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◆chapter1◆幼少時代編

パパの親友の子供② 

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「良かった……!」

 たくさんアメジスト兄上に遊んでもらったことで大満足した俺は、無事に二足歩行のヒト型に戻ることが出来た。ポメ化したまま紹介されるのだけは避けることができて、ほっとしたよ。最初の第一印象が大事なのに、ポメのままだったら絶対締まらない。

 そもそも魔族全員が可愛いもの好きとは限らない。虐げられたことはないし酷い態度を取られたことはないけれど、さすがに全員から好かれるなんてありえない。

 まぁ、子供らしい愛くるしさこそあるけれど、どっちかというと平凡よりの俺のヒト型の姿じゃあ、むちゃくちゃ良い印象を相手に与えるっていうのは難しいだろうけど。兄上たちのように超絶美形とまではいかなくても、もう少し美形寄りならなぁ。

 もしくはもっと派手ならなぁ、とちょっと思う。何せ俺の真っ白な髪の毛は珍しいと言えば珍しいけれど、瞳は黒っぽいグレーと、かなり地味な色だった。

(絶対皆美形なんだろうなぁ)

 魔族は美形しかいないのか? ってくらいに周りが美形ばかりなので、最近麻痺しがちだけれど、美形を見るのは純粋に目の保養だし、正直嫌いじゃなかった。むしろワクワクする。今の暮らしって、正直あまり刺激がないというか平和すぎて退屈なところもあるので、いつもと違う日ってのは楽しみなんだよね。

「シオン坊ちゃま。ご機嫌ですわね」

 部屋付きの侍女の一人で、本日の俺の身なりを整えてくれていたアーニャが、俺の機嫌が良いことを見抜き、ふふっと笑った。壮年の女性の姿をしている悪魔族の彼女は、俺の小さい時からずっと側に居てくれるヒトだ。パパと兄上たちの次くらいに俺も懐いている。ちなみに妖艶な美女って感じだ。

「うん! 友達になれたらいいなって!」
「シオン坊ちゃまなら大丈夫ですよ。あの冷徹で知られていた魔王様が、デレデレですからね。殿下たちだって、ご友人に坊ちゃまのこといつも、毛並みがもふもふで最高! ボールを投げるとすぐに取って来るしすごく賢いんだ!  と、いつも自慢されていらっしゃいますし、本当に可愛いは最強ですわ」
「そ、そう……?」

 アーニャはゆっくりと首を縦に振った。

(いや、それもう弟自慢って言うかペット自慢してる飼い主の言動だよね!?)

 ゲームに入り込む前の、里中紫苑だった時に良く見たペットの飼い主さんまんますぎて、ちょっと兄上たちが心配になった。アズール兄上やアメジスト兄上は子供だから良いけど、外見はワイルド系の美丈夫であるミスティック兄上が同じことを言ってると思うと絵面的に心配だ。

 パパの副官でもあるミスティック兄上は、威厳ある姿を周囲に見せないといけないだろうし……大丈夫なのかなぁ。意外とギャップ萌えとか? うーん。まぁ、でももう既に周知の事実みたいになってるなら、今更何言っても遅いか。

 俺普段は子供らしい言動を心がけているけれど、中身は全部の人生合わせると、半世紀くらいは生きてるからちょっと皆を騙してるみたいで罪悪感があったりする。でも、俺は今度こそ幸せな人生……いや魔族だから、魔族生を歩みたいのでちょっとだけあざといのは許してほしい。

 さすがに子供うちだけだろうしね、今みたいな溺愛は。

「アーニャはシオン坊ちゃまを応援していますから!」
「……うん、ありがとう!」

 俺はアーニャに見送られながら、パパたちの待つ大広間に向かった。

――――――――――――☆☆☆―――☆☆☆――――――――――――――――――

※1 プロローグをいったん非公開にしています。また後日、本編の途中で幕間として修正したものを投稿します。
※2 タイトルが分かりづらかったため、タイトルとあらすじを変更いたしました。

一度目の人生で地獄を見た俺! 二度目のポメガバースな箱庭世界で今度こそハッピーライフを目指します!~でも……ポメガバースって何?~

を引き続きよろしくお願いいたします。
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