37 / 57
第2部 激戦編
第36話 アリシアとの再会
しおりを挟む
「ルキア……!」
「アリシア!」
ジョージ中尉の計らいで戦艦に乗り込んでいた私の世界での友人の魔女、アリシア・フェルディナンド。
彼女は私を見るや否やすぐにこちらに駆け寄り、そのまま私を抱き締める。
「よかった……! 私だけじゃなかった……! ルキアに会えた……!」
「私もよ。 まさか、アリシアがこの世界……【マナトピア】に飛ばされていたなんてね」
アリシアは今までの不安から解放された安堵によるものか、私に抱きついたまま泣いていた。
彼女は、私よりは優秀だがゼネアの考え方とは対立している。
性格的に大人しいのに、そこは大したものだと思っている。
「それで、ルキアはあの青い機体に乗って戦ってたの?」
「まぁね。 正確には、アパタイトが私をマスターに選んだって言うべきか。 本来の武器とか規格外の威力もちだから、汎用武器で何とかしてる」
「そうだったんだね。 大丈夫なの?」
「まぁ、アルム大尉やフェリア軍曹達が支えてくれてるからね。 アリシアはどうだったの?」
アリシアの扱いが少し気になったので、一応聞いてみた。
「私の場合は、基本的に単独で外出禁止だったからね。 基地内なら自由だけど、それ以外は顔を隠してかつ軍の人が同伴でだったから」
「共和国が一番帝国に近いからな。 下手して帝国に見つかったら即拉致されるからな。 故に連合軍に属している他国にも機密扱いとして非公開にする必要があったのさ」
「なるほどな」
アリシアの共和国内での扱いは、聞いた限りではあんまりな扱いだが、フィーアクロイツ共和国は、地理的にオライオン帝国に近い場所にあるため、帝国のスパイが共和国首都に入り込んでいる可能性があり、下手すれば私の身売り未遂みたいに、アリシアが帝国に拉致される可能性もあった。
機を熟すまで、他の連合軍に属している他国にも機密として非公開にせざるおえなかったのだ。
帝国に近い国だからこそ、アリシアの扱いは結構気にしていたのかも知れない。
それを打ち明けたジョージ中尉の話を聞いて、アルムも納得していた。
無論、私もだ。
「ただ、この世界に飛ばされたのは、私やアリシアだけではないみたい。 帝国にもいるみたいで、それがゼネアの可能性もあって……」
「あの魔女も……。 私達と考え方で相容れない上に、いつもルキアを見下していたわね」
「そうよ。 もし、ゼネアだった場合は帝国に属しているから確実に敵対すると思う」
「そうね。 私も許可が降りればゼネアを倒す為に私ルキアの手伝いをするよ」
「ありがとう、アリシア」
そして、別の話題……帝国に飛ばされたかもしれないゼネアの話をすると、アリシアも顔を歪めた。
やはり考え方でゼネアとは相容れないと断言した。
さらに、ゼネアと敵対するならアリシアも手伝いをしてくれると言った。
こういう時に、友人の存在はありがたい。
「なら、艦内にあるシミュレータールームで色々やってみて、アリシア嬢の合うMGTを探そう」
「お願いします、ジョージ中尉」
「じゃあ、私達は格納庫に行きます」
「時間があれば、シミュレータールームに来るさ」
「私もアリシアさんの実力が気になるしね」
「分かった。 時間があれば来てくれ。 あくまでもそちらの用事を優先にな」
そう言ってジョージ中尉がアリシアを連れてシミュレータールームに向かった。
私達も格納庫に足を運ぶ。
「そういえば、もう夜か……」
「基地破壊任務だったり、ミーティングだったり、アリシアとの話で盛り上がってたらいつの間にかですね」
「何日経ってたのかすら忘れてたわ……」
「戦艦防衛戦から慌ただしかったからな。 おそらく1日半は経ってるだろうな」
約1日半か。
時折仮眠も入ってたから、眠たいなんて事はないだろうけど、あまり実感が湧かないなぁ。
それだけ、ここまで慌ただしかったわけだけど。
「格納庫でザックが例のサンダーランチャーの改良が終わったらしいからな。 そこでフェリアとミュリアのどちらかに装備させるから二人でまず話し合ってくれ」
「分かりました」
「私はついでにアパ子に外付けの耐電バリアの進捗でも聞いてきますよ」
「ああ、頼む」
アルム、フェリア軍曹とそんな話をしているうちに格納庫に着いた。
そこにはザック軍曹とミュリア軍曹が待っていた。
ザック軍曹から改良されたサンダーランチャーについて説明をし、フェリア軍曹とミュリア軍曹で話し合った結果、ミュリア軍曹の機体に装備させることに決まった。
どうもフェリア軍曹に少しばかりトラウマが植え付けられているみたいだ。
あの威力を受けた上で、失禁してしまえばねぇ……。
その後、トイレに行ってからシミュレータールームに行き、アリシアの実力を見てから自分の部屋に入ってひと眠りに付いたのだった。
「アリシア!」
ジョージ中尉の計らいで戦艦に乗り込んでいた私の世界での友人の魔女、アリシア・フェルディナンド。
彼女は私を見るや否やすぐにこちらに駆け寄り、そのまま私を抱き締める。
「よかった……! 私だけじゃなかった……! ルキアに会えた……!」
「私もよ。 まさか、アリシアがこの世界……【マナトピア】に飛ばされていたなんてね」
アリシアは今までの不安から解放された安堵によるものか、私に抱きついたまま泣いていた。
彼女は、私よりは優秀だがゼネアの考え方とは対立している。
性格的に大人しいのに、そこは大したものだと思っている。
「それで、ルキアはあの青い機体に乗って戦ってたの?」
「まぁね。 正確には、アパタイトが私をマスターに選んだって言うべきか。 本来の武器とか規格外の威力もちだから、汎用武器で何とかしてる」
「そうだったんだね。 大丈夫なの?」
「まぁ、アルム大尉やフェリア軍曹達が支えてくれてるからね。 アリシアはどうだったの?」
アリシアの扱いが少し気になったので、一応聞いてみた。
「私の場合は、基本的に単独で外出禁止だったからね。 基地内なら自由だけど、それ以外は顔を隠してかつ軍の人が同伴でだったから」
「共和国が一番帝国に近いからな。 下手して帝国に見つかったら即拉致されるからな。 故に連合軍に属している他国にも機密扱いとして非公開にする必要があったのさ」
「なるほどな」
アリシアの共和国内での扱いは、聞いた限りではあんまりな扱いだが、フィーアクロイツ共和国は、地理的にオライオン帝国に近い場所にあるため、帝国のスパイが共和国首都に入り込んでいる可能性があり、下手すれば私の身売り未遂みたいに、アリシアが帝国に拉致される可能性もあった。
機を熟すまで、他の連合軍に属している他国にも機密として非公開にせざるおえなかったのだ。
帝国に近い国だからこそ、アリシアの扱いは結構気にしていたのかも知れない。
それを打ち明けたジョージ中尉の話を聞いて、アルムも納得していた。
無論、私もだ。
「ただ、この世界に飛ばされたのは、私やアリシアだけではないみたい。 帝国にもいるみたいで、それがゼネアの可能性もあって……」
「あの魔女も……。 私達と考え方で相容れない上に、いつもルキアを見下していたわね」
「そうよ。 もし、ゼネアだった場合は帝国に属しているから確実に敵対すると思う」
「そうね。 私も許可が降りればゼネアを倒す為に私ルキアの手伝いをするよ」
「ありがとう、アリシア」
そして、別の話題……帝国に飛ばされたかもしれないゼネアの話をすると、アリシアも顔を歪めた。
やはり考え方でゼネアとは相容れないと断言した。
さらに、ゼネアと敵対するならアリシアも手伝いをしてくれると言った。
こういう時に、友人の存在はありがたい。
「なら、艦内にあるシミュレータールームで色々やってみて、アリシア嬢の合うMGTを探そう」
「お願いします、ジョージ中尉」
「じゃあ、私達は格納庫に行きます」
「時間があれば、シミュレータールームに来るさ」
「私もアリシアさんの実力が気になるしね」
「分かった。 時間があれば来てくれ。 あくまでもそちらの用事を優先にな」
そう言ってジョージ中尉がアリシアを連れてシミュレータールームに向かった。
私達も格納庫に足を運ぶ。
「そういえば、もう夜か……」
「基地破壊任務だったり、ミーティングだったり、アリシアとの話で盛り上がってたらいつの間にかですね」
「何日経ってたのかすら忘れてたわ……」
「戦艦防衛戦から慌ただしかったからな。 おそらく1日半は経ってるだろうな」
約1日半か。
時折仮眠も入ってたから、眠たいなんて事はないだろうけど、あまり実感が湧かないなぁ。
それだけ、ここまで慌ただしかったわけだけど。
「格納庫でザックが例のサンダーランチャーの改良が終わったらしいからな。 そこでフェリアとミュリアのどちらかに装備させるから二人でまず話し合ってくれ」
「分かりました」
「私はついでにアパ子に外付けの耐電バリアの進捗でも聞いてきますよ」
「ああ、頼む」
アルム、フェリア軍曹とそんな話をしているうちに格納庫に着いた。
そこにはザック軍曹とミュリア軍曹が待っていた。
ザック軍曹から改良されたサンダーランチャーについて説明をし、フェリア軍曹とミュリア軍曹で話し合った結果、ミュリア軍曹の機体に装備させることに決まった。
どうもフェリア軍曹に少しばかりトラウマが植え付けられているみたいだ。
あの威力を受けた上で、失禁してしまえばねぇ……。
その後、トイレに行ってからシミュレータールームに行き、アリシアの実力を見てから自分の部屋に入ってひと眠りに付いたのだった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる