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第一章

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 ピチャピチャ
 水の音で目が覚める
 手に川の水がかかる。あれ、河原の真ん中ぐらいで寝ていたはずなのにいつの間にか河辺に来ている?と驚いて周りを見渡した。

 違う、自分の寝てる位置は変わっていない。
 寝てる間に増水して川が迫って来ていたのだ。

 早めに気がついてよかった。もし気がつくのが遅くなってたらと思うとゾッとした。
 そう言えば寝ている間に増水するかもしれないから河辺で寝ない方がいいとサバイバルチャンネルでも言っていたな、体も河原の石でバキバキだし単純に水辺だから昨日より寒い。もう河原で野宿するのはやめよう

 お腹が空いたので昨日摂った何種類かの木の実を食べる。

 !!
「オェーッ!」
 気持ち悪く吐いてしまった。
 まずい食べたらダメな木の実だったか

 少し濁っていたが急いで川の水を飲むと変な味がする

 腹を下した。不用意に川の水を飲むのもNGだったな
 昨日はたまたま上流の綺麗な水と食べられる木の実を引き当てただけだったようだ

 汚物で汚れてしまったので川で体を洗い流そうと思ったが穏やかそうな川も急に深くなり流れも速くなる事があるから無闇に入らないほうがいい事を思い出す
 増水後なら尚更だ。

 汚れた服は諦めて川沿いに歩く事にした。

 暫くすると川の流れが速くなり何か音が聞こえる
 滝だ。滝があるのだ

 滝の下に何やら建築物らしきものが見える。降りるべきか。そもそも廃墟かもしれないし住んでいるのが人間ではないかもしれないが

 そこで思い出した。滝を無理に降りようとすると大怪我をするという事と降りられても戻れなくなる確率が高いそもそも遭難したら川沿いに下るべきではないとサバイバルチャンネルで言っていた事を

 最近はサバイバルチャンネルの事ばかり思い出す
 実際に役に立っているしサバイバルチャンネル様々だ

 とりあえず迂回してあの建造物まで向かってみようと思い森に戻った。建築物からあまり離れない様に谷沿いを進む

 暫く歩くとまたウサギを見つけた。しかしこんな森の中で静かに歩くのは無理だし逃げられたらひとたまりもない。ここは昨日食べられた野いちごらしい木の実とキノコを探して道を探そう

 キノコや木の実を採取しながら
 暫く迂回する道はないかと歩いていると獣道を見つけた。

 やった!喜びの余り足が急く
 ズルッ
 滑って転ぶ。危ないと思ったがもう遅い。足元が崩れる。何か掴もうとしたがだめだった。崖を何メートルか石や砂利と一緒に滑落してしまった。

 止まらない。あぁ遂に死んでしまうのかと思った瞬間手が木の根に引っかかった。助かった!




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