77 / 102
柚希ちゃんとお節料理
しおりを挟む
「「「「いただきまーす」」」」
柚希ちゃんや静香、轟姉妹の元気いっぱいな挨拶の声を聴きながら、俺の作ったお節料理を食する。
「しっかし、お前が作ったお節、楠家顔負けの豪華さじゃないか」
「まぁ、母さんが去年まで作ったお節を参考にして作ったからな。 特に今年は柚希ちゃんと一緒だし」
「ストレートに言うなぁ。 まぁ、俺も静香ちゃんと一緒だしな」
俺が作ったお節料理のクオリティに困惑しながらも和人は豆料理を食べる。
元々、お節料理は『祝い肴』、『焼き肴』、『酢の物』、『煮しめ』で構成されているのだとか。
俺作成のお節は三段重だが、それでも柚希ちゃんとかはかなり美味しそうな笑顔で食べている。
ちなみに、祝い肴の一つを関東風の田作りにしているが、どうも関西風はたたきごぼうらしい。
「ん~、この伊達巻が美味しいのです。 甘くてふわふわなのです」
「柚希ちゃんのとこ、お節料理はどんなのなんだ?」
「ほとんど西洋の料理なのです。 なので、こういった和風なお節は食べたことがないのです」
「海外に展開しているグループ企業が多いせいでな。 日本のお節が受け入れられない人たちが楠グループの社員に多いんだよ」
「ああ、なるほど……」
楠家が西洋の料理にしているのは、そういう理由があったのか。
日本の料理を好む外国の人も沢山いるだろうが、そうでない人もいるのが難しいところだなぁ。
「あ、この数の子もおいしいです」
「うん。 紅白かまぼこもなかなかの美味ですよ」
「お兄ちゃんは料理人目指したほうがいいんじゃない?」
「料理は趣味で作ってるから、下手な事はしないさ」
「もったいないなぁ」
轟姉妹もおいしそうにお節を食べている様子を見て、静香は俺に料理人を目指したらと言ってきた。
だが、俺の料理は趣味で作っているので、下手な事はしない。
他の料理人たちに癇癪を起されるのも嫌だしな。
「そういえば、静香たちの学校は7日のあの祭りがあったろ」
「ああ、『七草祭』だね。 冬の小さな学園祭で、隣町の長月中と共同実施の……」
「ああ、そうだ。 去年は長月中が開催場所だったし、今年は葉月中が開催場所なんだろう?」
そして話を変えて、俺は静香にある事を話した。
毎年7日に葉月中と隣町の長月中が共同で行う冬の学園祭、『七草祭』の事だ。
共同開催なので、開催場所は葉月中と長月中で交代制となっている。
「それがですね……」
その話を聞いた静香が少し落胆したような顔をしていたので何事かと思ったら、柚希ちゃんが代わりに話そうとした。
そして、その内容が信じられない内容だったのだ。
「『七草祭』は、しばらく中止するみたいなのです」
「え、中止!?」
柚希ちゃんから聞いた七草祭の中止。
それを聞いた俺は、信じられないという感じで驚いてしまった。
柚希ちゃんや静香、轟姉妹の元気いっぱいな挨拶の声を聴きながら、俺の作ったお節料理を食する。
「しっかし、お前が作ったお節、楠家顔負けの豪華さじゃないか」
「まぁ、母さんが去年まで作ったお節を参考にして作ったからな。 特に今年は柚希ちゃんと一緒だし」
「ストレートに言うなぁ。 まぁ、俺も静香ちゃんと一緒だしな」
俺が作ったお節料理のクオリティに困惑しながらも和人は豆料理を食べる。
元々、お節料理は『祝い肴』、『焼き肴』、『酢の物』、『煮しめ』で構成されているのだとか。
俺作成のお節は三段重だが、それでも柚希ちゃんとかはかなり美味しそうな笑顔で食べている。
ちなみに、祝い肴の一つを関東風の田作りにしているが、どうも関西風はたたきごぼうらしい。
「ん~、この伊達巻が美味しいのです。 甘くてふわふわなのです」
「柚希ちゃんのとこ、お節料理はどんなのなんだ?」
「ほとんど西洋の料理なのです。 なので、こういった和風なお節は食べたことがないのです」
「海外に展開しているグループ企業が多いせいでな。 日本のお節が受け入れられない人たちが楠グループの社員に多いんだよ」
「ああ、なるほど……」
楠家が西洋の料理にしているのは、そういう理由があったのか。
日本の料理を好む外国の人も沢山いるだろうが、そうでない人もいるのが難しいところだなぁ。
「あ、この数の子もおいしいです」
「うん。 紅白かまぼこもなかなかの美味ですよ」
「お兄ちゃんは料理人目指したほうがいいんじゃない?」
「料理は趣味で作ってるから、下手な事はしないさ」
「もったいないなぁ」
轟姉妹もおいしそうにお節を食べている様子を見て、静香は俺に料理人を目指したらと言ってきた。
だが、俺の料理は趣味で作っているので、下手な事はしない。
他の料理人たちに癇癪を起されるのも嫌だしな。
「そういえば、静香たちの学校は7日のあの祭りがあったろ」
「ああ、『七草祭』だね。 冬の小さな学園祭で、隣町の長月中と共同実施の……」
「ああ、そうだ。 去年は長月中が開催場所だったし、今年は葉月中が開催場所なんだろう?」
そして話を変えて、俺は静香にある事を話した。
毎年7日に葉月中と隣町の長月中が共同で行う冬の学園祭、『七草祭』の事だ。
共同開催なので、開催場所は葉月中と長月中で交代制となっている。
「それがですね……」
その話を聞いた静香が少し落胆したような顔をしていたので何事かと思ったら、柚希ちゃんが代わりに話そうとした。
そして、その内容が信じられない内容だったのだ。
「『七草祭』は、しばらく中止するみたいなのです」
「え、中止!?」
柚希ちゃんから聞いた七草祭の中止。
それを聞いた俺は、信じられないという感じで驚いてしまった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【実話】高1の夏休み、海の家のアルバイトはイケメンパラダイスでした☆
Rua*°
恋愛
高校1年の夏休みに、友達の彼氏の紹介で、海の家でアルバイトをすることになった筆者の実話体験談を、当時の日記を見返しながら事細かに綴っています。
高校生活では、『特別進学コースの選抜クラス』で、毎日勉強の日々で、クラスにイケメンもひとりもいない状態。ハイスペックイケメン好きの私は、これではモチベーションを保てなかった。
つまらなすぎる毎日から脱却を図り、部活動ではバスケ部マネージャーになってみたが、意地悪な先輩と反りが合わず、夏休み前に退部することに。
夏休みこそは、楽しく、イケメンに囲まれた、充実した高校生ライフを送ろう!そう誓った筆者は、海の家でバイトをする事に。
そこには女子は私1人。逆ハーレム状態。高校のミスターコンテスト優勝者のイケメンくんや、サーフ雑誌に載ってるイケメンくん、中学時代の憧れの男子と過ごしたひと夏の思い出を綴ります…。
バスケ部時代のお話はコチラ⬇
◇【実話】高1バスケ部マネ時代、個性的イケメンキャプテンにストーキングされたり集団で囲まれたり色々あったけどやっぱり退部を選択しました◇
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる