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柚希ちゃんとデート その5
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食事を終えて、次に向かった場所は三階の女性服売り場だ。
構造的には、真ん中にショッピングセンター直営の服売り場を設置し、周りはブランド物の専門店がたくさん営業している。
ブランド物は、人によって好き嫌いがあるので、選択肢はある方がいいだろうな。
だが、柚希ちゃんはブランド物には目もくれず、ショッピングセンター直営の服売り場にて服を選んでいた。
「ブランド物よりも、こういうシンプルな服が好きなのです」
「そういや和人もだったな。 あまりブランド物を好まないらしいし」
「重要なイベントなら、それなりの衣装を着る必要があるのですけど…」
そう言いながら、柚希ちゃんは服を真剣に選んでいる。 やはり、俺に見てもらいたいのだろうか?
まぁ、柚希ちゃんは何を着ても可愛いから見てしまうけど。
「よし、これにするのです!」
そうして柚希ちゃんが選んだ最初の衣装は、上はフリル付きの白いブラウス。 下は紺色の少し丈が長いスカートだ。
彼女は、その衣装を持って近くの試着室に入った。 カーテンを閉めて、彼女はすぐに着替える。
衣擦れの音を聴きながら、最初の衣装の試着が終わるのを待った。 そして、カーテンが開いた。
「じゃーん!」
意気揚々と、白いフリルブラウスと紺色のスカートに身を纏った柚希ちゃん。
(ああ…、やっぱり可愛い…)
そんな彼女の姿に見惚れた俺は、柚希ちゃんの可愛さにしばらく言葉が出ず、じっとその姿を見つめていた。
「おーい、真人お兄ちゃーん?」
見惚れていた俺の前に、柚希ちゃんが手を上下に軽く降りながら俺を呼んでいた。
「あ、ああ、ごめん。 可愛くて似合ってるから見惚れてたよ」
キョトンとしながら俺を見ていたので、俺は正直に答えた。 柚希ちゃんが可愛いのは、間違ってないしね。
「ありがとうなのです♪ じゃあ、この衣装にするのです」
誉められて、ご機嫌な柚希ちゃんは今試着している衣装に決めたようだ。 即決だったなぁ…。
レジに持っていき、服のお金は二人で半々に出し合った。 俺が払おうとしたが…。
「食事の時やあの時も真人お兄ちゃんに出して貰ってるし、これ以上出して貰うのは申し訳なさでいっぱいなのです」
柚希ちゃんにそう言われたが、柚希ちゃんに負担掛けさせたくなかった。 結局、彼女も半分出すことで妥協した。
「えへへ、いい買い物をしたのです♪」
「それは良かったよ。 しかし、あっという間だったよなぁ」
「はいです。 真人お兄ちゃんと一緒に居ると時間が経つのが早いのです。 でも、かなり充実してるのです」
「ああ、俺もだよ。 柚希ちゃんといる時間が一番充実してるからね」
「えへへ…♪」
一度フラれる前のデートなんかは、思い返して見ればあまり充実してなかった。 柚希ちゃんとのデートみたいに楽しめなかったのかも知れないな。
それだけ、柚希ちゃんの存在が俺にとって大切な存在になっているのだろう。
プールの時もそうだが、彼女は優しさも溢れてるからな…。
「真人お兄ちゃんのお家まで一緒に帰るのです」
「分かりましたよ、お姫様」
柚希ちゃんが俺の家まで一緒に帰ると言ったので、俺もそれに応える。
再び手を繋ぐと感じる彼女の温もり。 俺はそれを噛みしめて帰宅する。 おそらく、車が俺の家の前に止めるように設定しているのだろうが…。
そんなわけで、俺と柚希ちゃんのショッピングデートは、充実した形で終わりを告げたのだ…。
構造的には、真ん中にショッピングセンター直営の服売り場を設置し、周りはブランド物の専門店がたくさん営業している。
ブランド物は、人によって好き嫌いがあるので、選択肢はある方がいいだろうな。
だが、柚希ちゃんはブランド物には目もくれず、ショッピングセンター直営の服売り場にて服を選んでいた。
「ブランド物よりも、こういうシンプルな服が好きなのです」
「そういや和人もだったな。 あまりブランド物を好まないらしいし」
「重要なイベントなら、それなりの衣装を着る必要があるのですけど…」
そう言いながら、柚希ちゃんは服を真剣に選んでいる。 やはり、俺に見てもらいたいのだろうか?
まぁ、柚希ちゃんは何を着ても可愛いから見てしまうけど。
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そうして柚希ちゃんが選んだ最初の衣装は、上はフリル付きの白いブラウス。 下は紺色の少し丈が長いスカートだ。
彼女は、その衣装を持って近くの試着室に入った。 カーテンを閉めて、彼女はすぐに着替える。
衣擦れの音を聴きながら、最初の衣装の試着が終わるのを待った。 そして、カーテンが開いた。
「じゃーん!」
意気揚々と、白いフリルブラウスと紺色のスカートに身を纏った柚希ちゃん。
(ああ…、やっぱり可愛い…)
そんな彼女の姿に見惚れた俺は、柚希ちゃんの可愛さにしばらく言葉が出ず、じっとその姿を見つめていた。
「おーい、真人お兄ちゃーん?」
見惚れていた俺の前に、柚希ちゃんが手を上下に軽く降りながら俺を呼んでいた。
「あ、ああ、ごめん。 可愛くて似合ってるから見惚れてたよ」
キョトンとしながら俺を見ていたので、俺は正直に答えた。 柚希ちゃんが可愛いのは、間違ってないしね。
「ありがとうなのです♪ じゃあ、この衣装にするのです」
誉められて、ご機嫌な柚希ちゃんは今試着している衣装に決めたようだ。 即決だったなぁ…。
レジに持っていき、服のお金は二人で半々に出し合った。 俺が払おうとしたが…。
「食事の時やあの時も真人お兄ちゃんに出して貰ってるし、これ以上出して貰うのは申し訳なさでいっぱいなのです」
柚希ちゃんにそう言われたが、柚希ちゃんに負担掛けさせたくなかった。 結局、彼女も半分出すことで妥協した。
「えへへ、いい買い物をしたのです♪」
「それは良かったよ。 しかし、あっという間だったよなぁ」
「はいです。 真人お兄ちゃんと一緒に居ると時間が経つのが早いのです。 でも、かなり充実してるのです」
「ああ、俺もだよ。 柚希ちゃんといる時間が一番充実してるからね」
「えへへ…♪」
一度フラれる前のデートなんかは、思い返して見ればあまり充実してなかった。 柚希ちゃんとのデートみたいに楽しめなかったのかも知れないな。
それだけ、柚希ちゃんの存在が俺にとって大切な存在になっているのだろう。
プールの時もそうだが、彼女は優しさも溢れてるからな…。
「真人お兄ちゃんのお家まで一緒に帰るのです」
「分かりましたよ、お姫様」
柚希ちゃんが俺の家まで一緒に帰ると言ったので、俺もそれに応える。
再び手を繋ぐと感じる彼女の温もり。 俺はそれを噛みしめて帰宅する。 おそらく、車が俺の家の前に止めるように設定しているのだろうが…。
そんなわけで、俺と柚希ちゃんのショッピングデートは、充実した形で終わりを告げたのだ…。
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