めてきていない魔王軍かしら?」
「まだ確定していないからね。 ゼネアの可能性もあるし」
「ゼネアもこの世界に来ていたのは知っていたのね」
「まぁね。 ルキアを無能扱いにしているばかりで不快感を感じてたし、何よりボクの【制作魔法】を勝手にラーニングしたからね」
リーゼの【制作魔法】は、彼女が見初められた人のみに伝授されるのだが、ゼネアはそれが気に食わず、禁断のラーニングで彼女の【制作魔法】を勝手に会得した。
これに関してはあまり怒らないリーゼも流石にキレたからね。
「まぁ、話は戻すけど辺境の部隊と敵対をし始めたらこの魔道具を辺境伯にぶつけるさ」
「リーゼさん、それは?」
リーゼが辺境伯にぶつけると言いながら、紫色の弾丸を見せてきた。
変わった色の弾丸なので、ミュリア軍曹が聞いてきた。
「これはこの世界の反魔法効果を持った粉薬を借りて作った【アンチマギバレット】です。 これを辺境伯の足元に撃ち込んで、霧を発生させる事で掛かってる魔法の効果を消し去れます」
「その辺境伯に何らかの魔法の仕込みがあるかもという事ね? 私達の世界でも禁忌となった洗脳とか」
「そう。 それらの効果をこれで消すのさ。 ファイアバレットライフルだっけ? そいつにこの弾を詰め込んで撃てばいい」
「なるほど」
リーゼが作った【アンチマギバレット】。
ターゲットの足元に撃ち込めば、あらゆる魔法の効果を打ち消す霧を発生してターゲットを包み込ませるようだ。
作った数は見たところ4発分か。
「これらが成功した後で、辺境伯たちの説得をまず行います。 なお、説得に失敗し武力衝突が発生した場合はやむなく武力で止めざるおえないでしょう」
辺境伯になんらかの魔法的な仕掛けがある可能性も強いのでそれを打ち消した後で説得などを試みるという事らしい。
失敗した場合は、こちらも武力で止めるしかないとの事。
できるだけそれが無いように願いたいものだけどね……。
「目的地のフィーアクロイツまでもうすぐですが、帝国の邪魔もありえるでしょうからアルム小隊の方々は一旦フィールラスクスに帰還し、準備を進めてください。 他の部隊の方にもそうお伝えください」
「分かりました」
「もちろん、戦闘になったらボクも出るさ。 ようやく完成したボクのMGTもお披露目したいしね」
「リーゼらしいわね。 ここに来てからMGTを製作するなんて」
「オリジナルの【制作魔法】と細かい調整をしてくれた整備員さんのおかげさ。 まぁ、楽しみに待っててくれ」
「それじゃ、アルム小隊はフィールラスクスに戻ります」
「はい、お気をつけて」
一旦リーゼとノクト艦長と別れて私とアルム小隊のみんなはフィールラスクスに戻る。
もうすぐフィーアクロイツ共和国内に入るため、内乱をチャンスと見る帝国軍の邪魔が激しくなるからだ。
クラウド艦長やジョージ中尉やマイア王女、リュート中尉にも報告した後で、トイレに行った後で格納庫でアパタイトのチェックを行った。
さて、リーゼの予測が当たるかどうか、辺境の人たちとの衝突はもうすぐとなる……。
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