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和人から聞かされた事実
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「そうか、柚希から聞いたか。 まぁ、柚希にも知る必要があるから伝えたがな」
「でも、あの子はそれでも支えたいと言ってくれたからな。 俺としてはありがたいよ」
柚希ちゃんとのデートが終わって三日後、俺の家に来た和人とその時に知ったあの件について話をするところだった。
あの嘘告白系の件は、柚希ちゃんが伝えてくれたが、和人にも確認を取っておきたいので向こうから来てくれて丁度良かった。
「それで、確認するがあのクソ母娘が関わってるんだな?」
「そうだ。 お前の生存が気にくわなかったらしいから、弱みを握ったあるスタッフの娘を使って心を削ったんだろうな」
「弱み?」
弱みを握ったという言葉に何故か引っかかりを感じたので、聞き返した。
「何でも、あのクソ母娘に借金をしていたらしい」
「マジか…。 まぁ、あの時の件でものらりくらりと躱して何事もなかったようにする奴らだからな」
振られた相手の親が、あのクソ母娘から借金をしていたという事実に何とも言えない感じがした。 だが、あの母娘ならやりかねない。
「聞けば聞くほど、あいつらの狡猾さが浮かび上がるな…。 だから平気でアイドルなんかも出来るわけか」
「それだけじゃないぞ」
「どういう事だ?」
和人からあの母娘の件を色々と聞いたが、それだけじゃないというらしく、どういう事なんだろうと再び聞き返す。
「お前とあの姉…実は血が繋がってないんだよ」
「…は!?」
まさかの事実に開いた口が塞がらない。 俺とあの姉とは血が繋がってない? どういう事なんだ?
「元々あの母親は色々あってな、それを矯正させるために拒否権なしのお見合いで結婚したようだ」
「拒否権なしか…。 いつの時代だよ」
「俺もそう思ったさ。 そうしないといけない問題があったのは確かだ」
お見合い結婚で俺を産んだとか、問題ありまくりだな。 父さんも当時は家のしたきりとかで苦労したんだろうな。
「しかもだ。 お前の元母は、女の子が欲しかったようでな。 男だったら中絶しようとしていたらしい。 二つの親族から止められたが」
「おいおい…」
どう考えても元母の考えがおかしく感じる。
「お前を産んだ後、育児を父に丸投げして、自分は養女を求めて施設に行き来していたそうだ」
そこまで俺を嫌っていたのか…。 最悪だな、元母は。
「それでようやく手にした義理の娘を可愛がったそうだ。 別のマンションを購入して隣に事務所を作る位にな」
そして、俺を捨てた…と。
そこで死んでたら完璧だったんだろうが、俺はこうして生きているから気にくわないとか…なんて奴らだ。
「とにかく、今後はお前を直接狙ってくる可能性が強い。 親父が色々と根回ししてお前を守るようにするからそこは安心して欲しい」
「分かった。 あいつらを社会的に駆逐できればいい。 頼むよ」
「ああ…!」
俺は和人に改めて狡猾な奴らをどうにかするように頼んだ。
今、俺が出来ることは限られる。 こういう時は人に頼るしかないからな。 強いて言えば、何事もないように振舞って普通に生活する事くらいだ。
「でも、あの子はそれでも支えたいと言ってくれたからな。 俺としてはありがたいよ」
柚希ちゃんとのデートが終わって三日後、俺の家に来た和人とその時に知ったあの件について話をするところだった。
あの嘘告白系の件は、柚希ちゃんが伝えてくれたが、和人にも確認を取っておきたいので向こうから来てくれて丁度良かった。
「それで、確認するがあのクソ母娘が関わってるんだな?」
「そうだ。 お前の生存が気にくわなかったらしいから、弱みを握ったあるスタッフの娘を使って心を削ったんだろうな」
「弱み?」
弱みを握ったという言葉に何故か引っかかりを感じたので、聞き返した。
「何でも、あのクソ母娘に借金をしていたらしい」
「マジか…。 まぁ、あの時の件でものらりくらりと躱して何事もなかったようにする奴らだからな」
振られた相手の親が、あのクソ母娘から借金をしていたという事実に何とも言えない感じがした。 だが、あの母娘ならやりかねない。
「聞けば聞くほど、あいつらの狡猾さが浮かび上がるな…。 だから平気でアイドルなんかも出来るわけか」
「それだけじゃないぞ」
「どういう事だ?」
和人からあの母娘の件を色々と聞いたが、それだけじゃないというらしく、どういう事なんだろうと再び聞き返す。
「お前とあの姉…実は血が繋がってないんだよ」
「…は!?」
まさかの事実に開いた口が塞がらない。 俺とあの姉とは血が繋がってない? どういう事なんだ?
「元々あの母親は色々あってな、それを矯正させるために拒否権なしのお見合いで結婚したようだ」
「拒否権なしか…。 いつの時代だよ」
「俺もそう思ったさ。 そうしないといけない問題があったのは確かだ」
お見合い結婚で俺を産んだとか、問題ありまくりだな。 父さんも当時は家のしたきりとかで苦労したんだろうな。
「しかもだ。 お前の元母は、女の子が欲しかったようでな。 男だったら中絶しようとしていたらしい。 二つの親族から止められたが」
「おいおい…」
どう考えても元母の考えがおかしく感じる。
「お前を産んだ後、育児を父に丸投げして、自分は養女を求めて施設に行き来していたそうだ」
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「それでようやく手にした義理の娘を可愛がったそうだ。 別のマンションを購入して隣に事務所を作る位にな」
そして、俺を捨てた…と。
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「分かった。 あいつらを社会的に駆逐できればいい。 頼むよ」
「ああ…!」
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今、俺が出来ることは限られる。 こういう時は人に頼るしかないからな。 強いて言えば、何事もないように振舞って普通に生活する事くらいだ。
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