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イカせたくない3話
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ギンタサイド
E「ヒザノウエデネムル?とは…」
俺たちの後ろでヒュウに電話をかけていたはずのエニシから、まるでSiriに問いかけをしてるような声が聞こえてきた。
黙ってればイケメンでモテるエニシはヒュウのことになると、周りのことが目に入らないほど必死になり、そんなエニシにおかしくて、思わず俺は口元がニヤッと笑ってしまう。
しかし、エニシがキレた時の面倒臭さったらそれはもう、ヤバい。
俺たちでさえエニシがそうなってしまえば手がつけられなくなり、その怒りを抑えられるのは怒りの原因にもなっているヒュウしかいないから俺たちにしたら、正直、迷惑でしかない。
そんなエニシを知ってるナエスズは俺と違って優しく面倒見のよさから、エニシを見て慌てた顔をしてる。
N「ギンタ…ヤバイかも…見て!エニシの顔!どうしよう!?暴走しちゃったら!!」
俺はナエスズにそう言われて振り返れば、怒りに震えるまるで殺人鬼のような目をしたエニシがいた。
G「あれは軽く3人は殺った目をしてるな…」
N「またそんな冗談言ってエニシが心配じゃないの!?エニシがヒュウのお友達をボコボコにしちゃったりしたらどうするんだよ!」
G「それはさすがに大丈夫だろ。ナエスズ、俺たちもそろそろ帰ろう…あの調子だと泊まるなんて無理そう。今夜はヒュウ、朝まで寝れないぞ?」
俺はエニシの様子を見てそういうと、ナエスズは帰りたくないと駄々をこねる。
俺はそんな恋人をなだめて上着を着せると、ナエスズは諦めた顔をして不貞腐れてる。
G「エニシ?ヒュウのこと迎えに行くんだろ?タクシーで行けよ?その感情のまま運転なんてしたら危ない。」
俺の言葉を聞いて振り返るエニシの目はさっきより血走っていて、額に浮き上がる血管が今にも切れてしまいそうだった。
E「うん…今からタクシーで行く…」
G「そうか。俺たちやっぱ帰ることにしたから。なんかあったら連絡しろよ。……あ!あと、お前も分かってると思うけど暴力だけは…」
E「分かってるよ!!…ごめん…分かってるから。」
エニシは苛立ちを露わにしながらそう言った。
G「ならいいけど。じゃな。」
俺はそう言って、俺の恋人と一緒にエニシのマンションを出る。
N「あいつ本当に大丈夫かな…心配。」
G「大丈夫でしょ?」
誰もいない深夜の寒空の中…
夜空に浮かぶ星を見上げながら俺の恋人は心配そうな目をしている。
俺はそんな恋人の手をそっと握り、自分のポケットへと忍び込ませる。
すると、あんなにもお喋りだったぷっくりとした唇は少しだけ静かになり、耳を真っ赤に染めて俺に微笑むんだ。
N「深夜の散歩デートだね。」
G「寒くない?」
N「うん…大丈夫だよ?」
G「そういう時は寒いって言ってくっ付くんだよ。バカ。」
俺はそう言ってポケットの中で繋いでいる手を引き寄せ、恋人とピタッとくっ付く。
そうして俺たちは身を寄せ合いながら愛の巣へと帰宅した。
つづく
E「ヒザノウエデネムル?とは…」
俺たちの後ろでヒュウに電話をかけていたはずのエニシから、まるでSiriに問いかけをしてるような声が聞こえてきた。
黙ってればイケメンでモテるエニシはヒュウのことになると、周りのことが目に入らないほど必死になり、そんなエニシにおかしくて、思わず俺は口元がニヤッと笑ってしまう。
しかし、エニシがキレた時の面倒臭さったらそれはもう、ヤバい。
俺たちでさえエニシがそうなってしまえば手がつけられなくなり、その怒りを抑えられるのは怒りの原因にもなっているヒュウしかいないから俺たちにしたら、正直、迷惑でしかない。
そんなエニシを知ってるナエスズは俺と違って優しく面倒見のよさから、エニシを見て慌てた顔をしてる。
N「ギンタ…ヤバイかも…見て!エニシの顔!どうしよう!?暴走しちゃったら!!」
俺はナエスズにそう言われて振り返れば、怒りに震えるまるで殺人鬼のような目をしたエニシがいた。
G「あれは軽く3人は殺った目をしてるな…」
N「またそんな冗談言ってエニシが心配じゃないの!?エニシがヒュウのお友達をボコボコにしちゃったりしたらどうするんだよ!」
G「それはさすがに大丈夫だろ。ナエスズ、俺たちもそろそろ帰ろう…あの調子だと泊まるなんて無理そう。今夜はヒュウ、朝まで寝れないぞ?」
俺はエニシの様子を見てそういうと、ナエスズは帰りたくないと駄々をこねる。
俺はそんな恋人をなだめて上着を着せると、ナエスズは諦めた顔をして不貞腐れてる。
G「エニシ?ヒュウのこと迎えに行くんだろ?タクシーで行けよ?その感情のまま運転なんてしたら危ない。」
俺の言葉を聞いて振り返るエニシの目はさっきより血走っていて、額に浮き上がる血管が今にも切れてしまいそうだった。
E「うん…今からタクシーで行く…」
G「そうか。俺たちやっぱ帰ることにしたから。なんかあったら連絡しろよ。……あ!あと、お前も分かってると思うけど暴力だけは…」
E「分かってるよ!!…ごめん…分かってるから。」
エニシは苛立ちを露わにしながらそう言った。
G「ならいいけど。じゃな。」
俺はそう言って、俺の恋人と一緒にエニシのマンションを出る。
N「あいつ本当に大丈夫かな…心配。」
G「大丈夫でしょ?」
誰もいない深夜の寒空の中…
夜空に浮かぶ星を見上げながら俺の恋人は心配そうな目をしている。
俺はそんな恋人の手をそっと握り、自分のポケットへと忍び込ませる。
すると、あんなにもお喋りだったぷっくりとした唇は少しだけ静かになり、耳を真っ赤に染めて俺に微笑むんだ。
N「深夜の散歩デートだね。」
G「寒くない?」
N「うん…大丈夫だよ?」
G「そういう時は寒いって言ってくっ付くんだよ。バカ。」
俺はそう言ってポケットの中で繋いでいる手を引き寄せ、恋人とピタッとくっ付く。
そうして俺たちは身を寄せ合いながら愛の巣へと帰宅した。
つづく
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