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第2部 激戦編

第36話 アリシアとの再会

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「ルキア……!」

「アリシア!」

 ジョージ中尉の計らいで戦艦に乗り込んでいた私の世界での友人の魔女、アリシア・フェルディナンド。
 彼女は私を見るや否やすぐにこちらに駆け寄り、そのまま私を抱き締める。

「よかった……! 私だけじゃなかった……! ルキアに会えた……!」

「私もよ。 まさか、アリシアがこの世界……【マナトピア】に飛ばされていたなんてね」

 アリシアは今までの不安から解放された安堵によるものか、私に抱きついたまま泣いていた。
 彼女は、私よりは優秀だがゼネアの考え方とは対立している。
 性格的に大人しいのに、そこは大したものだと思っている。

「それで、ルキアはあの青い機体に乗って戦ってたの?」

「まぁね。 正確には、アパタイトが私をマスターに選んだって言うべきか。 本来の武器とか規格外の威力もちだから、汎用武器で何とかしてる」

「そうだったんだね。 大丈夫なの?」

「まぁ、アルム大尉やフェリア軍曹達が支えてくれてるからね。 アリシアはどうだったの?」

 アリシアの扱いが少し気になったので、一応聞いてみた。

「私の場合は、基本的に単独で外出禁止だったからね。 基地内なら自由だけど、それ以外は顔を隠してかつ軍の人が同伴でだったから」

「共和国が一番帝国に近いからな。 下手して帝国に見つかったら即拉致されるからな。 故に連合軍に属している他国にも機密扱いとして非公開にする必要があったのさ」

「なるほどな」

 アリシアの共和国内での扱いは、聞いた限りではあんまりな扱いだが、フィーアクロイツ共和国は、地理的にオライオン帝国に近い場所にあるため、帝国のスパイが共和国首都に入り込んでいる可能性があり、下手すれば私の身売り未遂みたいに、アリシアが帝国に拉致される可能性もあった。
 機を熟すまで、他の連合軍に属している他国にも機密として非公開にせざるおえなかったのだ。
 帝国に近い国だからこそ、アリシアの扱いは結構気にしていたのかも知れない。
 それを打ち明けたジョージ中尉の話を聞いて、アルムも納得していた。
 無論、私もだ。

「ただ、この世界に飛ばされたのは、私やアリシアだけではないみたい。 帝国にもいるみたいで、それがゼネアの可能性もあって……」

「あの魔女も……。 私達と考え方で相容れない上に、いつもルキアを見下していたわね」

「そうよ。 もし、ゼネアだった場合は帝国に属しているから確実に敵対すると思う」

「そうね。 私も許可が降りればゼネアを倒す為に私ルキアの手伝いをするよ」

「ありがとう、アリシア」
 
 そして、別の話題……帝国に飛ばされたかもしれないゼネアの話をすると、アリシアも顔を歪めた。
 やはり考え方でゼネアとは相容れないと断言した。
 さらに、ゼネアと敵対するならアリシアも手伝いをしてくれると言った。
 こういう時に、友人の存在はありがたい。

「なら、艦内にあるシミュレータールームで色々やってみて、アリシア嬢の合うMGTを探そう」

「お願いします、ジョージ中尉」

「じゃあ、私達は格納庫に行きます」

「時間があれば、シミュレータールームに来るさ」

「私もアリシアさんの実力が気になるしね」

「分かった。 時間があれば来てくれ。 あくまでもそちらの用事を優先にな」

 そう言ってジョージ中尉がアリシアを連れてシミュレータールームに向かった。
 私達も格納庫に足を運ぶ。

「そういえば、もう夜か……」

「基地破壊任務だったり、ミーティングだったり、アリシアとの話で盛り上がってたらいつの間にかですね」

「何日経ってたのかすら忘れてたわ……」

「戦艦防衛戦から慌ただしかったからな。 おそらく1日半は経ってるだろうな」

 約1日半か。
 時折仮眠も入ってたから、眠たいなんて事はないだろうけど、あまり実感が湧かないなぁ。
 それだけ、ここまで慌ただしかったわけだけど。

「格納庫でザックが例のサンダーランチャーの改良が終わったらしいからな。 そこでフェリアとミュリアのどちらかに装備させるから二人でまず話し合ってくれ」

「分かりました」

「私はついでにアパ子に外付けの耐電バリアの進捗でも聞いてきますよ」

「ああ、頼む」

 アルム、フェリア軍曹とそんな話をしているうちに格納庫に着いた。
 そこにはザック軍曹とミュリア軍曹が待っていた。
 ザック軍曹から改良されたサンダーランチャーについて説明をし、フェリア軍曹とミュリア軍曹で話し合った結果、ミュリア軍曹の機体に装備させることに決まった。
 どうもフェリア軍曹に少しばかりトラウマが植え付けられているみたいだ。
 あの威力を受けた上で、失禁もらしてしまえばねぇ……。

 その後、トイレに行ってからシミュレータールームに行き、アリシアの実力を見てから自分の部屋に入ってひと眠りに付いたのだった。
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