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浅井side
扉の音で我に返った俺は咄嗟に伸びかけた手を引っ込め、ズボンのポケットに突っ込みわざとらしく口笛を吹く。
すると、月島先生は眉をしかめながら目を覚ました。
凹「ん…あ!三木くん戻ってきたのか!?」
M「スマホ忘れた。」
マヌケな忘れ物をした三木は呆然と教室の入り口で立っていて結局、月島先生に俺の横に座らされた。
凸「アホだな。」
M「うるせぇ。お前よりマシだ。」
なんて小競り合いをしているとすぐさま月島先生が俺たちの仲裁に入り、俺たちはクタクタになりながら反省文を書かされた。
凹「はい!良くできました!居残り反省終わり!気をつけて帰るんだよ~!」
なんとかひらがなと句読点を乱用し、1枚の紙を埋めた俺たちは反省文を書き終え帰り支度をする。
M「月島先生はまだ帰らねぇの?俺バイクだから家まで送るよ?」
俺を差し置いて三木がとんでもない誘いを月島先生にしていて、思わず俺は三木の脇腹をつねる。
しかし、三木は振り返ることすらせず、俺に構わず三木先生と話を続けた。
凹「こら!バイク通学は校則違反だぞ!!先生はまだ仕事が残ってるから早く君たちだけで帰りなさい。寄り道しちゃダメだぞ!?」
月島先生はコツンっと可愛く三木にゲンコツを落とすと、三木はテヘヘっと笑い何故か俺にドヤ顔をする。
あとであとで覚えておけ…
そう三木のデカい背中にそう呪いをかけて3人で教室を出ると月島先生は職員室へと向かう。
M「先生じゃね~バイバイ~」
凹「バイバイじゃなくてさようならだろ。浅井くんも気をつけてね?」
月島先生はそう言って俺に笑顔を見せてくれるのに、俺は月島先生にそっけない顔をして三木と一緒に校舎を出た。
既に雨はやみ、外は暗くなり始めていて昼間からは想像出来ないほどの静かな校庭を三木と一緒に歩く。
すると、三木が空を見上げながら俺に問いかけた。
M「浅井さ~まさか本気じゃねぇよな?」
凸「んあ?なにが?」
M「月島先生だよ!月島先生!!」
三木が俺と肩を組みながらそう言うと何故か俺は焦りジワっと汗が滲み出る。
その焦りを親友の三木にすら知られたくない俺は必死で平然を装い、俺の肩にある三木の腕を振り払った。
凸「んな訳ねぇだろバーカ。」
そう言って誤魔化すと三木はフッと笑った。
M「なーんだ。俺の思い違いか。相手は男だしおまけに担任なのにあんな顔して誰かを見つめるお前初めて見たからさ!!ならいいや~じゃな~」
三木はそう言うと隠して置いてあるバイクの元に走っていった。
1人校庭を歩き門をくぐろうとするとそこには1番会いたくない教師、佐々木が立っていて俺を見て目を光らせている。
悪いことをした訳でもないのに、何か口出しする事を探しているかのような眼差しで、俺は特に構うことなく目の前を通り過ぎようとするとそいつは俺に話しかけた。
S「目の前に教師がいるのに挨拶もできないのか?」
偉そうなその言葉を聞いてイラッとした俺はわざとらく振り返り大袈裟に挨拶をする。
凸「佐々木先生さよ~なら~。…これで満足かよ。」
S「来て早々、月島先生を困らせてるらしいな?ほんとお前らはどうしようもないクズばっかだな。」
少なくとも俺たちはこの人の通う学校の生徒な訳でこの人はこの学校の教師。
確かにこの学校は不良校で有名だしクズばかりだが、わざわざこの学校の教師でもある人間が教え子に対してそんな事を言うものか?
俺はそんな事を思いながら佐々木を睨む。
S「教師に対してそんな目つきしかできないなんてほんとお前の将来が心配だよ。」
そいつはそう言いながら俺の横を通り過ぎ消えて行った。
つづく
扉の音で我に返った俺は咄嗟に伸びかけた手を引っ込め、ズボンのポケットに突っ込みわざとらしく口笛を吹く。
すると、月島先生は眉をしかめながら目を覚ました。
凹「ん…あ!三木くん戻ってきたのか!?」
M「スマホ忘れた。」
マヌケな忘れ物をした三木は呆然と教室の入り口で立っていて結局、月島先生に俺の横に座らされた。
凸「アホだな。」
M「うるせぇ。お前よりマシだ。」
なんて小競り合いをしているとすぐさま月島先生が俺たちの仲裁に入り、俺たちはクタクタになりながら反省文を書かされた。
凹「はい!良くできました!居残り反省終わり!気をつけて帰るんだよ~!」
なんとかひらがなと句読点を乱用し、1枚の紙を埋めた俺たちは反省文を書き終え帰り支度をする。
M「月島先生はまだ帰らねぇの?俺バイクだから家まで送るよ?」
俺を差し置いて三木がとんでもない誘いを月島先生にしていて、思わず俺は三木の脇腹をつねる。
しかし、三木は振り返ることすらせず、俺に構わず三木先生と話を続けた。
凹「こら!バイク通学は校則違反だぞ!!先生はまだ仕事が残ってるから早く君たちだけで帰りなさい。寄り道しちゃダメだぞ!?」
月島先生はコツンっと可愛く三木にゲンコツを落とすと、三木はテヘヘっと笑い何故か俺にドヤ顔をする。
あとであとで覚えておけ…
そう三木のデカい背中にそう呪いをかけて3人で教室を出ると月島先生は職員室へと向かう。
M「先生じゃね~バイバイ~」
凹「バイバイじゃなくてさようならだろ。浅井くんも気をつけてね?」
月島先生はそう言って俺に笑顔を見せてくれるのに、俺は月島先生にそっけない顔をして三木と一緒に校舎を出た。
既に雨はやみ、外は暗くなり始めていて昼間からは想像出来ないほどの静かな校庭を三木と一緒に歩く。
すると、三木が空を見上げながら俺に問いかけた。
M「浅井さ~まさか本気じゃねぇよな?」
凸「んあ?なにが?」
M「月島先生だよ!月島先生!!」
三木が俺と肩を組みながらそう言うと何故か俺は焦りジワっと汗が滲み出る。
その焦りを親友の三木にすら知られたくない俺は必死で平然を装い、俺の肩にある三木の腕を振り払った。
凸「んな訳ねぇだろバーカ。」
そう言って誤魔化すと三木はフッと笑った。
M「なーんだ。俺の思い違いか。相手は男だしおまけに担任なのにあんな顔して誰かを見つめるお前初めて見たからさ!!ならいいや~じゃな~」
三木はそう言うと隠して置いてあるバイクの元に走っていった。
1人校庭を歩き門をくぐろうとするとそこには1番会いたくない教師、佐々木が立っていて俺を見て目を光らせている。
悪いことをした訳でもないのに、何か口出しする事を探しているかのような眼差しで、俺は特に構うことなく目の前を通り過ぎようとするとそいつは俺に話しかけた。
S「目の前に教師がいるのに挨拶もできないのか?」
偉そうなその言葉を聞いてイラッとした俺はわざとらく振り返り大袈裟に挨拶をする。
凸「佐々木先生さよ~なら~。…これで満足かよ。」
S「来て早々、月島先生を困らせてるらしいな?ほんとお前らはどうしようもないクズばっかだな。」
少なくとも俺たちはこの人の通う学校の生徒な訳でこの人はこの学校の教師。
確かにこの学校は不良校で有名だしクズばかりだが、わざわざこの学校の教師でもある人間が教え子に対してそんな事を言うものか?
俺はそんな事を思いながら佐々木を睨む。
S「教師に対してそんな目つきしかできないなんてほんとお前の将来が心配だよ。」
そいつはそう言いながら俺の横を通り過ぎ消えて行った。
つづく
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