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第2部 激戦編
第34話 ロゼッタ前線基地破壊作戦③
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『馬鹿な……!? サンダーランチャーを受けながら突っ込んで来るだと!?』
「生憎、こっちには耐電バリアがあるんでね!!」
『何だと……、ぐわぁっ!!』
私は耐電バリアを張りながら、サンダーランチャーの電撃を敢えて受けつつ、そのまま相手に突撃した。
仕掛けたのはタックルなので、不意に食らったシャックスはそのまま吹き飛んだ。
その際に、サンダーランチャーを手放したようで、私がそれを手に取る。
「こんなに小型なの? ランチャーと言うよりはピストルだっけ? そういう類みたいだけど」
『でも、大口径ですしライフルよりは範囲が広く放てますからね』
サンダーランチャーを手に取った私は、思った以上に小型なのにびっくりした。
どちらかというとアルムに密かに教えてもらったピストルという小型銃と言った方がしっくりくるレベル。
だが、アパ子曰く、大口径でかつ範囲が広いのでランチャーの類に分類されているようだ。
『くそっ、奪われるとは……!』
「どうやらこれが主武装みたいね。 おそらく他の武装の貧弱さを補っていたという事かしら?」
『か、返せぇぇぇぇっ!!』
シャックスに乗る操縦者の激昂の声を皮切りに、勢いよく突撃してくるが、さっきの私が仕掛けたタックルを直撃した影響か、機動性が失われている。
なので、目で見ていても回避は簡単に出来る。
「悪いけど、フェリア軍曹の痛みを数倍にして返すわ」
『ぐおおっ!!』
回避されバランスを失うシャックスの背後を容赦なくファイアバレットライフルで狙い撃つ。
後ろから撃たれたので、当然回避は出来ずに直撃、そのままうつ伏せに倒れる。
「さて、あんたが使ったこの武器で引導を渡すわよ」
『な、や、やめ……!!』
「さようなら……」
そして、私の魔力を流して無理やりチャージさせたサンダーランチャーをうつ伏せに倒れたシャックスに向けて容赦なく放った。
思った以上の高圧な電撃による眩しさに目を瞑ってしまうも、放たれた電撃はシャックスにしっかり向かって行く。
『ぐがああぁぁぁぁぁっ!!』
電撃を受けたシャックスの操縦者は悲鳴を上げる。
どうも、シャックス自体に耐電性能はなく、そのまま操縦者にも電撃がいったようだ。
暫く感電状態が続いたと思えば、電撃が止んだ瞬間動かなくなった。
『あれだけの電撃をマスターの魔力を無理やり込めて発射しましたからね。 中の操縦者も黒焦げになって死んでますね、これ』
「あんまり想像させないでよ。 とにかく後はフェリア軍曹の容態よ」
機体自体は少し焦げたようだが、コクピットにも入りこんだ電撃が操縦者を黒焦げにして絶命させたとアパ子が言うので、流石に想像してしまい吐き気を催す。
だが、今はフェリア軍曹の状態だ。
彼女も電撃を受けたので、心配なのだが……。
「こちらルキア、サンダーランチャーを持った機体は片付けました。 フェリア軍曹の容態は?」
『こちらミュリア。 フェリア軍曹は大丈夫です。 回復魔法で痛みも取り除きました』
「よかった……」
ミュリア軍曹からフェリア軍曹の無事を聞き、安堵する。
そこからさらにアルムからの通信も入る。
『ルキア、倒したのか。 こっちも無事に対処が終わった。 後、反対側から攻めに入った魔法少女部隊に向けられた敵機の殲滅及びジョージ中尉の部隊が基地の正面突破に成功、もうすぐ基地を爆破させるので撤退をしてくれと』
「爆破させるのですか?」
『そうらしい。 もちろん、中尉もすぐに撤退するようだ。 俺達も急いで撤退しないと爆発に巻き込まれる』
「分かりました。 フェリア軍曹は動けます?」
『今は動けます。 あと、少しだけプライベートモードに切り替えていただけます?』
「え、いいですけど」
フェリア軍曹も動けるようなので、安心して撤退が出来ると思えばプライベートモードに切り替えて欲しいと言われた。
少し疑問に思ったが、それを了承して聞いてみたところ、どうやら電撃を受けたショックで失禁してしまったようで、私の予備の服や下着を貸してほしいようだった。
まぁ、あんな高圧な電撃を受けたら命が無事でも……ねぇ。
とにかく安全な所まで撤退してから、フェリア軍曹が乗る【レッドシューター】とアパタイトを隣接させ、開けたハッチを足場にして予備の服と下着を渡す。
コクピット内は汚れていたので、一応応急的に掃除もしておいた。
私の服は基本的に可変仕様なので、着た人の体格に合わせてサイズが変わるはず。
「すみません、今回は私は何もできませんでしたし、ルキアさんに任せっきりでした」
「気にしないでください。 確かに厄介な相手でしたが、武器は奪っておきましたし」
「奪ったんですか!?」
「アパタイトの性能を活かしてタックルした際に武器を落としてくれたので、そのついでです」
「敵の武器で倒すなんで発想はなかったですよ」
服を着替え終わったフェリア軍曹は、申し訳なさそうな感じで謝って来た。
私は気にしないでいいと声を掛けるついでに、その際にサンダーランチャーを奪ってきたことを言うと、驚いていた。
どうも敵の武器を奪って倒すという発想はなかったようだ。
『そっちの用事は済んだか?』
おっと、そうしているとアルムから声を掛けられた。
「あ、終わりました」
「すみません、アルム大尉。 今回は私が足を引っ張って……」
『気にするな。 相手があんな厄介なものを携えていたんじゃな』
「そのサンダーランチャーですが、ルキアさんが戦いの最中に奪って、それで倒したようです」
『え!? 敵からサンダーランチャーを奪ったぁ!?』
あ、アルムも驚いている。
やっぱりその手の発想はなかったのか……。
『奪ったサンダーランチャーで止めを刺したか……。 ルキアの発想には驚くばかりだ。 とにかくその奪ったサンダーランチャーも持って帰ろう。 ミュリアかフェリアの強力な武器にもなり得るからな』
「了解」
サンダーランチャーを持って帰ろうと提案したアルムに了解の意を伝えた瞬間、前線基地があった場所から爆発が起こり、煙が上がっていく。
同時に魔法少女部隊やジョージ中尉の部隊【ブリューナク】がこっちに来た。
何機か損傷していたようだが、味方内の死者はでなかった模様。
こうしてロゼッタ前線基地の破壊作戦は成功を収めたのだった。
「生憎、こっちには耐電バリアがあるんでね!!」
『何だと……、ぐわぁっ!!』
私は耐電バリアを張りながら、サンダーランチャーの電撃を敢えて受けつつ、そのまま相手に突撃した。
仕掛けたのはタックルなので、不意に食らったシャックスはそのまま吹き飛んだ。
その際に、サンダーランチャーを手放したようで、私がそれを手に取る。
「こんなに小型なの? ランチャーと言うよりはピストルだっけ? そういう類みたいだけど」
『でも、大口径ですしライフルよりは範囲が広く放てますからね』
サンダーランチャーを手に取った私は、思った以上に小型なのにびっくりした。
どちらかというとアルムに密かに教えてもらったピストルという小型銃と言った方がしっくりくるレベル。
だが、アパ子曰く、大口径でかつ範囲が広いのでランチャーの類に分類されているようだ。
『くそっ、奪われるとは……!』
「どうやらこれが主武装みたいね。 おそらく他の武装の貧弱さを補っていたという事かしら?」
『か、返せぇぇぇぇっ!!』
シャックスに乗る操縦者の激昂の声を皮切りに、勢いよく突撃してくるが、さっきの私が仕掛けたタックルを直撃した影響か、機動性が失われている。
なので、目で見ていても回避は簡単に出来る。
「悪いけど、フェリア軍曹の痛みを数倍にして返すわ」
『ぐおおっ!!』
回避されバランスを失うシャックスの背後を容赦なくファイアバレットライフルで狙い撃つ。
後ろから撃たれたので、当然回避は出来ずに直撃、そのままうつ伏せに倒れる。
「さて、あんたが使ったこの武器で引導を渡すわよ」
『な、や、やめ……!!』
「さようなら……」
そして、私の魔力を流して無理やりチャージさせたサンダーランチャーをうつ伏せに倒れたシャックスに向けて容赦なく放った。
思った以上の高圧な電撃による眩しさに目を瞑ってしまうも、放たれた電撃はシャックスにしっかり向かって行く。
『ぐがああぁぁぁぁぁっ!!』
電撃を受けたシャックスの操縦者は悲鳴を上げる。
どうも、シャックス自体に耐電性能はなく、そのまま操縦者にも電撃がいったようだ。
暫く感電状態が続いたと思えば、電撃が止んだ瞬間動かなくなった。
『あれだけの電撃をマスターの魔力を無理やり込めて発射しましたからね。 中の操縦者も黒焦げになって死んでますね、これ』
「あんまり想像させないでよ。 とにかく後はフェリア軍曹の容態よ」
機体自体は少し焦げたようだが、コクピットにも入りこんだ電撃が操縦者を黒焦げにして絶命させたとアパ子が言うので、流石に想像してしまい吐き気を催す。
だが、今はフェリア軍曹の状態だ。
彼女も電撃を受けたので、心配なのだが……。
「こちらルキア、サンダーランチャーを持った機体は片付けました。 フェリア軍曹の容態は?」
『こちらミュリア。 フェリア軍曹は大丈夫です。 回復魔法で痛みも取り除きました』
「よかった……」
ミュリア軍曹からフェリア軍曹の無事を聞き、安堵する。
そこからさらにアルムからの通信も入る。
『ルキア、倒したのか。 こっちも無事に対処が終わった。 後、反対側から攻めに入った魔法少女部隊に向けられた敵機の殲滅及びジョージ中尉の部隊が基地の正面突破に成功、もうすぐ基地を爆破させるので撤退をしてくれと』
「爆破させるのですか?」
『そうらしい。 もちろん、中尉もすぐに撤退するようだ。 俺達も急いで撤退しないと爆発に巻き込まれる』
「分かりました。 フェリア軍曹は動けます?」
『今は動けます。 あと、少しだけプライベートモードに切り替えていただけます?』
「え、いいですけど」
フェリア軍曹も動けるようなので、安心して撤退が出来ると思えばプライベートモードに切り替えて欲しいと言われた。
少し疑問に思ったが、それを了承して聞いてみたところ、どうやら電撃を受けたショックで失禁してしまったようで、私の予備の服や下着を貸してほしいようだった。
まぁ、あんな高圧な電撃を受けたら命が無事でも……ねぇ。
とにかく安全な所まで撤退してから、フェリア軍曹が乗る【レッドシューター】とアパタイトを隣接させ、開けたハッチを足場にして予備の服と下着を渡す。
コクピット内は汚れていたので、一応応急的に掃除もしておいた。
私の服は基本的に可変仕様なので、着た人の体格に合わせてサイズが変わるはず。
「すみません、今回は私は何もできませんでしたし、ルキアさんに任せっきりでした」
「気にしないでください。 確かに厄介な相手でしたが、武器は奪っておきましたし」
「奪ったんですか!?」
「アパタイトの性能を活かしてタックルした際に武器を落としてくれたので、そのついでです」
「敵の武器で倒すなんで発想はなかったですよ」
服を着替え終わったフェリア軍曹は、申し訳なさそうな感じで謝って来た。
私は気にしないでいいと声を掛けるついでに、その際にサンダーランチャーを奪ってきたことを言うと、驚いていた。
どうも敵の武器を奪って倒すという発想はなかったようだ。
『そっちの用事は済んだか?』
おっと、そうしているとアルムから声を掛けられた。
「あ、終わりました」
「すみません、アルム大尉。 今回は私が足を引っ張って……」
『気にするな。 相手があんな厄介なものを携えていたんじゃな』
「そのサンダーランチャーですが、ルキアさんが戦いの最中に奪って、それで倒したようです」
『え!? 敵からサンダーランチャーを奪ったぁ!?』
あ、アルムも驚いている。
やっぱりその手の発想はなかったのか……。
『奪ったサンダーランチャーで止めを刺したか……。 ルキアの発想には驚くばかりだ。 とにかくその奪ったサンダーランチャーも持って帰ろう。 ミュリアかフェリアの強力な武器にもなり得るからな』
「了解」
サンダーランチャーを持って帰ろうと提案したアルムに了解の意を伝えた瞬間、前線基地があった場所から爆発が起こり、煙が上がっていく。
同時に魔法少女部隊やジョージ中尉の部隊【ブリューナク】がこっちに来た。
何機か損傷していたようだが、味方内の死者はでなかった模様。
こうしてロゼッタ前線基地の破壊作戦は成功を収めたのだった。
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